●NNNニュース
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フジテレビ系(FNN) 10/28(金) 4:56配信
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20161028-00000241-fnn-int
比・ドゥテルテ大統領帰国 安倍首相との会談「実り多いもの」
フィリピンのドゥテルテ大統領は27日、3日間の日本訪問を終え、帰国した。
最終日の27日は、ヘリコプターで神奈川・横浜市に移動し、海上保安庁による犯人の追跡と、拿捕(だほ)を想定した小型高速艇による訓練などを視察した。
今回の来日では、中国が軍事拠点化を進める南シナ海問題を念頭に、フィリピンの沿岸警備隊の能力強化のために、日本が、大型巡視船2隻を円借款で供与することなどで合意している。
視察後、ドゥテルテ大統領は、予定されていなかった報道陣との会見に応じた。
ドゥテルテ大統領は、
「非常に実り多いものでした。日本は最大の支援国です」
と述べた。
一方、天皇陛下との会談は、三笠宮さまの逝去でキャンセルとなった。
ドゥテルテ大統領は、「心から弔意を表明したい」と述べた。
3日間の日程を終えたドゥテルテ大統領は、27日午後6時すぎ、羽田空港を後にした。
27日夜、フィリピンに帰国したドゥテルテ大統領は、空港で会見し、安倍首相との会談について、「実りの多いものだった」と述べた。
そのうえで、経済や安全保障など、さまざまな分野で、日本との関係強化を進める考えをあらためて示した。
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『
現代ビジネス 2016.10.28 長谷川 幸洋 東京新聞・中日新聞論説副主幹
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50079
ドゥテルテ大統領来日で再確認!
アジア外交の主役はやはり日本だ
中国はこの接近に焦っている
■「ドゥテルテ詐欺論」
フィリピンのドゥテルテ大統領が一連の発言で東アジアを揺るがしている。
米国に「決別宣言」を突きつける一方、中国に接近する外交路線が日米に打撃なのは間違いない。
ただ、ここは日本が存在感を高めるチャンスでもある。
ドゥテルテ氏は10月20日、公式訪問した中国で「米国と決別する」と述べた。かと思うと、訪日直前の24日にはマニラで会見し、米国との関係について
「まったく変わらない。私は口が悪いだけだ」
と軌道修正した。
中国では「米国との決別は中国から経済協力を引き出す狙いで言っただけ」という「ドゥテルテの詐欺論」まで出ているらしい。
決別と言っても、米国との軍事同盟解消や中国との同盟締結といった極端な戦略転換に踏み込む可能性もなさそうだ。
発言は揺れているが「米国との合同軍事演習は今年限り」と明言している。
大筋で米国と距離を置く一方、対中関係は強化していく方針とみていい。
そもそも米国とフィリピンの関係は、これまで安定していたとは言えない。
米比相互防衛条約を結ぶ一方、旧ソ連が崩壊すると安全保障環境が変化し、国内で「ヤンキー・ゴー・ホーム(米国は帰れ)」の声が高まった。
ピナツボ山の噴火で米軍基地の滑走路が使用不能になった事情もあって米軍は1992年、フィリピンから完全撤退する。
すると中国は95年、米軍撤退で生じた軍事力の空白を突いて、フィリピンと領有権で争いがあったミスチーフ礁を嵐の夜に実力で奪取してしまった。
実効支配は今日まで続き、埋め立てによっていま3000メートル級の滑走路が出来ている。
中国の脅威が高まると、フィリピンでは一転して「米国に戻ってほしい」という声が強まり、2014年に米軍のローテーション駐留を再び可能にする協定を結んだ。
ことし3月には米軍がフィリピン国内の5基地を使える協定も結んだばかりだ。
■なぜ米国嫌いか
ところが、5月の大統領選でドゥテルテ氏が当選し、再び米比関係の雲行きが怪しくなる。
米国はドゥテルテ氏が麻薬撲滅対策で「裁判なしに容疑者を処刑している」と批判を強めた。ドゥテルテ氏は強く反発して、今回の決別宣言に至っている。
そもそもドゥテルテ氏がなぜ米国を嫌っているのか、については諸説ある。
「米国との決別」講演では、現代ビジネスの同僚筆者である近藤大介氏が訳出しているように、ブラジル訪問の際に立ち寄った米国で税関当局とトラブルになった経験を語っている(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50048)。
ドゥテルテ氏が市長を務めていたダバオで起きた2002年のホテル爆発事件で、米国の捜査当局とみられる人物が事件に関係する米国人を一方的に国外に連れ出した件が響いている、という見方もある。
