2016年10月7日金曜日

中国経済の行方(2): きな臭さを増す中国経済、IMFが再び警告、3年以内に金融危機が起こる恐れ

_


ロイター 2016年10月6日  Umesh Desai記者
http://diamond.jp/articles/-/103982

負債膨らむ中国企業、
政府指示で銀行は返済猶予


●10月4日、ロイターの分析によると、中国企業は業績が低迷する一方で借り入れが膨らみ、今年上半期には利益が少なすぎて債務が返済できない企業が全体の4分の1程度に上った。写真は北京の銀行前に掲げられた中国旗。1月撮影(2016年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[香港 4日 ロイター] -
 ロイターの分析によると、中国企業は業績が低迷する一方で借り入れが膨らみ、今年上半期には利益が少なすぎて債務が返済できない企業が全体の4分の1程度に上った。
 しかし銀行は実体経済を支えるよう求める政府の意向を受けて、負債を抱えた企業に返済の延期や免除を与えている。

中国企業の今年上半期の利益伸び率(中央値)は、
本土上場527社がマイナス0.8%、
 香港上場93社がプラス0.3%だった。

 一方、本土と香港の両方で負債は過去最高水準に達した。
 香港上場93社は経常利益に対する債務返済能力が過去5年間に低下の一途とたどった。
 約半数の企業は営業利益が利払いの3倍を下回ってバランスシートが不健全な状態で、4分の1は利払いが賄えなかった。

 政府は企業を低コストの融資から引き離す必要があると認めるが、一方で李克強首相は企業への信用供与を増やし続けると約束しており、国有銀行は中小企業への支援を進めている。
 法律専門家や投資家によると、銀行は金利を払っていない企業が申し入れた3年から4年の返済猶予の要請を受け入れ、全面的な債務再構築を手助けし、返済を事実上先送りしているという。

 CLSAの中国ストラテジーヘッドのフランシス・チュン氏は
 「李首相は特に中小企業向けの融資について銀行に返済先送りを認めるよう求めている。
 社債の返済不履行が減っているのはそのためだ」
と指摘。
 銀行の重点は不良債権の特定から景気下支えに移ったと説明した。

 ゴールドマン・サックスが先に公表した推計によると、この3ヵ月間の中国債券市場でのデフォルトはわずか1件で、上半期の10件から大幅に減った。
 信用リスクの急激な悪化を考えれば、デフォルトの少なさは「異常」だという。
 当の企業は負債が積み上がっているにもかかわらず、借り入れの拡大に支障を感じておらず、とりわけ海外での事業買収絡みの融資でその傾向が強い。

 香港上場の大手国有企業の幹部は、社債での資金調達は難しくなっているが融資については明るい見通しを持っていると述べた。
 この企業は利益で利払いをカバーできない状態だが、
 「市場の流動性は潤沢で、金利は低い。銀行からの借り入れに問題はない」
という。

 業績の悪い企業が過大な負債の返済先送りを認められている状況から、
 中国は一過性の危機ではなく日本型の長期景気低迷に入る可能性もある。
 PIMCOの新興国市場ポートフォリオマネジャー、ローランド・ミース氏は中国が
 「目先の安定のために問題を先送りしている」
と述べた。



人民網日本語版配信日時:2016年10月9日(日) 16時40分
http://www.recordchina.co.jp/a152058.html

中国企業による海外M&Aが過去最高に―中国メディア

 今年、中国の対外直接投資は高い伸びを維持し、1〜7月の非金融部門の対外直接投資は1028億ドル(1ドルは約102.8円)に達し、61.8%増加した。
 中でも欧米先進国のハイエンド製造業に対する直接投資が盛んだ。
 中国の対外直接投資によって、中国企業はバリューチェーンのハイエンドへの近道を得て、また、投資対象もさらなる発展の新たな原動力を得たと分析される。

 中国の対外投資は増加し続けると同時に、投資の方向と形式も変化し続け、多元化、ハイエンド化へと発展している。
 対外投資初期、中国の資本は資源とエネルギー、インフラなどの分野に集中していた。
 今や投資分野は一層多元化し、不動産、医療分野でも中国資本が見られる。

