2016年10月26日水曜日

フィリピンの中国への急接近(3):日本の約500倍の援助をする中国、フィリッピンは中国に金で買われたということになる

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●NNNニュース


 日中がフィリピンに「ばらまき外交」
ということだが、残念なことに
 日本には「ばらまく」だけの資金がない。
 「5000万ドル:240億ドル」
が本当なら「5:2400=1:480」となり、中国は日本の約500倍の援助をすることになる。
 もうとても太刀打ちできない。
 日本は見切りをつけて、日本スタイルでの援助に特化すべきだろう。
 それしか道がない。
 しかし、本当に中国はそれだけの援助をするのだろうか。
 リップサービスに終わらないだろうか、それが疑念になる。
 中国の大きな援助の多くは途中で投げ出されることが多い。
 それは中国国内の情勢に左右されるからである。


Record china配信日時:2016年10月26日(水) 12時10分
http://www.recordchina.co.jp/a153396.html

日中がフィリピンに「ばらまき外交」、
日本は5000万ドル、中国は240億ドル援助―中国メディア

 2016年10月25日、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領が訪日した。
 同大統領は18〜21日の日程で中国を訪問したが、中国メディア・観察者網は安倍政権が中国を追いかけるように「ばらまき外交」をすると報じた。

 BBCは日本メディアの報道を引用し、日本とフィリピン両国の消息筋から安倍首相が会談で巨額の援助を宣言することが明らかになったと報じている。
 農業開発支援に50億円(約5000万ドル)の借款供与を伝えるという。
 また、中国との関係など、フィリピンの新たな外交政策について、安倍首相は説明を求めるとみられている。

 しかし、経済援助額においては、中国は日本を圧倒している。
 BBCによると、フィリピンのラモン・ロペス貿易産業相は21日、
 中国から240億ドル(2兆5000億円)相当の投資と借款
が得られる見通しを明らかにした。
 それに先立ち、ロペス大臣は20日、
 総額135億ドル(1兆4000億円)相当の合意に署名できそうだと明かしているとロイターが報じていた。

 ドゥテルテ大統領はかねてよりフィリピン初の高速鉄道事業への援助を中国に求めており、この合意にはそれに関する中国国家発展改革委員会とフィリピン交通省などによる備忘録も含まれるとみられる。
 今年8月にフィリピンの新規鉄道事業に24億ドル(約2500億円)を借款すると発表したばかりの日本にとって、こうした中国の高額援助は脅威となっている。

 なお、ミンダナオ島はドゥテルテ大統領の地元で、同島の最大都市・ダバオ市長を長年勤めていた。大統領就任後もたびたびダバオを訪れており、地元には強い思い入れがあるという。



ロイター 2016年 10月 26日 22:23 JST
http://jp.reuters.com/article/duterte-south-china-sea-idJPKCN12Q109

[東京 26日 ロイター] -
 安倍晋三首相とフィリピンのドゥテルテ大統領は26日に会談し、中国がほぼ全域の領有権を主張する南シナ海問題について、平和的解決に向けて協力することで一致した。
 同大統領は、国際仲裁裁判所の判断は拘束力があるとの認識を示し、「日本の側に立つ」と語った。

■<南シナ海、「いずれ語る」>

 フィリピンは南シナ海のスカボロ―礁の領有権をめぐって中国と対立。国際仲裁裁判所が7月に中国の主張を退ける判断を下したが、ドゥテルテ大統領は日本に先立ち訪問した中国で、この問題を取り上げなかった。
 
 首相官邸で安倍首相と会談したドゥテルテ大統領は、
 「いずれ語らなければならない問題だが、いまそれを語るべきときではない」
と説明。
 中国と領有権を争う日本とフィリピンの類似点を指摘し、
 「ときが来たときには日本の側に立つ。
 安心してほしい」
と語った。