いずれにせよ、かつての宗主国である米国に対する反植民地感情が底流にあるのは間違いなさそうだ。
NHKのインタビューでは「フィリピンでフィリピン軍以外は見たくない」と語っている。
26日の講演では、2年以内に米軍のフィリピンからの撤退も求めた。
米国とすれば、なんとかフィリピンをつなぎとめて良好な同盟関係を維持したいところだが、アジアの対中包囲網からフィリピンを失いつつある現状はもはや否定できない。
「Lost Philippine」は、いまそこにある現実なのだ。
大統領選が最終盤を迎えている米国はいま、とてもフィリピンどころではないが、遅かれ早かれ、次期政権は東アジア全体の戦略を見直さざるをえないだろう。
■日本を敵視してはいない
米国が同盟国の離反を招いたのは、今回が初めてではない。
英国や独仏伊など欧州各国は昨年3月、米国の反対を押し切って、中国が主導したアジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加した。
今回のフィリピン離反はAIIBをめぐる欧州の離反を上回る衝撃と言える。
フィリピンは東アジアと南シナ海の要であるからだ。
一連の動きの背景には、もちろん米国の弱体化がある。
オバマ大統領が「米国は世界の警察官ではない」と表明したのは、2013年9月だった。
それから3年後のことし3月には大統領選のトランプ候補がニューヨーク・タイムズのインタビューで「米国はもう、かつての米国ではない」と認めた。
つまり米国の弱体化、それと裏腹の関係にある中国の台頭を背景にして、英国やフィリピンの米国離れが起きた。
だから、これは米国の問題でもある。
そこで日本だ。
日本はどういうポジションに立っているのか。
結論を先に言えば、私は絶好のポジションについたと思う。
まず日本にとって安全保障の要である米国とは、昨年の安全保障関連法制と日米防衛協力の指針(ガイドライン)見直しを経て、同盟関係を強化した。
加えて韓国とも昨年12月、慰安婦問題で合意し関係修復が進んでいる。
日本が韓国の「和解・癒やし財団」に10億円を拠出した件で批判も出ているが、検討が始まった日韓通貨スワップ協定に続いて、いずれは軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の締結へと進むだろう。
■実は主役はニッポン
そのように強化された安全保障基盤の上でフィリピンを眺めると、彼らは日本を敵視していない。
むしろ逆だ。ドゥテルテ大統領は26日の安倍晋三首相との会談で
「(南シナ海問題で)私は日本の側に立つ」と明言した。
南シナ海問題で「国際海洋法条約に従って、紛争を平和的に解決する」点で大統領と安倍首相は一致した。
こうした展開を米国から眺めれば
「米国を敵視するフィリピンを日本が間に立ってなだめ、
日米比3国の円満な関係維持に努めてほしい」
と期待しているはずだ。
つまり、日本が米国とフィリピンの橋渡しを務めるポジションについた形になる。
それが可能になるのは、繰り返すが日本と米国が盤石の体制を固めているからである。
これは大前提だ。
フィリピンから見ても、そんな日本こそが頼りになる。
同じような事情は対ロシア関係でも言える。
米国はクリミア侵攻をめぐってロシアと緊張が続いている。
だが、日本は北方領土問題に絡んでロシアへの大型経済協力を約束し、12月にプーチン大統領を日本に迎えようとしている。
日ロ首脳会談の結果、日ロ関係が改善すれば、焦るのは中国である。
9月9日公開コラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49669)や10月7日公開コラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49889)で書いたように、日本と米国にとって共通の脅威である対中包囲網にロシアが加わるのは、米国にとっても悪い話ではない。
同様に日本とフィリピンが良好な関係を維持すれば、焦るのは中国なのだ。
ふと気がつけば、いつの間にか
日本が米国に代わって対中包囲網作りの中核的役割を果たしつつある。
今回のドゥテルテ大統領訪日は、そんな日本の重みをあらためて印象づけた。
激変する東アジアの外交ドラマは日本を主役にして始まったばかりだ。
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『
Record china配信日時:2016年10月28日(金) 13時10分
http://www.recordchina.co.jp/a153739.html
ドゥテルテ発言の真意は?