 ハイエンド製造業は中国資本の注目する重要分野だ。
 近年、中国企業は米国のハイテク製造業に対するM&Aを加速し続けている。
 例えば大連機床集団は巨額を投じて、米国Ingersoll Production Systemsを買収して大連機床集団Ingersoll Production Systems(DMT Ingersoll Production Systems)を設立し、主に複合作業機械の生産と販売を行なっている。
 また、中国深センコンテナ北米公司は米国のコンテナトレーラー生産企業を買収した。
 買収後、生産効率は大幅に高まった。
 現在同社はすでに年産8000台という設計生産要求を達成し、年売上高は1億ドル以上に達すると見られる。

 商務部(商務省)中国サービスアウトソーシング研究センターの■厚媛副センター長(■は刑のへんにおおざと)によると、今年中国企業の海外M&Aは取引件数においても取引金額においても過去最高を記録した。
 特に製造業の海外M&Aが著しく増加し、世界の産業チェーンの再編に重要な役割を発揮した。

 中国製造業の海外M&Aはウィンウィンの協力であり、ウィンウィンの結果をもたらす。
 M&Aの対象国は資本、雇用、税収を獲得し、中国は技術、ブランド、世界水準の国際企業を獲得している。
 そして世界第2の経済体である中国と経済的関係のある全ての国も利益を得る。
 世界産業体制において、中国要素はグローバル化の新たな発展、中国のパワーは将来の世界の発展の新たな原動力と言えるだろう。

(提供/人民網日本語版・編集NA)



読売新聞 10月13日(木)15時27分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161013-00050056-yom-bus_all

中国経済、一段と減速も…輸出が6か月連続減少

 中国の税関当局は13日、9月の貿易統計を発表した。
 輸出額は前年同月比10・0%減の1845億ドル(約19兆円)と、6か月続けて前年割れとなった。
 電子部品などの価格下落が影響したとみられる。
 輸出の減少が続けば、中国経済の一段の減速は避けられない。
 過剰生産が世界的な問題となっている鋼材の輸出量は高水準を保っている。

 輸入額も1・9%減の1425億ドル(約14兆円)と、2か月ぶりに減少に転じた。



時事通信 10月22日(土)8時31分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161022-00000029-jij-int

中国、過剰生産が成長下支え=鉄依存の構図変わらず〔深層探訪〕

  市況回復でほぼフル稼働になったという中国の鉄鋼メーカー=9月28日、河北省唐山
 中国の7~9月期の国内総生産(GDP)が前年同期比6.7%増と、3期連続で同じ伸び率となった。
 しかし、景気減速に歯止めがかかったわけではなく、公共投資や不動産開発の増加に加え、鉄鋼の過剰生産に支えられた側面が大きい。
 習近平政権は、重工業依存型の成長からの脱皮を目指しているが、構造改革は難航している。

 ◇違法な操業再開

 「おまえは政府から派遣された査察官か」。
 河北省唐山市郊外の中堅鉄鋼メーカーを訪れると、入り口近くで屈強な中年作業員に詰め寄られた。
 「正式な生産許可を得ていないらしい」(元従業員)ともいわれ、部外者に対する警戒心が強い。
 このメーカーは鋼材の値下がりに伴う資金繰り悪化で半年近く生産が止まった後、価格の急回復を受け今春に操業を再開。
 関係者によると、既に大きな利益を上げ、フル稼働に近い状態となっている。
 過剰生産解消を構造改革の柱に位置付ける中国政府は、こうした動きに神経をとがらせ、査察チームを各地に派遣。
 指示通り設備を削減しているかどうかを徹底的に調べている。

 ◇雇用創出に貢献

 重厚長大産業に依存する経済構造を転換し、サービス業やハイテク産業を成長の新たな原動力にするのが政府の方針。
 しかし、鉄鋼メーカーや炭鉱は長年、貧しい農村部で雇用を創出し、地元経済を発展させる中心的な役割を果たしてきた。
 そこにメスを入れるのは容易ではない。
 唐山の製鉄所で働く30代の男性は「地元で働けることが何よりうれしい」と笑う。
 一時帰休を言い渡されていたが、今年4月に呼び戻されたのだという。
 長引く景気減速も構造改革の推進をさらに難しくさせている。
 景気を下支えするための公共投資ばかりが大きく増えるが、民間企業による設備投資は異例の低迷が続く。
 「爆買い」で知られた個人消費の勢いも、弱まりつつある。

