2016年10月4日火曜日

日本という驚くべき国(3):日本人がまた自然科学部門でのノーベル賞 日本との差は「あまりに大きい」

_


●テレビ朝日


サーチナニュース 2016-10-04 10:47
http://news.searchina.net/id/1620085?page=1

また日本人がノーベル賞! 
日本との差は「あまりに大きい」=中国メディア

 東京工業大栄誉教授の大隅良典氏が2016年のノーベル医学生理学賞を受賞した。生物の細胞が持つ、細胞内のたんぱく質を分解する「オートファジー(自食作用)」を解明したことが評価されての受賞だ。

 中国メディアの今日頭条はこのほど、大隅氏のノーベル医学生理学賞受賞によって日本人のノーベル賞受賞者は計25人目となったことを指摘し、「中国が日本との差を埋めることは容易ではない」と嘆いている。

 記事は、米国籍を持つ受賞者を含め、日本人のノーベル賞受賞者数が25人に達したことを指摘したうえで、「欧米諸国を除くと、日本のノーベル賞受賞者が最多」であると指摘。
 さらに村上春樹氏をはじめ、ノーベル賞受賞も時間の問題とみなされている候補が日本には複数いることを指摘した。

 続けて、日本はこれまでにノーベル文学賞、物理学賞、化学賞、医学生理学賞、平和賞のそれぞれから受賞者を輩出していることを指摘し、経済学賞を除いたすべての部門から受賞者を輩出することに成功していると指摘。

 さらに、「ノーベル賞の受賞者数だけが一国の科学技術力を示すものではない」としながらも、ノーベル賞はやはり世界で認められた世界的な賞であるため、中国でも重視される存在だと指摘。
 ノーベル賞受賞という点において、日本と中国の差は「あまりに大きい」と指摘し、毎年のように日本人がノーベル賞を受賞する現実に対して悔しさを滲ませた。



Record china配信日時:2016年10月4日(火) 16時20分
http://www.recordchina.co.jp/a151972.html

韓国科学界が考える「日本のノーベル賞受賞の原動力」とは?
=韓国ネット「今さら後悔しても遅い」
「韓国には無理!」

 2016年10月3日、韓国・聯合ニュースによると、韓国科学界が
 「日本の“基礎研究を重視する文化”が再びノーベル医学生理学賞を生んだ」
と評価した。

 リュ・フン韓国科学技術研究院(KIST)兼任研究員は、
 「ノーベル賞受賞は日本の長年の基礎研究への投資が生んだ結果」とし、
 「基礎研究は忍耐強く待つことが特に必要となるが、日本はこうした政策を展開している。
 これは韓国が学ぶべき点」
と主張。
 ・ドクファン西江大学化学科教授も
 「日本は19世紀末に欧州とともに基礎科学の研究を開始した」とし、
 「これまでに多くの投資をしたため、基礎科学のレベルが非常に高い」
と述べた。

 長年の投資の結果、日本は細菌学や粒子物理の分野で圧倒的な力と存在感を持つようになった。
 そのため、「最初」の研究者に授与されるノーベル賞を受賞する科学者が次々に出ている。
 ペク・ソンヒソウル大学生命科学部教授は
 「今年のノーベル医学生理学賞を受賞した大隅良典氏は『オートファジー』の分子メカニズムを解明した“最初”の科学者」とし、
 「『オートファジー』分野は日本が主導する学問であり、今回の受賞に異議があるわけがない」
と述べた。

スウェーデンのノルウェー・ノーベル委員会は3日、東京工業大学の大隅良典栄誉教授(71)を2016年ノーベル医学生理学賞に選定すると発表した。
 これにより、日本は昨年の北里大学の大村智特別栄誉教授(81)に続き、2年連続で医学生理学賞を受賞した。
 また、3年連続で科学分野のノーベル賞を受賞したことになる。

