● NNNニュース
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毎日新聞 10月12日(水)1時12分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161012-00000002-mai-cn
国防省前で迷彩服の1000人デモ 軍改革に不満か
●軍事施設区域立ち入り禁止を示す「軍事禁区」の標識の近くで抗議デモをする迷彩服の男たち=北京市中心部で2016年10月11日、AP
【北京・石原聖、台北・鈴木玲子】
北京市中心部の中国国防省前で11日、迷彩服姿の元軍人らとみられる約1000人が集まり、抗議デモを始めた。
参加者の一人は毎日新聞の取材に「退職後の手当てが不十分なまま人員が削減されることへの不満だ」と目的を語った。
習近平指導部が昨年から断行する兵力30万人削減など大規模な軍改革への不満が背景となった抗議活動の可能性が出てきた。
元軍人らによるデモは中国の地方都市では散発的に発生しているが、首都・北京の軍中枢での大規模デモは極めて異例だ。
【写真特集】迷彩服姿のデモ
現場は北京の目抜き通りである長安街沿い。
「八一大楼」と呼ばれる国防省のビル周辺で、中国人民解放軍の最高指導機関である中央軍事委員会のオフィスもビルに入る。
AP通信によると、数百人の警官隊が出動。
双方のにらみ合いは深夜に及んでいる。
現場周辺は一般市民が立ち入れない「軍事禁区」であり、
軍の上層部が黙認している可能性がある。
中国の民間組織「民生観察」のサイトによると、参加者の一部は「河北・志願兵 軍人の尊厳を」などと書かれた横断幕を掲げていた。
志願兵は軍の部隊で10年以上の長期間兵役に就くが、除隊後に仕事のあっせんなどがなく、失業状態になる者もいるといわれる。
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毎日新聞 10月12日(水)1時1分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161012-00000000-mai-cn
<中国デモ>軍改革や年金に不満か 指導部、慎重に対応
【北京・西岡省二】中国の習近平国家主席(中央軍事委員会主席)は昨年秋以降、歴代の軍最高指導者が踏み切れなかった大規模な軍の近代化と組織改革を進めている。
ただ、急進的な改革や軍首脳の摘発には党・軍内部の不満がくすぶっているため、
習指導部は異例の抗議デモに対しても慎重に対応しているようだ。
習主席は昨年9月に開いた「抗日戦争・反ファシズム戦争勝利70年」を記念する軍事パレードの際、現兵力230万人から30万人を削減すると宣言し、情報・ハイテク化を進める意向を前面に押し出した。
昨年12月には、「ロケット軍」と「戦略支援部隊」「陸軍指導機構」(陸軍司令部)を創設。
陸軍中心だった旧来の体制から、海や空、サイバー分野を包括した現代型の戦争に適応できるよう再編する方針を示しており、軍改革を本格始動させていた。
中国は、南シナ海や東シナ海で周辺国との関係が緊張している。
国際環境が目まぐるしく変化する中、習指導部には軍改革なしには現状に対応できないという強い危機感があった。
これが大規模な軍改革の大きな要因だ。
加えて、軍では腐敗が後を絶たず、軍制服組ツートップだった前中央軍事委副主席2人を相次いで汚職事件で摘発。
「腐敗がまん延する土壌を除去する」との決意の下、習主席は、▽軍事委員会で腐敗調査を担当する軍規律検査委▽軍の司法を統括する軍政法委--を刷新する方針を表明してきた。
ただ、「聖域」だった軍の大規模かつ急激な組織改革は年金など待遇面の変化から不満に火が付きやすく、指導部への不満や抗議デモをどう防ぐかという課題に直面しているようだ。
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朝日新聞デジタル 10月12日(水)8時1分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161012-00000018-asahi-int
中国の退役軍人、
軍中枢を包囲 数百人が抗議活動
●写真】11日、中国当局がバスや警察車両などで壁をつくるように周囲を封鎖した八一大楼の建物(右奥)。数百人に上る退役軍人らが建物の周囲で座り込みの抗議をした=北京市内、古谷浩一撮影
中国の軍最高意思決定機関である中央軍事委員会や国防省が入る北京中心部の建物「八一大楼」周辺で11日、少なくとも数百人の退役軍人らが包囲し、抗議活動を行った。