 ◇失速懸念拭えず

 5年に1度の大イベントである共産党大会が1年後に迫り、中国は政治の季節に入った。
 習政権は構造改革の成果を誇示するため、取り組みを急ぐが、当局の予測では改革により鉄鋼、石炭の2業界だけでも180万人の余剰人員が発生する。
 政府は1000億元(約1兆5000億円)を拠出して失業者対策を進めており、増額も検討している。「失業者の大量発生で社会不安に陥るのが最も怖いシナリオ」(共産党筋)だからだ。
 景気減速下の構造改革は「アクセルとブレーキを同時に踏むのと同じ」と言われるほど難しい。
 ブレーキが強過ぎれば中国経済は失速し、世界への影響は計り知れない。
 昨年夏や今年初めのように中国発の世界同時株安が再燃する可能性は、なおも消えていない。



Record china配信日時:2016年10月23日(日) 14時40分
http://www.recordchina.co.jp/a132548.html

中国の7〜9月成長率、6.7%増と横ばい、
公共投資や不動産が下支え、加速の兆し見えず、
実態は「5%前後」とも

  2016年10月22日、中国国家統計局が19日に発表した今年7〜9月期の国内総生産(GDP)は物価変動の影響を除いた実質ベースで前年同期比6.7%増となった。
 成長率は4 〜6月期から2 期連続の横ばい。
 拡大する公共投資や不動産が下支えした。加速の兆しは見えず、実態は「5%前後」との推定値もある。

 中国政府が設定している16年の成長率目標は、3月の全国人民代表大会(全人代)で下方修正した「6.5〜7%」。
 7〜9月期は、この範囲に収まった。
 1〜9月の成長率は6.7%で、通年でも目標を達成する公算が大きくなった。

 1〜9月期の分野別では、企業の設備投資や公共投資の動きを示す「固定資産投資」が8.2%増(1〜6月期は9.0%増)だった。
 政府や国有企業の投資が21.1%増と大きく伸びる一方、民間投資は2.5%増にとどまり、民間部門の不振を公的部門が穴埋めする構図が続いている。

 中国政府が今年1月に発表した15年のGDPは、前年比6.9 %増。
 14年(7.3%増)から減速した。
 天安門事件後の1990年(3.9%増)以来、25年ぶりの低水準で、中国政府が掲げた「7%前後」という15年の成長率目標も下回った。
 成長率が政府目標を割り込んだのは2年連続で、世界第2位の中国経済は14年以降、減速傾向が鮮明になっている。

 16年の成長率も、リーマン・ショック後の09年1〜3月期(6.4%)以来の低水準だった1〜3月期から3四半期連続で横ばい。景気持ち直しの動きは依然として鈍いままだ。

 今後の焦点は、鉄鋼や石炭の生産能力削減。
 中国政府は今年2月、鉄鋼で1億〜1.5億トン、石炭で5億トンの生産能力を20年までに減らす計画を公表した。
 これにより計180万人の失業者が出るとされ、削減が本格化すれば、景気を下押しする可能性がある。
 中国の景気が健全な形で下げ止まったとみるのは早計で、引き続き世界経済の波乱要因となる恐れもある。

 一方、中国政府発表の成長率については正確さを疑問視する声が上がっている。
 米CNNは英調査会社キャピタル・エコノミクスの専門家、ジュリアン・エバンス・プリチャード氏の
 「実際の成長率は政府発表より低い。7〜9月期は5%前後」
との推定値を紹介した。

 この中でプリチャード氏は
 「政府が発表するGDPの数字は安定しているが、そこから中国経済の実態は見えてこない」と指摘。
 「近年の経済回復は結局、融資拡大と不動産市場の高騰を原動力とする一時的な現象で、長続きしないだろう」
とした上で、
 「今後は融資を抑え、不動産市場を沈静化していく必要があり、結果として成長率はより不安定になることが予想される」
と述べている。