 これに対し安倍首相は、
 「日本の立場に常に寄り添うことを明言したことに感謝する」
と発言。
 両首脳は「法の支配」の重要性を確認するとともに、南シナ海問題を国連海洋条約などにもとづいて平和的に解決することで一致した。

■<対米関係も意見交わす>

 安倍首相とドゥテルテ大統領は、ぎくしゃくしている米比関係についても意見を交わした。
 安倍首相は米国との同盟の重要性を説明し、ドゥテルテ大統領は
 「米国との外交関係を断ち切るわけではない」
などと回答した。

 自身が始めた麻薬犯罪取り締まりを米国から批判されている同大統領は、米オバマ政権をたびたび非難。
 26日午後に都内で講演した際も、
 「おそらく2年以内に外国の軍隊はフィリピンからいなくなる」
と述べ、米国との軍事同盟解消を示唆していた。

 安倍首相とドゥテルテ大統領はこの日、2度会談した。
 対米関係などを話した2度目の会合は出席者を絞った私的なもので、内容はつまびらかになっていない。

 日本側は、フィリピンに対し213億円の円借款を決定。
 大型巡視船2隻を供与するほか、ミンダナオ島の農業を支援する。
 このほか、反政府勢力を海上で取り締まるための小型高速艇を供与することも決めた。

ドゥテルテ大統領は27日午後に天皇陛下と会見し、離日する。



毎日新聞 10月27日(木)1時41分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161027-00000003-mai-int

<日比首脳会談>ドゥテルテ氏「共有する価値観は民主主義」

 ◇日本重視を打ち出す 共同声明も発表

 安倍晋三首相は26日、フィリピンのドゥテルテ大統領と首相官邸で会談し、南シナ海問題の平和的解決に向けて連携することで一致した。
 米比同盟も念頭に同盟関係が地域の平和と安定をもたらすことを確認。
 自制や非軍事化の重要性に言及した共同声明も発表した。
 ドゥテルテ氏は「(日比が)共有する価値観は民主主義であり法の支配だ」と日本重視を打ち出した。

 首相は会談後の共同記者発表で、南シナ海での中国の権益主張を退けた仲裁判決について
 「国連海洋法条約などに従い平和的に解決することの重要性を確認した」
と述べた。
 ドゥテルテ氏は「紛争があれば、平和裏に解決する価値観を基に緊密に協力する」とした。

 ドゥテルテ氏は20日の中比首脳会談で仲裁判決を事実上棚上げしており、日本は南シナ海問題でのフィリピンとの連携確認で巻き返しを図った格好だ。
 ドゥテルテ氏は会談で仲裁判決について「範囲外の立場を取ることはできない」と述べ、当事国に対して拘束力を持つとの認識を示した。

 両首脳は会談で、日本が大型巡視船2隻を供与する約165億円の円借款を正式決定。
 日比防衛装備品・技術移転協定に基づく海上自衛隊練習機の有償貸与に向け、条件を定めた取り決めも結んだ。
 ドゥテルテ氏が最重視する麻薬対策で首相は、麻薬常習者の更生支援策を年内にフィリピン側に示す考えを伝えた。
 麻薬取り締まりに際しての人権問題には言及しなかった。

 一方、ドゥテルテ氏は東京都内での講演で、
 「2年以内に外国軍部隊は(フィリピンから)出て行ってほしい」
と発言。
 米軍部隊の撤退期限に初めて言及した。
 首相は会談で、アジア太平洋地域での米国の存在の重要性を説明して理解を求め、ドゥテルテ氏は「米国と外交関係を断ち切るわけではない」と釈明。
 これに関し政府高官は「同盟関係の重要性は確認できた」と語った。



中央日報日本語版 10月27日(木)8時9分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161027-00000006-cnippou-kr

予測不可能なドゥテルテ氏、
今度は「われわれは日本側」
…米国には「決別→同盟→チンピラ」

 日本を訪問中のフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領が26日、安倍晋三首相と会談を開き、経済・安保分野で協力を強化していくことで合意した。