これに、韓国のネットユーザーは以下のようなコメントを寄せた。

「韓国に基礎研究は無理だ。
 実際、世界に誇る各種の製品を最初の段階から、全ての素材を国内で作る技術を持っていない。
 ほとんどの素材を輸入して使っている。
 韓国は基礎より応用に多くの投資をしてしまった。
 今さら後悔しても遅い」
「基礎科学が根っこなら、応用科学は枝。
 根っこがしっかりしていれば、木はいつでも枝を伸ばすことができるが、枝だけがしっかりしている木は常に接ぎ木をしなければ生き残れない。
 韓国が余裕を持てずに苦しんでいるのは、基礎科学が不十分だから」

「創造経済とプライム事業で労働者を養成する韓国には、基礎科学に投資する金などない」
「日本は何でも忍耐強く続けるよね。
 韓国社会では何でもすぐに結果を出さなければ評価されない…」

「数十年間“口だけ”の韓国。
 そろそろ行動に移す時では?」
「韓国人には良心が不足している。
 だから科学者へ支援なんてできない。
 韓国には“泥棒”が多過ぎる!」
「韓国の科学者らは忍耐強く、『国からの研究費をどうやって横領するか?』を研究している」



サーチナニュース 2016-10-05 09:13
http://news.searchina.net/id/1620157?page=1

日本は今世紀だけでもう17人も
・・・大隅氏のノーベル賞受賞に驚き=中国

 東京工業大栄誉教授の大隅良典氏が2016年のノーベル医学生理学賞を受賞した。
 大隅氏の受賞によって、日本人のノーベル賞受賞者数が25人となったことについて、中国メディアの財新はこのほど、「日本は今世紀だけでもう17人のノーベル賞受賞者を輩出した」と驚きを示した。

 記事は、
★.日本政府が2001年に掲げた科学技術基本計画のなかで、「国際的科学賞の受賞者を欧州主要国並に輩出(50年間にノーベル賞受賞者30人程度)」という目標
を掲げたことを紹介しつつ、
 「この目標はすでに半分以上、達成されたことになる」
と指摘した。

 続けて、14年、15年、16年と日本から3年連続でノーベル賞受賞者が生まれたのは「偶然の産物では決してない」と指摘したうえで、特に今世紀に入ってから日本のノーベル賞受賞者は急増していると指摘。
 日本人のノーベル賞受賞者25人のうち、17人は今世紀に入ってからの受賞者であると論じた。

 さらに記事は、日本政府が2001年に掲げた科学技術基本計画では、
 「知の創造と活用により世界に貢献できる国」、
 「国際競争力があり持続的な発展ができる国」、
 「安心・安全で質の高い生活のできる国」
を目指すことを掲げたことを紹介。

 また、この目標を実現する一環として「国際的科学賞の受賞者を欧州主要国並に輩出(50年間にノーベル賞受賞者30人程度)」を掲げたことを紹介しつつ、すでに今世紀だけでもう17人のノーベル賞受賞者を輩出したことは、目標の実現に向けて日本が着実に歩みを進めているとの見方を示している。



サーチナニュース 2016-10-05 08:11
http://news.searchina.net/id/1620155?page=1

次々生まれるノーベル賞受賞者
・・・日本の医学研究は、どうしてこんなに進んでいるのか=中国メディア

 2016年のノーベル医学・生理学賞に、大隅良典東京工業大学栄誉教授の研究が選ばれた。
 同分野で日本人がノーベル賞を獲得したのは、昨年の大村智北里大学特別栄誉教授に続いて4人目だ。
 中国メディア・新京報は4日、「日本の医学研究はどうしてここまで発展しているのか」とする記事を掲載した。

 記事は、日本の医学研究の発展
 「研究開発経費の投入額が大きいこと、
 西洋に学ぶ努力、
 研究内容の長期性・伝承性、
 比較的自由な研究環境と関係がある」
と説明。
 日本において研究開発経費の対GDP比3.67%と世界トップレベルであるとし、政府と企業の支援があってこそ研究が継続的に実施でき、各賞の受賞に繋がるのであるとした。