元軍人らは待遇改善などを求める抗議活動をこれまでも各所で行っていたが、
厳戒警備下の軍中枢機関に対する大規模な抗議は極めて異例だ。
目撃者によると、抗議活動が始まったのは同日朝。迷彩色の軍服を着た中高年が次々と八一大楼の周辺に集まってきたという。
関係者によると、江蘇省などの地方の元軍人で、退役後の保障の改善などを要求した。参加者は一時、数千人に上ったとの情報もある。
中国当局は厳戒態勢を敷き、周辺の一部道路を封鎖。
八一大楼の周囲の道に面した2辺が元軍人に取り囲まれたのに対し、当局はその外側に多数の警察車両や大型バスを壁を作るように並べて包囲。歩行者らを近づけないようにした。
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●フジテレビニュース
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『朝日新聞デジタル 10月12日(水)8時1分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161012-00000018-asahi-int
中国の退役軍人、
軍中枢を包囲 数百人が抗議活動
●写真】11日、中国当局がバスや警察車両などで壁をつくるように周囲を封鎖した八一大楼の建物(右奥)。数百人に上る退役軍人らが建物の周囲で座り込みの抗議をした=北京市内、古谷浩一撮影
中国の軍最高意思決定機関である中央軍事委員会や国防省が入る北京中心部の建物「八一大楼」周辺で11日、少なくとも数百人の退役軍人らが包囲し、抗議活動を行った。
元軍人らは待遇改善などを求める抗議活動をこれまでも各所で行っていたが、
厳戒警備下の軍中枢機関に対する大規模な抗議は極めて異例だ。
目撃者によると、抗議活動が始まったのは同日朝。迷彩色の軍服を着た中高年が次々と八一大楼の周辺に集まってきたという。
関係者によると、江蘇省などの地方の元軍人で、退役後の保障の改善などを要求した。参加者は一時、数千人に上ったとの情報もある。
中国当局は厳戒態勢を敷き、周辺の一部道路を封鎖。
八一大楼の周囲の道に面した2辺が元軍人に取り囲まれたのに対し、当局はその外側に多数の警察車両や大型バスを壁を作るように並べて包囲。歩行者らを近づけないようにした。
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●フジテレビニュース
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Yahooニュース 2016年10月12日 16時55分配信 児玉克哉 | 社会貢献推進国際機構・理事長
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kodamakatsuya/20161012-00063168/
中国、地方の元軍人や民兵による社会不安リスク
中国国防省前で抗議デモ 元軍人らが待遇不満か
中国は軍人数で世界のトップである。
正規軍である人民解放軍の人員数は、現役兵228万5千人、予備役51万人と推定されている。(『2013年ミリタリーバランス』2012年11月時点の数字)
これでも1980年代からかなりの削減がされてきている。
人民解放軍の規模は、1985年に10万人、1997年に50万人、2003年に20万人、2015年に30万人と、4回削減されている。
中国は軍隊も、徐々に量から質への転換が行われている。
正規軍の他に準軍事組織として、
人民武装警察(武警)が66万人、
中国民兵が約800万人
いるといわれる。
中国民兵は農業や漁業などの主職業を持ち、必要な時に手当をもらって軍組織に加わるものである。
尖閣諸島などに威嚇目的でやってくる「漁民」の中にはこうした民兵が含まれているといわれる。
実際に漁業もやっているだけに境がわかりにくい。
一般の漁民とはいえず、一定のトレーニングを受け、簡単な武器を持っている。
北京市中心部の中国国防省前で10月11日に、迷彩服姿の元軍人らとみられる約1000人が集まり、抗議デモを始めたことが各メディアで報じられている。
毎日新聞(2016年10月11日付)によると、
「参加者の一人は取材に『退職後の手当てが不十分なまま人員が削減されることへの不満だ』と目的を語った。
習近平指導部が昨年から断行する兵力30万人削減など大規模な軍改革への不満が背景となった抗議活動の可能性が出てきた」
という。