 安倍首相は首相官邸で開かれた首脳会談で
 「ことしは両国国交正常化60周年だ。
 ドゥテルテ大統領の訪日を契機に両国関係を飛躍的に発展させたい」
と明らかにした。
 ドゥテルテ大統領も中国との領有権紛争に関して
 「われわれは日本と同じ状況にある。
 法支配により平和的に問題を解決したい」とし
 「いつでも日本側に立つ考え」
とこれに呼応した。
 会談終了後に開かれた共同記者会見で、両首脳は
▲:フィリピンの海上警備能力を高めるために日本が大型巡視船2隻を提供すること
▲:立ち遅れている地域の経済を支援するために円借款を供与すること
--に合意したと発表した。
 このような日本の破格的な歓待は領有権紛争中である中国を牽制するにはフィリピンとの関係改善が重要だと判断したためだ。

 ドゥテルテ大統領は先週中国を訪問して習近平中国国家主席と会い
 「中国は偉大な国家であり、両国の長年の友情は揺らぐことはない」
と述べた。
 19日に開かれた海外同胞懇談会では
 「米国に別れをいう時」
 「軍事・経済的に米国と分離されるべき」
と、米国に対して強硬発言を繰り返していた。
 米国最大友好国の日本としてはフィリピンが親中・反米路線を固める状況に心は穏やかでない。

 しかし、日本を訪れたドゥテルテ大統領の発言は予想を裏切るものだった。
 首脳会談を通じたすべての発言で
 「(中国との関係は)経済的なものであって軍事的なものではない」
と強調した。

 だが、反米強硬発言だけは続いた。
 25日、日本行きの飛行機に搭乗する前に開いた記者会見では
 「米国はフィリピンを首輪でつないだ犬のように扱っている。
 本当に愚かだ」
と非難して、
 「私が大統領職を長く執ることになれば防衛協力拡大協定(EDCA)は忘れてもらわなければならない」
などとと米国を脅迫した。
 2014年に米国とフィリピンが締結したEDCAで、米軍はフィリピン軍事基地で訓練し米軍地域に施設を設置する権限を得た。
 26日に開かれた「フィリピン経済フォーラム」でもドゥテルテ大統領は
 「外国軍は2年以内にフィリピンから出ていってもらいたい」
と述べたと新華社通信が報道した。
 ここで外国軍は米軍を意味する。
 同日、在日フィリピン海外同胞に会った席では
 「米国は本当にチンピラだ」
と非難した。

 ドゥテルテ大統領は24日には日本報道機関とのインタビューで
 「米国とは同盟関係にあるので他のいかなる国とも軍事同盟を結ばない」
としながら
 「中国と同盟を結ぶことは不可能だ」
と明らかにしていた。



JB Press 2016.10.27(木)  末永 恵
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48227

田中角栄元首相に重なる面が多いフィリピンの新大統領

 「暴言」「失言」「放言」――。
 その毒舌でフィリピンの名を世界的に知らしめた「フィリピンのドナルド・トランプ」こと、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領が国賓として日本を初訪問中だ。

 親日家と言われるが、素顔のドゥテルテ氏はあまり知られていない。
 南沙諸島問題を棚上げし、警戒する日本を横目に、中国から巨額の経済援助を引き出し、米国との決別をも表明。
 今年限りの米比合同軍事演習中止も発表している中、その親中度が高まる一方だが、日本訪問後にはロシア訪問も予定。

 その手法はあたかも、小国ながらも大国を手玉にとり、自国の利益を優位に得るベトナムの外交戦術を手本にしているかのようだ。
 親日家、それとも親中派か。「裸のドゥテルテ」を暴いてみたい。