 また、1987年に日本人初となる医学・生理学賞を受賞した利根川進氏が米マサチューセッツ工科大学の教授を務めるなど、多くの日本人研究者が米国の大学で研究に携わっていると紹介。
 「世界で最も科学が発展した国で学び、研究するという経歴が、日本人研究者にその分野における最新の研究動向や方向性を知らしめるのである」
と説明した。
 さらに、日本の研究者が1つの方面について長年にわたって研究を続ける精神を持っており、それが大きな成果に繋がる
という点も指摘している。

 このほか、申請した研究課題の経費を獲得すれば、その研究に対するPRや経費のやりくりに腐心することなく、また外部からの干渉も受けることなく着実に研究を進める事ができるとし、「日本の科学研究は比較的自由であり、それが成果を出す要因になっている」と論じた。

★.ノーベル賞を獲得するような研究は、長期間にわたって地道に行われ、
 数えきれないほどの試行錯誤を経て大きな成果を産んだものだ。
 それは狙ってできるものではなく、ましてや短期間で獲得できるものではない
 今日本で受賞者が相次いでいるのは、これまで日本人研究者が積み重ねてきた努力が、今大きく評価されているからである。

 中国の政府や研究者が先進各国の精神に学び、各種研究を更に奨励し支援する体制を整えられるかどうか。
 その「答え」が出るのは、20−30年後のことだろう。
 もし、すでに充分な体制の整備が済んでいるならば、数年後には中国人研究者による受賞ラッシュが起きるかも知れない。


サーチナニュース  2016-10-05 10:43
http://news.searchina.net/id/1620175?page=1

再び日本がノーベル賞、
「中国人は頭を冷やす必要がある」=中国報道

 東京工業大学栄誉教授の大隅良典氏が2016年のノーベル医学・生理学賞を受賞したことが中国でも大きな注目を集めている。
 中国メディアの今日頭条はこのほど、日本が数多くのノーベル賞受賞者を輩出できるのは、日本の科学技術力の高さを示す証左であると主張し、日本の科学技術力が中国を上回っている理由について考察している。

 記事は、日本のノーベル賞受賞者の数が大隅氏を含めて25人に達したことを紹介したうえで、自然科学分野において日本は「米国に次ぐ研究大国」であると指摘、京都大学や東京大学を始めとする
 日本の国立大学は「人類の発展に貢献できる科学者を数多く輩出している」
と伝えた。

 続けて、中国の国内総生産(GDP)は日本を上回ったが、中国はノーベル賞を受賞できるだけの研究や科学分野におけるイノベーションの点で日本に圧倒的に遅れを取っているのが現実であり、GDPで日本を超えたことでのぼせ上がっている中国人は頭を冷やす必要があると指摘した。

 さらに記事は、日本が多くのノーベル賞受賞者を輩出できる理由として、「日本の大学教授は評価のためだけに論文を書き、研究を行うわけではない」と指摘。
 中国のように功名心や野心が動機ではなく、あくまでも興味と好奇心が根底にあると指摘したほか、研究に打ち込むことのできる環境づくりも要因の1つだと指摘。

 また、研究者たちの努力ももちろん重要な要因であるとし、日本人研究者たちは歳を重ねても連日のように深夜遅くまで研究に没頭していると指摘し、「こうした研究熱心な姿が中国人留学生たちの尊敬を集める所以」であると主張。
 こうした複数の要因があるからこそ、日本の科学技術力は世界トップクラスなのであり、自然科学分野で日本から多くのノーベル賞受賞者が輩出されるのだと論じた。