地方での抗議デモではなく、北京で行われたことは注目に値する。
不満が地方だけに封じ込めることができなくなっているのだ。
中国の軍隊組織は共産党指導のもとに、規律と統制がとれていると思いがちだが、実際には巨大な国の巨大な軍である。
地方にいくと、コントロールがあまり効かない状態だといわれる。
コントロールの効かない軍ほど怖いものはない。
かつては人民解放軍の軍人の待遇は非常に悪く、給料の遅配も多かったと言われる。
相遇も徐々に改善されてきた。
しかし「公務員」の枠を超えるわけではない。
一般の公務員には賄賂や口利きの「稼ぎ」があり、給料以外の収入が実質的になっていた。
しかし軍人にはそうした機会が極めて限られる。
軍用品や食料を横流しにするくらいしかない。
それらは大々的にやればすぐに足がついてしまう。
軍人は一般の公務員よりはやや高めの報酬基準になっていても、賄賂収入が少ないだけに相対的な不満を抱くようになっている。
そこに兵力30万人削減が行われてきたのだ。
地方では元軍人のいい受け皿はなく、退職後の手当が不十分であれば、怒りは中国政府に向けられるのだ。
元軍人は、軍人としての訓練を受けた人だ。
兵器の扱いも爆弾の扱いもよくわかっている。
またちょっと前まで軍組織にいたので、軍内の元部下や友人などとのネットワークもある。
彼らが不満分子として、地方の既得権益者らと結びつくなら、地方からの反乱の可能性は極めて高まる。
現在、中国では政財界での主導権争いが起こっている。
地方で王国を築いてきた人が一夜のうちに糾弾され、投獄されることもありえる。
一気に没落するのだ。
反主流、あるいはそうなりそうな人は、元軍人らと手を結ぶことも十分に考えられる。
民族問題や地方独立運動と連携することもあり得る。
地方ではすでに貧富の差などへの不満から一般には報道されないデモや暴動が多く起こっていると伝えられる。
特に経済低迷が顕著になったここ1~2年ではデモや暴動が頻繁に起こっているようだ。
正確な抗議活動の数は分からない。
数万とも数十万とも言われる。
数がさらに増え、それらが元軍人など兵器のプロと結びつくようになれば、押さえ込みができなくなる可能性もある。
地方の軍組織の中にも不満分子が育つ可能性がある。
民衆を取り締まるはずの軍が反旗を翻すこともある。これがクーデターだ。
中国は広大なので、すべての地方を完全に制御するのは至難の業である。
中国の敵はアメリカや日本ではない。
内部に潜み、育っているのだ。
内部を統制するためにこそ、日本の脅威を喧伝する必要があるのだ。
私は中国の地方での不満分子は力を蓄えているように思っている。
中国経済はさらに停滞するかもしれない。
景気の浮き沈みは資本主義のメカニズムでは普通にあることだ。
日本も景気の浮き沈みは相当に経験してきた。
中国の問題は不満分子による反乱のリスクだ。
日本は四半世紀にわたって不況を続けているが、武器使用もあるような暴動はない。
ストライキさえほとんどない国だ。
しかし中国は違う。
不満はもっとストレートに出していく。
元軍人や民兵の不安定な状態は社会秩序維持においては大きなリスクになりそうだ。
しかも、地方では未婚の男性の数が非常に多い。
一人っ子政策の副産物で男女比が大きく崩れ、地方では若い男性の数が女性の数を上回り、結婚できない男性が数多くいる。
経済が停滞して職業もままならなくなれば、
彼らが「守らなければならない」ものは彼ら自身しかなくなる。
中国の今後を占うポイントは、地方の治安の維持だ。
経済成長の時代にはかき消すことができた不満の声が各地から上がってくる可能性がある。
それにどのように対応するのか。
中国は非常に重要な時期に差し掛かっている。
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ロイター 10月13日(木)14時25分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161013-00000062-reut-cn
元軍人の抱える問題に留意、
中国国防省が声明
デモ受け
[北京 13日 ロイター] -
中国国防省は13日、同省前で11日に発生した数千人規模の退役軍人によるデモを受け、退役軍人が抱える問題に対応する用意があると表明した。
中国は昨年、兵力30万人を削減する方針を示しており、デモは軍のこの計画などに対する不満とみられる。
国防省はロイターに送った声明で、ここ数年、個人的な問題や仕事の事に関して助けを求める退役軍人がいるとし、共産党と政府、中央軍事委員会は、退役軍人を大切に思い、彼らの問題解決に留意しているとした。