比議員「スカボローで漁業?調印には至っていない」―中国紙
2016年10月28日、環球時報によると、フィリピンのドゥテルテ大統領が「数日後にわれわれの漁民が戻れる」と語った南シナ海のスカボロー礁(中国名:黄岩島)について、フィリピンの議員から「われわれは中国とそのような文書に調印していない」との発言が出た。
スカボロー礁は中国が実効支配を強めており、フィリピンの漁民が操業できない状況が続いている。
今月18日から21日にかけて中国を訪れたドゥテルテ大統領は23日の演説で
「数日後にわれわれの漁民がスカボロー礁に戻れるだろう」
と発言したが、訪中に同行した議員は
「中国はフィリピン漁民の操業を『許可する』正式文書への署名を希望したが、われわれは応じなかった」
と説明。
その理由として「『許可』という言葉遣いは仲裁裁判の結果に反する」と述べ、詳しい事情を知る人物の話として
「中国はフィリピン漁民の立ち入りに原則同意しているが、具体的な言葉選びが調印に至らなかった主な原因」
と語った。
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Record china配信日時:2016年10月28日(金) 11時50分
http://www.recordchina.co.jp/a153702.html
親日アピールのドゥテルテ大統領に中国外交は振りまわされているのか?
―米華字メディア
2016年10月26日、米華字メディア・多維新聞は記事
「ドゥテルテ大統領の中国・日本歴訪、
背後に見える中国外交を読む」
を掲載した。
中国に続き日本を訪問したフィリピンのドゥテルテ大統領の発言が注目を集めている。
親日家ぶりを猛アピールしているほか、南シナ海問題については日本と同じ立場にあると言明した。
発言は訪中時の約束を破る内容ではないと専門家は分析しているが、ドゥテルテ大統領に中国外交は振り回されているのではないかと不安に思う人も少なくないだろう。
そもそも中国では、自国の外交力が低すぎると不安に感じている人が少なくない。
中国と友好関係を結んでいるのはいずれも第三世界の国々であり、頼りにならない上に二枚舌ではないかというわけだ。
だが心配は不要だ。
中国は着々と新たな外交関係構築に邁進している。
米国のような伝統的同盟関係を結ばないのは大国となっても中国の外交は変わらないというメッセージを小国に伝えるものである。
また、大国として成長を続ける中国にはさまざまなタイプのパートナーが必要だ。
無数の二国間関係という基盤の上に「一帯一路」「AIIB(アジアインフラ投資銀行)」などの新たな多国籍プラットフォームを作りつつあるのだ。
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『
●ANNニュース
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サーチナニュース Record china配信日時:2016年10月29日(土) 23時20分
http://www.recordchina.co.jp/a153685.html
ドゥテルテ比大統領、
「反米発言」は政権求心力と外交戦略の“一石二鳥”狙う?