サーチナニュース 2016-10-05 22:17
http://news.searchina.net/id/1620239?page=1

羨ましくて、悔しくて・・・
中国が日本のノーベル賞受賞に注目する理由=中国メディア

 東京工業大学栄誉教授の大隅良典氏が2016年のノーベル医学・生理学賞を受賞した。
 大隅氏の快挙は中国国内でも各メディアが大きく取り上げたが、なぜ中国は日本人がノーベル賞を受賞したことに関心を寄せるのだろうか。

 中国メディアの今日頭条はこのほど、中国では日本人のノーベル賞受賞は中国でしばしばニュースのヘッドラインになるほど大きな注目を集めると紹介しつつ、中国が日本人のノーベル賞受賞に大きな反応を示す理由を考察する記事を掲載している。

 記事は、中国が日本人のノーベル賞受賞に注目する理由の1つとして、
★.歴史問題を背景とした複雑な感情と、
 中国がノーベル賞を渇望している事実を挙げ、
 「思いどおりにならない不満が、中国の科学研究制度への不満につながり、
 ノーベル賞を受賞できなかったことが恥であるかのような歪んだ感情が存在するため」
と考察した。

 さらに、中国がノーベル賞受賞者の輩出を渇望していることを挙げ、それでもやはり
 「思いどおりの結果が出せないなか、日本人がノーベル賞を受賞することが羨ましくて、悔しくて仕方がない
と指摘。
 この羨望の感情も中国が日本人のノーベル賞受賞に注目する理由だと論じた。

 そのほか、中国は科学分野の研究において、ノーベル賞の受賞を渇望し、目標に掲げているが、中国の研究者は功利を追求し、個人もしくは少数の利益を追求しがちだと指摘。
 理想を掲げてはいるものの、中国の科学研究における現実はその理想とはかけ離れており、こうした理想と現実の「乖離」もあって、日本人のノーベル賞受賞が気になってしまうことを伝えている。



サーチナニュース 2016-10-07 07:19
http://news.searchina.net/id/1620334?page=1

中国はこれからだ! 
ノーベル賞、日本の今は過去のおかげ=中国メディア

 スウェーデンのカロリンスカ研究所は3日、2016年のノーベル医学・生理学賞を東京工業大学栄誉教授の大隅良典氏に授与すると発表した。
  日本人のノーベル賞受賞者数は大隅氏も含めて計25人となった。

 中国メディアの今日頭条はこのほど、2000年からの17年間で日本が輩出した自然科学分野におけるノーベル賞受賞者数は米国に次ぐ世界2位であると伝え、
 「中国が日本のようにノーベル賞受賞者を数多く輩出できる日は来るのだろうか」
と疑問を投げかけた。

 まず記事は、中国の自然科学分野におけるノーベル賞受賞者が1人にとどまっていることを指摘する一方、日本が数多くのノーベル賞受賞者を輩出できる理由を考察。
★.1つ目は日本が伝統的に教育を重視する国であること
を挙げ、「江戸時代のころ、江戸に住む成人男性の識字率は70%以上に達し、ロンドンの20%、パリの10%未満を大きく上回っていた」と伝え、日本はもともと教育に高い関心を持つ国民性であることを指摘した。

★.また、日本が基礎研究を重視していること
もノーベル賞受賞者の輩出につながっていることを指摘し、日本政府が科学研究費を助成する制度のもとで、研究者たちは必ずしも経済的利益が見込めない分野でも研究を行うことができると紹介。
 体制としての保障があるからこそ、科学研究は尊厳と社会的な地位が保障されると指摘した。

 続けて記事は、
★.ノーベル賞の受賞には知識の蓄積が必要であり、
 現在の日本がノーベル賞受賞者を輩出できるのは1980年代から90年代にかけて行われた研究の成果であると指摘。
 一方で日本は近年、財政が逼迫していることから研究開発に対する投資が減少傾向にあり、論文の数や質から見ても日本の研究開発能力は低下してきていると主張。
 一方で、中国では基礎教育が充実し、研究開発への投資も増えていることから、2015年にノーベル医学・生理学賞を受賞した屠ヨウヨウ氏に続く研究者が今後、続出するのではないかと期待を示した。