■庶民派は演技、実はインテリ

 ドゥテルテ氏は、現在71歳。
 フィリピン航空の客室乗務員だったドイツ系(祖父がドイツ人)のエリザベス・ジムマーマンさん(68歳)と約30年間の結婚生活後、3人の子供に恵まれたが2000年に離婚。
 現在、正妻はいないが、かつてミス・ダバオ医科大学に選ばれ、米国で看護士をしていたハニレット・アヴァンセナさん(46歳)というパートナーと暮らしており、2人の間には12歳の女の子がいる。

 ドゥテルテ氏は庶民派を“演出”しているが、もともと「父が元州知事で弁護士」「母は教師」というインテリ出身。
 しかし、最近になって、両親からというよりか、
 「自分の人間的(価値観)形成や政治への考え方は、子供の頃、カトリック教会の司祭に、とてもショッキングな性的虐待を受けたことが大きく影響している」
とカミングアウトしている。

 そして、10年ほどダバオ地検検事を歴任した後、父の後を継ぐ形で政界入り。
 7期当選で22年間、ダバオ市長に君臨。
 その間、下院議員選挙に立候補し当選、中央政界での経験もある。

 地方、国政と行ったり来たりする内情はこうだ。
 実はフィリピンでは、「3期9年以上」連続し市長職に就任できないという法律があり、自分の身内に4期目に席を渡す一方、当人は下院議員など他の公職に立候補。
 3年後に3年腰かけて元職に返り咲く“常套手段”がまかり通っている。
 これこそがフィリピンの「地方独裁腐敗政治の温床」「政治屋一族による私物化」にもなっているが、全く改められる気配はない。
 ドゥテルテ氏もうまくこの手法を使い、実娘に市長の座を渡すことで、一時期、副市長も務めてきた。

 暴言、放言から海外からは単細胞に見えるが、なかなかのしたたか者である。
 今回の大統領選でも、エリート層であることをあえて表舞台に出さず、
 「犯罪者は死ね。皆殺しだ」
と暴力的過激発言を繰り返すことで、アキノ政権で不満を爆発させた庶民の支持を吸い上げた。

 一方、貧困層だけでなく、犯罪撲滅で治安回復や海外からの投資を目論む知的ビジネス階級からも、自分の生い立ちやイメージ作りを巧みに演出することで、満遍なく票をかき集め、下馬評を覆し、あっさり大統領に当選した。
 最たるものが、彼のその「生い立ち」作りだ。
 民主党の蓮舫代表ではないが、この出生秘密は、今回、日本訪問前に初訪問した中国でも最大の武器として大いに“その役目”を発揮した。

 これまで、ドゥテルテ氏は母方の祖父が華人で、本人も
 「中国人はフィリピン社会に昔から根を張ってきた。
 私はフィリピン国籍だが、中国の血筋を誇りに思う」
と語り、日本でも“親中”である背景とされてきた。

 しかし、フィリピンには華人系政治家が多く、南シナ海領土問題で国際仲裁裁判所に中国を訴えたべ二グノ・アキノ3世前大統領も、実は華人系だ。

 一方、中国ではすでにドゥテルテ氏が、「本当に華人系か」「中国人なら公式な場で中国語を話せ」などネットでバッシングを受けている。
 果たして本当に華人の血が流れているのか――。
 答えはどうやら、「NO」のようだ。

■「華人の血が入っている」は真っ赤な嘘

 最近、筆者は彼の息子の親友である人物と接触する機会に恵まれた。
 「あれは嘘だよ。
 息子が言っている。
 華人の血は入っていない」。
 当然、日本で一部報道されているような「中国語が堪能」も嘘っぱちのようだ。
 ドゥテルテ氏が嘘をついているのは、筆者の知人のフィリピンの有力紙ベテラン記者からも聞いていたので「やはりね」と納得だ。
 そう言えば、大統領選挙中に初めて「華人の血が混ざっている」という情報が流れたが、その出所は当然、ドゥテルテ氏本人。
 前述の人物が、
 「おじさんはいつも冗談ばかりで、知らない間に真実のように語られることはこれに限らず多いんだ」
とニンマリ笑う。