2016年10月28日、オバマ米大統領への暴言など一連の「反米発言」で物議を醸すフィリピンのドゥテルテ大統領。
南シナ海問題で対立する中国に「急傾斜」とも伝えられるが、「反米ナショナリズム」を自らの政権の求心力と外交戦略の“一石二鳥”に使っている節もうかがえる。
フィリピンで米国の存在感は圧倒的。
植民地支配の歴史や公用語の一つが英語、
アジア唯一のキリスト教国
ということもあり、太平洋を隔てているとはいえ、ほとんど隣国に近い。
日本は出稼ぎ先の一つにすぎないが、米国はあこがれの移住先だ。
米国には西海岸を中心に日系人の3倍にも上る約250万人規模のフィリピン人社会が存在する。
それだけに、フィリピン人は愛憎半ばする屈折した複雑な対米感情を抱いている。
ドゥテルテ氏の影に隠れて目立たないが、証券取引委員会委員長などの経歴を持ち、米国通とされるヤサイ外相も9月に米ワシントンで講演した際、「フィリピンはもうアメリカの茶色い弟ではない」と発言している。
沖縄県で米軍関係者の行動がしばしば問題視されるように、米空軍クラーク、海軍スービック両基地があった当時は米軍人の傍若無人な振る舞いが非難を浴びてきた。
事件が起きるたびに反米感情が高まり、基地撤去が叫ばれた。
こうしたことから、フィリピン国内では旧宗主国に対してはっきり物を言う政治家は人気を集める。
最新の世論調査によると、ドゥテルテ大統領の支持率は、対麻薬戦争への共感も手伝い86%にも上る。
国内の政治基盤が弱い大統領にとっては、国民の支持が最大のよりどころだ。
マルコス元大統領も就任当初は民族主義者を標ぼうし、支持を集めた。
米国からの再三のベトナム派兵要請を拒み非戦闘部隊の派遣にとどめたほか、1975年に中国、翌76年に旧ソ連と国交を樹立し、それまでの対米一辺倒外交からの転換を試みた。
25日からの日本訪問前、フジテレビとのインタビューに応じたドゥテルテ大統領は米国などへの過激発言を繰り返す理由を問われ、
「誰も話を聞いてくれないとき、どうやったら、気がついてもらえるか。
『汚い言葉を使って叫んでいる男は誰だ』となり、私に気づき、耳を傾け始める。
(では、暴言はわざとだと?) もちろん」
と言い放った。
18日からの中国訪問中、ドゥテルテ大統領は習近平国家主席との首脳会談で南シナ海問題を「棚上げ」した。
その後、軌道修正したものの、わざわざ米国との「決別」を宣言。
中国から、鉄道建設などのインフラ整備を含む総額240億ドル(約2兆5000億円)もの支援を引き出した。
一方、26日の安倍晋三首相との会談では冒頭から南シナ海問題に言及して、
「平和裏に問題を解決したい。
(中国と)いずれ話をしなければならない」
とした上で、
「私は日本側に立つつもりだ」
と表明。
中国の主張を退けた仲裁裁判所の判決については
「判決の範囲外の立場をとることはできない」
と述べ、日本と中国を使い分けるしたたかな一面ものぞかせた。
』
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東洋経済オンライン 2016年10月31日 美根 慶樹 :平和外交研究所代表
http://toyokeizai.net/articles/-/142583
ドゥテルテ、「南シナ海」で有利な決定的証拠
"暴言"大統領はいずれ中国に突き付ける
ドゥテルテ・フィリピン大統領は、10月18~21日に中国を訪問。
いったんフィリピンへ戻ったが、25日~27日、日本を訪問した。
忙しい外交日程であることは間違いないが、失礼ながら、フィリピンの大統領としては異例の注目を浴びた。
フィリピンは伝統的友好国である米国から離反し、中国との関係を強化する方向を向いているように見られている。
そのうえ、同大統領が独特の過激な物言い、たとえば
「米国と別れる。 オバマ大統領は地獄へ落ちろ」
などと発言し、世界の耳目を引いているからだ。
南シナ海で米国と対立する中国が、ドゥテルテ大統領の訪中を急きょ国賓に格上げし最大級の歓待をしたのは、ある意味当然であった。
しかも、中国が提供した経済協力は、確定的でないようだが、総額2兆5000億円にも上ると言われている。
さすがにこの大盤振る舞いについては、中国内でも批判の声が上がっているそうだ。
■まず過激に発言し、後から修正する
しかし、フィリピンが本当に米国から離れ、対立することも辞さなくなったと見るのは早計だ。
大きく言えば、半分は、ドゥテルテ大統領の言動によって誇張されている。
同大統領は、まず過激に発言しておき、後で必要なら修正を行う。
修正は自分自身ですることもあれば、外相など側近がその役割を演じることもある。
今回も中国訪問後の説明を聞けば、米国との関係は従来と基本的には変わらないようだ。
米軍との合同軍事演習はもうしないと言っているが、同盟関係は維持する方針である。