Record china配信日時:2016年10月11日(火) 7時40分
http://www.recordchina.co.jp/a152319.html

日本が続々とノーベル賞を受賞できるのはなぜ?
中国との違いはこんなに―中国メディア

  2016年10月10日、科技日報は、日本が続々とノーベル賞を受賞できる要因について分析した記事を掲載した。

 記事は、米国と比べて地理的にも文化的にも近い日本との比較は非常に意義があるとし、物理や化学、医学・生物学の分野でノーベル賞を受賞している日本の取り組みや経験に学ぶことは、中国にとって有益であると主張する。

 まず、
★.日本の場合、大きな科学技術プロジェクトを進める際に、日本政府は大枠で「やる」「やらない」の決定だけを行い、「何をやるか」あるいは「どのようにやるか」には口を挟まない。
★.一方で、中国政府の科学技術管理部門はこれまで、「何をやるか」「どのようにやるか」を非常に気にしてきたという。

 記事は、
 「科学技術の研究における領域、方向性、投資の量、期待できる結果などが最もよく分かっているのは科学者自身であるはず。
 しかし、わが国では科学者が重大な科学技術政策の決定に関わることは非常に少ない」
と指摘。
 「中国の現在の環境においては、科学者が提案する際に個人の利益が絡む可能性も懸念されるが、科学技術の長期的な発展の視点に立てば、政策の制定は専門家である科学者によってなされるべきである」
としている。
 ただ、この点については改革が進められており、「歓迎すべきこと」としている。

 続いて、
★.日本は基礎科学への支援が充実している点を挙げる。
 「日本もかつては現在の中国のように目先の利益を得ることに走り、応用や成果の転化、投資回収に走った時期もあったが、その後、そのようなやり方は経済に持続的に力を与えることはないと気付いた」
と指摘。
 日本政府が基礎研究に投資した額が1960年代から70年代にかけて約6倍に増加したことや、
 80年代以降、「技術立国」政策をさらに推し進めたこと、
 90年代には科学技術庁の予算総額が5000億円を突破した
ことなどを紹介し、
 「こうした長期的、持続的な科学研究への投資により、日本の科学者が安心して研究に取り組めた」
とその背景を分析している。

★.制度や文化面でのギャップにも言及する。
 記事は、中国のハード面での条件は海外と遜色はなくなったものの、社会環境といったソフト面でまだ問題があるとしている。
 「例えば理研のグローバル化レベルは非常に高く、さまざまな人種の科学者がいて、生活や仕事の面で彼らをサポートする良好なシステムがある」
とする。
 また、米著名評論家のThomas Freedman氏が米国経済の持続的な発展の柱の一つに、ハイテク人材の移民を挙げたことを紹介し、
 「中国の輸入人材は現在のところ海外留学からの帰国組の中国人に限られている。
 人材を呼び込むためには、さまざまな面での手続きの簡略化、
 それに応じたサービスなど、社会環境の整備が必須である」
としている。

 さらに、日本人の特性だ。
 記事は、
★.「創造力や想像力は日本人のストロングポイントではなく、冒険精神や批判精神が崇拝されるわけでもない」とし、日本人の科学分野での成功の秘訣(ひけつ)は「厳密さとまじめさ、継続性」にあるとしている。
 「日本民族は完璧さを追求する。
 日本人は一生涯一つのことをやり続け、それを徹底的に極めると言われる。
 科学的な現象や原理を証明するためには、繰り返しさまざまな方法で細かい推敲(すいこう)を重ねなければならない。
 少しもゆるがせにしない精神は日本の科学者に広く根付いており、成果を焦る現在の中国の状況と相反する」
と指摘した。