フィリピンの華人は、人口約1億人のうちの約120万人と少数派。
 しかし、戦後、西側とともに反共体制を敷いたフィリピンでは同じく反共だった台湾からの商業移民がフィリピン経済の土台を築き、今でも「コファンコ財閥」などが、国内ビール最大手の「サン・ミゲル」(キリンビールが約50%の株式保有)やフィリピン航空など国内の基幹産業を牛耳っている。
 当然、こうした華人の経済力を味方にしたいドゥテルテ氏の思惑があったが、大統領が華人系とし自ら「嘘」を拡散させた最大の理由は、どうもフィリピンで今、渦中の「麻薬撲滅戦争」と関連するようだ。
 ドゥテルテ氏は7月、マラカニアン宮殿で記者会見を開き、フィリピン国内の違法薬物密売を取り仕切る「麻薬王」3人の名前を公表、いずれも中国系フィリピン人で、実業家でもあるピーター・リムとは面会も行った。
そこでいきなり「殺してやる」と自ら脅した経緯がある。
 華人系は経済だけでなく、フィリピンを蝕む麻薬にも深く関係しているからだ。

 ドゥテルテ氏の大学時代の恩師は フィリピン共産党(CPP)の最高指導者ジョマ・シソン氏と言われ、ドゥテルテ氏が危険だが大胆な発想で国を動かし、麻薬犯罪から救い出そうとしているのは確かだ。
 今でも麻薬戦争で逮捕、殺害が繰り返されているのも、麻薬密売人やそのボスの多くが華人系だからだ。
 ダボス市長時代から「殺すか、殺されるかだ」と宣戦布告する一方、自身はいつも暗殺される危険に晒されてきた。
 そのため大統領に就任後、「自分には華人系の血が混ざっている」と公言することで、命の安全を確保し、さらには「嘘」でガチガチの中共をさらに「嘘」で騙し打つ・・・。
 暴言、放言の裏で、そんなしたかかな戦略的戦いを展開する本当は頭の切れる人物のようだ。

 日本の政治家ではなかなか太刀打ちできそうにない。
 そういった意味では、日本の歴代首相の中で絶大な人気だった田中角栄元総理とカリスマ性も含め重なるところが多いようにみえる。
 そう言えば、田中角栄氏、また米国のドナルド・トランプ氏にも強力な秘密兵器の「実娘」がいるが、ドゥテルテ氏の場合は「じゃじゃ馬娘」がいる。

■父親譲りの現ダバオ市長、そのやんちゃぶり

 父親に負けず劣らずのやんちゃぶりで、フィリピンでは有名な現ダバオ市長、サラ・ドゥテルテ氏だ(38歳)。
 別れた妻のジムマーマンさんとの子供で、「彼の秘蔵っ子で最も優秀」(ジムマーマンさん)と言うだけあり、ドゥテルテ氏が溺愛している。
 父親と同じ弁護士という経歴を持つ。
 2010年、前述のように法律で3期以上務められない父親に代わって2010年の改選で最年少、女性初のダバオ市長に就任した。
 選挙戦では、対立候補で前下院議長という政界の大物が立候補したが、絶対君主的な強力な政治権力を持つドゥテルテ氏一族が圧勝、副市長には兄のパオロが当選した。

 何の実績もなかった彼女が当選したのは紛れもなく、ドゥテルテ氏の七光りだ。
 このサラ市長が一躍、全国区で名を馳せることになったのが、裁判所の執行官に食らわせた「顔面4発パンチ」だった。
 https://www.youtube.com/watch?v=kqTFB9vC8L0


 ダバオ市内の不法占拠地域の立ち退きを巡り、住民側と立ち退きを執行する裁判所の執行官側とで投石騒ぎが発生。
 ここにサラ市長が乗り込み、「立ち退きを2時間待ってくれ」と要請したものの聞き入れられなかったことに激怒し、執行官を手招き、呼び込んだところで胸ぐらをヒョイと掴み、顔面に「バン!」「バン!」「バン!」「バン!」4発のパンチを浴びせたのだ。