ドゥテルテ大統領の真意を確かめるため、フィリピンを訪問した米国のラッセル国務次官補も、
「フィリピンと米国の関係は変わらないと見ることができる」
と発言した。
ならば、中国での発言は何だったのか、と言いたくなる。
が、同大統領はこれまでそういうスタイルを通して、国民から喝さいを浴びているのであり、こちらとしてもかなりの幅をもって見ていく必要があろう。
南シナ海の問題については、ドゥテルテ大統領は中国の習近平国家主席と、話し合いで解決を図ることに合意した。
我が国などでは国際仲裁裁判所の判決の扱いに強い関心があるためか、両首脳は判決を「棚上げ」したとも言われているが、そのような事実はない。
同大統領は訪中をぶち壊さないため、それを持ち出さなかっただけだ。
仲裁判決は、両国の首脳会談では表に出なかったが、フィリピンにとって極めて価値の高いものである。
■中国の領有権主張に根拠なし
まず今回の仲裁判決は、国連海洋法条約(UNCLOS)の解釈によって、中国の主張と行動は「違法」と判断した。
いわゆる中国の「九段線」主張についても、UNCLOSに違反していることはすべて違法だと断定した。
さらに判決は、領有権に関する中国の主張も、根拠がないことを「示唆」した。
なぜ示唆かといえば、仲裁裁判所に領有権問題をさばく権限がないからだ。
具体的には、判決は管轄についての原則を尊重する姿勢を見せながらも、
「裁判所がスプラトリー諸島やスカボロー諸島に関する主権の問題を扱う権限があるならば、
非常に興味深い証拠が諸方面から集まっている」
と述べている(判決パラ264)。
この部分だけでははっきりしないかもしれないが、前後と合わせて読むと、中国の領有権主張も根拠がないという考えが示されている。
要するに、判決は領有権については権限がないことを自認しつつ、実際には少し踏み出して、中国の主張が領有権問題に関しても根拠のないことをやんわりと言ったのだ。
判決の言う「非常に興味深い証拠」とは何か。
具体的に示していないので推測にならざるを得ないが、大きく言って、2種類の証拠は間違いなく参照しただろう。
★.その1つは、第二次世界大戦が終結するまで南シナ海の大部分は日本が支配していたこと、
さらにそれ以前はフランスが支配していたこと
に関する証拠だ。
この類の資料としてはフランス、中華民国、さらには日本に、関連の公文書がある。
中華民国については、『外交部南海諸島档(の繁体字)案彙編』上下巻などがあり、我が国でも閲覧可能だ。
これらの文献は政府の立場表明、抗議、政府間の折衝などを記録しており、客観的な資料としての信頼性は極めて高い。
判決が参照したであろうと思われる、
★.もう1つの種類の証拠は、
帝国主義勢力が南シナ海へ進出する以前、中国の歴代王朝が作成していた公式の地誌である。
あまりに古いものは散逸しているが、明清両朝の『大明一統志』および『大清一統志』は完全に残っている。
これらの地誌では、海南島が中国の最南であることが明確に示されている。
海洋については、中国大陸の沿岸より外の大洋は「中国と夷(野蛮国)が共存するところ」、すなわち今日の言葉で言う、「公海」と認識されていた。
『皇明実録』という明朝廷の議事日誌などが明記している。
ともかく、これらの文献を含め、非常に興味深い証拠を検討した結果、仲裁裁判所は中国の領有権主張は根拠がないという心証を得たのだと思う。
■同じことは東シナ海にも当てはまる
もっとも、判決は中国からけなされ、拒否された。
判決を強制的に執行することはできないので、中国パワーに押され気味に見えるが、それは表面的なことで、
この判決はフィリピンにとって、百万の援軍にも比肩しうるほど頼りになる。
フィリピンがこれらをいつ、どのような状況で活用するか、それはフィリピンが決めることだ。
ドゥテルテ大統領は訪中を成功させるため、今回使わなかった。
それは訪中の目的全体に照らして適切な判断だったと思う。
しかし、今後、南シナ海に関して再び中国と対立することになれば、フィリピンにとって大きな力となる。
同大統領も、いずれ判決を持ち出すことになるかもしれない、という趣旨の発言を行っている。
ドゥテルテ大統領は安倍首相とも南シナ海問題の平和的解決で合意した。
発表されてはいないが、その中では仲裁判決について、そうした将来の可能性をより明確に示したのではないか。
同大統領による「フィリピンはいつも日本の側に立つ」という発言は、おそらく東シナ海と南シナ海は類似した状況にあり、特に中国との関係で同じ立場にあることを指摘した発言だと思う、実際、今回の南シナ海判決は、東シナ海にも当てはまるところがある。
同大統領の発言は非常に興味深い。
』
【身勝手な大国・中国】
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