★.そして最後に、信用だ。
 「日本は高度に信用を重んじる社会で、これは科学にさまざまなプラスの影響をもたらす」
と記事は指摘する。
 「研究は一種のイノベーションであり、科学者に対する最も基本的な要求が信用である。
 一切の誇張や誘導、あいまいさは科学の信用を脅かす」
とし、
 「日本では科学者同士にも誠実さと責任感があり、信用に満ちたグループ協力ができる。
 一方、現在の中国では誠実さや信用の欠如により、捏造(ねつぞう)や盗用、誇張、権利争いなどが絶えず発生している」
と指摘。
 数年前にSTAP細胞の問題が世間をにぎわせた際には、日本社会全体から関係者に大きな圧力が掛けられたことを紹介し、
 「日本人は強烈な栄誉感と恥を知る心を有している」
とした。

 記事は最後に、
 「中国の現在の科学界には、深刻な誇張や功を焦る雰囲気が広がっている。
 一部の人間はどんな手を使ってでも、何かを成し遂げれば英雄だと考えている。
 こうしたことが中国科学界の正常な学術交流と協力を妨げている」
と論じている。



朝鮮日報日本語版 10月13日(木)8時30分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161013-00000618-chosun-kr

【コラム】「ノーベル賞をもらえる変人」を育てるということ

 「海外に行かなければ何も達成できなかっただろう。
 我が国は画一的な価値観だけが『生き残る武器』になる社会だ」
 「教育制度が子どもたちを圧殺している」
 「『やっていくうちにどうにかなるものさ』と励ますのも難しい時代だ。
 学生たちは博士課程進学を恐れている。
 基礎研究の成果を社会は待たなければならない」

 利根川進氏(1987年ノーベル医学生理学賞)、小柴昌俊氏(2002年同物理学賞)、大隅良典氏(16年同医学生理学賞)の言葉だ。
 基礎科学研究が冷遇されていたのは韓国だけでなく日本も同じだ。
 どこでも「基礎」を研究する人々は腹をすかせている。
 金を稼ぐのは「応用学問」だ。
 それが資本主義だ。

 では、なぜ日本では2000年以降、科学分野だけで16人のノーベル賞受賞者を輩出できたのだろうか。
 匠(たくみ)の精神や職人かたぎ・責任感・執着に近いオタク気質・「へそ曲がり」の精神など、「物事に取り組む姿勢」に関するさまざまな見方がある。
 結果が良ければ「職人」と呼ばれるし、
 悪ければ「変人」と呼ばれるだろう。
 しかし、分析としては妥当だが、根本的な原因を説明する要因としては少々物足りない。

 宝くじを買わなければなら当たらないし、研究をしなければノーベル賞はもらえない。
 下村脩氏は1955年に始めた「ウミホタル」の研究が実を結んで2008年にノーベル化学賞を受賞したし、細胞の中の自食作用を研究した大隅氏も関連分野の研究に50年をささげての今回の受賞だった。

 へそ曲がりでもオタクでも、腹がすけば食べるし、結婚して子どもを育てもする。
 「科学者」は神父や僧侶ではない。
 生活の基本条件が整ってこそ、はじめて「人類発展に貢献する研究」に取りかかれるというものだ。

 少なくとも日本の科学者たちは、大学で講義さえすれば何とか生活できる道がある。
 国公立や私立大学の教授の選抜権を持つ日本の文部科学省の資料を見ると、
 日本の国立大学教授の平均年収は1172万円、准教授934万円、講師838万円、助教707万円だ。
 助教になるだけで700万円を上回る。
 韓国の大学教授の平均年収は9500万ウォン(約876万円)だが、週9時間以上講義する「教授クラスの講師」は1700万ウォン(約157万円)だ。
 学問をなりわいとする人々の格差が、韓国では非常に深刻なのだ。
 日本でも一度教授になれば安泰で、新たな人材が登用されにくいという問題はあるが、優秀な研究者は研究を続けている。