投信1 10月24日(月)12時15分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161024-00002199-toushin-bus_all

 きな臭さを増す中国経済、IMFが再び警告

 ここ最近、ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)やブルームバーグといった有力メディアで中国経済の先行きを不安視する報道が相次いでいます。
 国際通貨基金(IMF)が中国の過剰債務問題について改めて懸念を表明したほか、経済指標も冴えないことから、中国経済の先行きに対しては警戒感を強めたほうがよさそうです。

■IMFが再び警告、過剰債務問題で成長率の急減速を懸念

 IMFは10月14日のリポートで、中国の信用の伸びは世界的な標準から見て「非常に速い」と指摘し、包括的な戦略を講じて債務問題に対処しなければ、金融危機を招く恐れやGDP成長率が急減速するリスクを高めるとの見方を示しました。

 8月に公表した中国経済に関する年次審査報告書でも、企業債務が拡大する問題に早急に取り組むよう促すなど、IMFは過剰債務問題に対してこれまでも繰り返し警鐘を鳴らしてきました。
 しつこく警告している背景には、
★.中国政府がこの問題に迅速に対応している様子がうかがえないこと、
 日本やタイ、スペインなどで発生した金融危機との類似性に着目すると
★.中国の状況は既に臨界点に達している可能性があること
があります。

★.中国の企業債務残高は2015年末に国内総生産(GDP)の144%となり、
 150%程度だった日本のバブル期並みの水準に達していましたが、
 現在では169%と日本のバブル期を追い越した模様で、
 2021年には210%へとさらに膨らむ
ことが予想されています。
 中国の銀行の9月の新規企業融資は1兆2,200億元と、8月の9,487億元から拡大しており、企業債務残高は膨らみ続けています。

★.IMFは中国政府が迅速に行動した場合、2017年のGDP成長率は一時的に6.0%を下回るものの、中長期的には6.5%を回復できるとしています。

★.一方、対策を講じない場合、不良債権問題が成長の足かせとなり、
 向こう5年でGDP成長率は5.0%程度まで低下していく
と予想しています。
 さらに、
★.金融危機が発生した場合には3.0%以下へと急降下するリスクがある
としています。

■3年以内に金融危機が起こる恐れ
 
 IMFのみならず、国際決済銀行(BIS)も同様な指摘をしています。
 BISは9月18日に公表したリポートで、中国の過剰な与信の伸びが、3年以内に金融危機に陥るリスクを高めていると警告しています。
 BISのリポートによると、金融の過熱感を示す早期警戒指標となるGDPに対する総与信(企業と家計)比率と長期トレンドとのギャップが30.1%ポイントとなり、
 「今後3年間で金融危機が起きる」シグナルとされる10%ポイントを大きく上回っています。

■WSJは住宅バブルに警鐘

 10月19日付のWSJでは、中国での住宅バブル、特に住宅購入者への安易な信用供与に警鐘を鳴らしています。
 新規融資に占める住宅ローンの割合は7-9月期に60%へと上昇、4-6月期の47%、1-3月期の23%から急拡大していますが、この背景として銀行がほぼ無審査で住宅ローンを提供している実態が紹介されています。
 平均的な年収の家計が何年で住宅を購入できるかを計算してみると、深センで41年、北京で34年、上海で32年となっており、東京の23年、ニューヨークの15年などと比べて著しく長いことから、住宅ブームが過熱していることを示唆しています。

■下げ足を速める人民元を注視

 ここ数週間のマーケットの動きのなかで最も警戒が必要なのが人民元の動きです。
 人民元は9月まで1ドル=6.6元台後半で推移していましたが、10月に入ってからは下げ足を速めており、10月20日現在は6.7元台半ばと、2010年9月以来6年1カ月ぶりの安値圏にあります。
 一方、9月の外貨準備高は3兆1,660億ドルと前月比188億ドル減少しました。
 減少は3カ月連続で、2011年5月以来5年4カ月ぶりの低水準となっています。