 この一部始終が全国放送のニュースで何回も流された。
 批判がある一方、フィリピンでは日常茶飯事のことで擁護する声も多かった。
 フィリピンらしい。
 日本では考えられないほど「役所イジメは庶民の味方」とする考えが横行するフィリピンでは、停職するわけではなく、一方のサラも全く悪ぶれた様子もなく、父親譲りの強烈パンチでフィリピン全土に名を馳せることとなった。

 ドゥテルテ氏がかつて市長を務めたフィリピン南部のミンダナオ島ダバオ市は、「世界一広い面積」を持つ市として知られ、人口(約150万人)はセブに次ぎ、同島で最大だ。
 極めて親日的で知られる。なぜなら、ダバオの経済発展の裏には20世紀初め、兵庫県から移住してきた太田恭三郎が始めた「マニラ麻」と「ココナッツ農園」があるからだ。
 マニラ麻は船舶用ロープとして重宝された。第1次世界大戦の特需景気で販売が急拡大。
 ダボスは「マニラ麻の大産地」に急成長し、当時、約3万人の邦人が居住。
 当時としては、東南アジア有数の日本人の入植地と知られていた。
 今では、日本資本によるバナナ大農園が広がり、フィリピン有数のバナナ名産地となっている。
 日本に輸出されるバナナのほとんどがダバオ産だ。

■日本人に対する敬意は本物

 日系人会には約6000人の会員が所属。
 2011年の東日本大震災では早々に、無償での日本からの避難民受け入れを表明。
 2013年10月には、ドゥテルテ大統領(当時市長)が日本人慰霊碑建立に自費で援助し、建立式典スピーチを買って出た。
 父親から日本人の勤勉さや技術力の高さを聞かされ、ドゥテルテ氏は地元の日本人に対しても敬意と信頼を置いてきたという。

 彼が日本の歴代首相の中でダントツ人気だった田中角栄元首相を見本としているか分からないが、
 「麻薬や汚職を撲滅できるのは俺だけ。ほかのみんなは、言うだけだった」
とかつてフィリピンの大統領が誰もなし得なかった麻薬撲滅戦争に命をかけている姿は、日本の復興・成長を引っ張った角栄氏と重なるところも少なくない。

 例えば、「資源調達を米国から断たれたことが第2次世界大戦の要因」と公言する一方、米国との摩擦を恐れ誰も挑戦しなかった「独自の資源エネルギー獲得」へ動いた角栄氏の鋭い嗅覚と先見性が挙げられる。
 角栄氏は当時、米国が供給体制を寡占していた濃縮ウランと石油獲得に奔走。
 同盟国・米国との事前調整を行わず、フランスと直接交渉。
 濃縮ウラン年間輸入契約を締結させた。

 「米国は自国の利益のみ考えている。
 米国との決裂は問題ない」
と中国訪問時に中国側から経済、安全保障などで譲歩を引き出すため、ドゥテルテ氏は得意の「嘘」で固めた演出を行ったが、中国は嘘と分かっていながら微笑み、巨額の経済援助を約束した。

 スペイン、米国の支配を受けたため、フィリピン人は
 「ラテン的で近寄りやすい一方、自国の要求や権利を過度に要求する米国的価値観を“共有”する」
と言われる。
 手のひらで物事をコロコロ転がすのがお好きな国民性でもある。

 「嘘で固めた親中」だけでなく「嘘で固めた親日」かどうか。
 経済支援だけちゃっかりもらって、「アッカンべー」とされないように、日本の外交にはフィリピンの新リーダーに警戒心を持ちつつも、柔らかく時に強硬に臨む角栄氏のようなしたたかさが必要だろう。




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