 それは、先を見通す力をもって「価値ある研究」に研究費を支援する日本の研究費分配システムのおかげだ。
 大隅氏はほぼすべて「国の資金」で研究してきた。
 論文数や海外学術誌の引用回数などで研究費が分配される韓国のシステムだったら、誰も注目しない研究を続けてきた大隅氏は「特別待遇ではないか」とやり玉に挙げられていただろう。

 ある理工系大学の教授は
 「1980年代以降は監査を意識して『計量化指標』『客観的指標』により研究費が支援されている。
 その結果、ゴミのような論文ばかり量産された」
と言った。
 韓国が経済協力開発機構(OECD)加盟国でも最高レベルの20兆ウォン(約1兆8440億円)近い政府研究費を支援しながらも、これといった成果がないのはそのためだ。

 井戸一つとっても、うまく掘らなければならない。
 とんでもない方向に掘って、よそ様の家の下水管に穴を開けるのではなく、「源泉」を目指す科学者を選ぶ鋭い目と道徳的な厳格さが必要だ。
 「教え子だからと大目に見たり、同郷の後輩だからと多額の金を渡したりするのを防げるなら、日本のように科学の専門家が名誉を懸けて支援対象を選ぶのが妥当だ」
と科学者たちは言う。

 ノーベル賞が取れなかったからと言って、携帯電話の輸出への道が閉ざされたわけではない。
 発光ダイオード(LED)の原理を発見しなくてもテレビの品質に何ら問題はない。
 しかし、ノーベル賞と呼ばれる「知的なアクセサリー」を韓国社会がそんなに切実に望んでいるというなら、その候補者たちが「意味のある変人」になれるようにしてあげなければならない。
 これは根性だけの問題ではない。


Record china配信日時:2016年10月15日(土) 13時30分
http://www.recordchina.co.jp/a152747.html

なぜ日本ばかりが?
中韓で図らずも一致した、ノーベル賞が取れない理由

  2016年10月14日、今年のノーベル医学・生理学賞の受賞者に、細胞が不要なたんぱく質などを分解する「オートファジー」の仕組みの研究に取り組んできた東京工業大学の大隅良典栄誉教授が選ばれた。
 この受賞が、中国と韓国で大きな波紋を広げている。

 日本人のノーベル賞受賞者は25人目。
 医学・生理学賞の日本人の受賞は、昨年の大村智氏(北里大学特別栄誉教授)に続いて2年連続だ。
 日本は21世紀に入ってからは米国に次いで2番目に多くのノーベル賞を受賞している。
 一方、中国は昨年、屠ヨウヨウ氏が大村氏とともに同賞を受賞し、中国人として3人目のノーベル賞受賞者となった。
 韓国は2000年に平和賞を受賞した金大中(キム・デジュン)元大統領1人だ。

 こうした現状を踏まえ、中国と韓国では大隅氏の受賞をどのように伝え、日本との違いをどのようにとらえているのか。

中国・澎湃新聞は、北京大学の生物学者・饒毅(ラオ・イー)教授の談話を掲載。
 饒氏は
 「日本の研究は1980年代に相当のレベルに達した。
 中国は前進しているが、90年代の日本に追い付いていない」
とし、日本との差は20年以上あると指摘した。
 具体的な日中の違いについて、10日付の科技日報は、
 「日本は科学者主導でプロジェクトの方向性が決まるが、中国では政府機関が主導する」点
を指摘した。
 研究の方向性は専門家である科学者に主導させ、政府はそれを踏まえてプロジェクトを行うか否かの判断のみをすれば良いとの主張だ。

 さらに、
★.日本は70〜80年代から長期的に基礎研究に投資してきたことや、
★.海外のハイレベル人材を受け入れるための環境整備を進めたこと、
★.日本人の勤勉さや
★.信用を重んじる精神
が高い研究成果を生み出す源になっていることなどが受賞者を多く排出している要因だと分析。
 一方で、中国の現状については、
 「成果を挙げることを焦るあまり、捏造(ねつぞう)や盗用、誇張、権利争いなどが起きており、科学者間での正常な学術交流と協力を妨げている」
と批判した。
 