 外貨準備高は2014年6月の約4兆ドルをピークに、おおよそ2年で20%以上減少しています。
 人民元を支えるために介入を実施している模様ですが、10月に入り人民元安が加速していることから中国からの資金流出も拡大しているのではないかと不安視されています。

 ソシエテ・ジェネラルは18日、人民元が今後1年で1ドル=7.1元に向かうと予想したほか、ドイツ銀行が13日のリポートで2017年末に7.4元、2018年末には8.1元との見通しを明らかにしており、人民元の先安観が広がっています。
 ドイツ銀行は向こう数カ月は資金流出の勢いが強まるとし、
 2017年1-3月期のGDP成長率は6.2%に低下すると予想しています。

■GDPは安定しているが、輸出は振るわず内需にも不安

 中国のGDP成長率は7-9月期まで3四半期連続で6.7%と非常に安定しています。
 中国政府は今年3月、2016年から2020年までの5年間の成長目標を6.5%以上とすると発表していますが、2016年についてはクリアすることが間違いなさそうです。

 問題は来年以降となりますが、過去の高度成長を支えてきた輸出が落ち込んでおり、高い成長の維持を困難にする恐れがあります。
 9月の貿易収支は420億ドルの黒字と、予想の530億ドルを下回りました。
 輸出が前年同月比10.0%減と、予想の3.0%減を大幅に下回ったほか、輸入も1.9%減と1.0%増の予想に反して減少しており、外需と内需がともに弱かったことを示しています。
 1-9月の累計では輸出が前年同期比7.5%減、輸入が8.2%減となっています。
 輸出を支援するために人民元安を放置するのではないかとの見方もありますが、これは中国からの資金流出を加速する恐れがあり、もろ刃の剣と言えるでしょう。

 中国政府は住宅価格抑制への動きを本格化させていますので、住宅価格の上昇は早晩頭打ちになることが見込まれていますが、歩調を合わせて不動産投資も勢いを失うことになりそうです。
 小型車への優遇税制も年内に終了の見通しで、駆け込み需要から年内の自動車販売は堅調が見込まれる一方で、年明け後は反動減が警戒されています。
 中国経済を支えてきた不動産投資や自動車販売の先行きが怪しくなっており、来年以降の見通しには慎重さが求められるかも知れません。



サーチナニュース 2016-10-25 11:29
http://news.searchina.net/id/1621492?page=1

警戒しなければ!
輸出全体に占める中国の割合が「かつてないほど低下」=中国メディア

 安価な人件費を背景に「世界の工場」としての地位を確立した中国だが、近年は人件費の上昇が続いているほか、不動産バブルによる地代家賃の上昇がかつてのコスト優位の喪失に拍車をかけている。

 中国メディアの経済観察網は24日、中国における米ドルベースでの輸出額について9月は予想よりも大幅に減少し、前年同月比10%減となったことを伝え、
  「世界の主要国の輸出全体に占める中国の割合が低下しており、
 世界の工場としての中国は警戒が必要」
だと論じた。

 中国の9月における輸出が予想よりも大幅に減少したことについて、記事は「外需回復はまだ見込めず、中国が輸出を増やすのは容易ではない」と指摘したうえで、
 世界貿易機関(WTO)のデータとして、
 2015年に14.95%だった主要国の輸出全体に占める中国の割合は、
 16年1-7月は13.90%に低下した
ことを指摘。

 また、中国のシェアが低下したのは1978年の改革開放以降としては「1996年に0.1%低下しただけ」だったと指摘し、
 16年はすでに1.05%も減少していることは
 「中国は重要な転換期を迎えている可能性がある」と論じた。

 続けて、貿易は一国の国際競争力を示す鏡であるとしたうえで、
 「中国は輸出シェアが低下しているだけでなく、貿易黒字の額も減少傾向にある」
と指摘。
 一方、インドやベトナムのように多くの輸出品目で中国と競合関係にある国の輸出状況は「中国より良好」であると指摘。
 こうした国々の台頭によって中国の輸出市場における強みは「絶えず削られ続けている」としたうえで、世界の工場としての地位を維持し続けてきた中国は警戒が必要な状況に追い込まれていると論じた。




【身勝手な大国・中国】



_