 韓国ではどうか。
 3日付の聯合ニュースによると、韓国科学技術研究院(KIST)のリュ・フン兼任研究員ら専門家は、大隅氏の受賞を一様に「日本の長年の基礎研究への投資が生んだ結果」と分析している。
 JTBCはその例として、文部科学省の「研究支援評価項目」には「進捗度」が含まれ、同一テーマの研究で複数回申請しても進捗があれば研究費が支援されることを挙げている。
 このほか、「研究者たちの匠の精神」によるところが大きいという見方も出ている。

 韓国がノーベル賞を受賞できない原因についての分析もある。
 6日付の韓国日報は、
 「基礎科学研究をおろそかにする文化」
 「短期的な成果に偏った評価システム」
を問題点に挙げている。
 ソウル大行政大学院のクォン・ヒョクジュ教授は、
 「(韓国の)深い研究成果よりも職や肩書を見て評価する文化が障害になっている」
とし、
 「韓国はいまだに外国の研究を紹介したり模倣したりする段階。
 今後はクリエーティブな研究を高く評価するような風土が作られることが必要だ」
指摘した。
 このほか、韓国では科学と政治が近過ぎる点、国や企業からの支援が不十分だったり不安定だったりすることから、科学界の優秀な人材が流出している点も指摘されている。

 中国と韓国の分析は、共通するところが多い。
 日本人の受賞については共に長期的な投資と日本人の精神が関係するとしている一方、自国で受賞者が出ない原因については、政治の関与や短期的な成果を重視する風潮にあるとしている。
 今後はこうした分析を改善につなげられるかが両国にとって鍵となる。



サーチナニュース 2016-11-24 10:13
http://news.searchina.net/id/1623689?page=1

エリートが移民してくる国ではない日本、
なぜノーベル賞を獲得できるのか=中国

 東京工業大学栄誉教授の大隅良典氏が2016年のノーベル生理学・医学賞を受賞し、日本人のノーベル賞受賞者数は25人となった。
 日本人受賞者は今世紀だけで17人目であり、中国では多くのノーベル賞受賞者を輩出する日本に対して羨望の声があがった。

 中国メディアの今日頭条は18日、なぜ日本はノーベル賞受賞者を数多く輩出できるのに、中国は自然科学分野でノーベル賞をほとんど獲得できないのかと疑問を投げかける記事を掲載した。

 記事は、日本が2000年以降に輩出したノーベル賞受賞者の数は米国に次いで多いと伝え、
 「日本は世界中のエリートが移民してくる国ではないうえ、人口も米国の3分の1にとどまる」
と指摘、その日本が数多くのノーベル賞受賞者を輩出していることに驚きを示した。

 続けて、ノーベル賞の受賞者数を国別で見た場合、米国が圧倒的な1位であるうえ、受賞者は欧米の先進国に集中していることを指摘する一方、
 「日本は欧米以外の国としては唯一とも言えるほど多くの受賞者を輩出している国」
であると指摘。
 さらに、日本の科学技術が世界一流の水準に達し、ノーベル賞受賞者を数多く輩出できる理由は、
 「研究の基盤となる豊かな経済があること」、
 「優秀な人材がいて、その人材が国外に流出しないこと」
などが挙げられると指摘した。

 一方で記事は、中国人のノーベル賞受賞者が文学賞を受賞した莫言氏、生理学・医学賞を受賞した屠ユウユウ氏など少数にとどまるのは、
 「子どもの想像力を奪う中国の教育方法や人材の選抜方法に問題があるため」
と指摘。
 毎年のようにノーベル賞受賞者を輩出する日本との差は「研究の基盤となる豊かな経済があること」、「優秀な人材がいて、その人材が国外に流出しないこと」といった点のほかに、教育制度の違いもあると伝えてい。




【身勝手な大国・中国】



_