退役軍人の生活条件を向上させるため優先的な政策を講じているとし、一部の退役軍人の一時的な生活の問題は解決される、と表明した。
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ニューズウィーク 2016年11月1日(火)11時19分 高口康太(ジャーナリスト、翻訳家)
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/11/post-6160_1.php
「退役軍人がデモ」も「愛人に手紙」のように誤読の可能性あり
中国ニュースの理解でもときおり"ずれ"が起き、誤解が広まる。
先日、北京で約1万人の退役軍人がデモを起こしたが、日本での受け止められ方にひっくり返りそうになった。
まったく同じ表記なので日本語と中国語では意味が異なる言葉がある。
とえば「手紙」は中国語だと「トイレットペーパー」、「愛人」は「妻」を意味する。
同じ漢字文化圏だから筆談でだいたいの意味は通じるだろうと思っていると、「愛人に手紙を送った」が「妻にトイレットペーパーを送った」と誤読される可能性もあるわけだ。
これは中国語学習者の頻出小ネタなのだが、言葉だけではない。
ニュースの理解でもときおり"ずれ"が起きる。
たとえば中国の強制土地収用だ。
政府が暴力的に農民の土地を召し上げ、抵抗する農民たちとの紛争になるという話をすると、
「わかりますよ! 先祖代々の土地を死守するのは農民にとって当然の願いですよね」
という反応が来ることがしばしば。
成田闘争や沖縄の基地問題から連想すると、そういうイメージを持っても不思議ではないだろう。
だが実際のところ、中国では土地を"死守"しようとする農民はまずいない。
抵抗の目的は補償金の引き上げにある。
前近代から農地の売買が盛んに行われていた歴史があるからか、社会主義時代に土地の分配が行われたからか、ともかく自分の農地に固執するという意識は薄いのだ。
政府が土地を召し上げること自体には変わりがないが、「一所懸命! 土地は絶対死守」なのか、「補償金たくさんもらえるように戦う」なのかではずいぶんと違う話になっている。
【参考記事】歴史的改革の農業戸籍廃止で、中国「残酷物語」は終わるか
■「北京で約1万人の退役軍人デモ」の誤解とは何か
先日、北京市で起きた退役軍人デモのニュースでもやはり"ずれ"が目立っている。
「退役軍人デモのニュースを見ました。
中国では定年後の軍人がひどい処遇を受けているようですね。
の支持を得るのは独裁政権にとっては最優先の課題なのに、それすらできないとは中国経済はもはや崩壊寸前ということでしょうか」
この言葉を聞いて私はひっくり返りそうになった。
実情とは全然違うからだ。
退役軍人デモについて日本メディアの報道を端的にまとめると次のようになるだろうか。
「10月11日、中国人民解放軍のシンボルともいえる北京市中心部のビル『八一大楼』を、迷彩服姿の男たちが取り囲んだ。
その数はなんと約1万人に達したという。
男たちは元軍人だ。
退役後、苦しい生活を迫られていることに不満を覚え、待遇改善を訴えて直接行動に出たのだった。
退役軍人が軍中枢を包囲するという異例の事態となった」
この文章は決して間違いではないのだが、多くの誤解を生む種が隠されている。
というのも、中国の退役軍人は"みんな"ひどい扱いを受けていると思ってしまいがちだ。
ところが実際には引退した軍人はみなそこそこの生活を送っている人が多い。
軍人用の住宅購入補助から年金、医療支援と一般の中国人以上の生活水準を保っていると言っても間違いではないだろう。
ではデモの参加者はいったい......という話になる。
実は退役軍人という言葉がくせ者だ。
というのも中国では鄧小平以来、軍の定員削減を繰り返している。
退役軍人というと、だいたいにおいて兵員削減のあおりを食って軍人をやめさせられた士官を指す。
定年した軍人という意味ではないのだ。
彼らは地方政府や国有企業に配置換えになったり、あるいは一時金をもらって職探しや起業をしたりというセカンドキャリアを送っている。
地方政府や大手国有企業に配属されれば一生食いっぱぐれの心配はないし、定年後の待遇も完璧だ。
ところが中途半端な国有企業に配属されたが破綻してしまった、一時金をもらったけれど職探しも起業もうまくいかなかった、という人がいる。
彼らこそ今回のデモの主役だ。
実はこうした退役軍人のデモは多発しており、珍しい話ではない。
今回は「約1万人が八一大楼を包囲」という"規模と場所"がニュースとなった。
退役軍人のデモ自体は日常茶飯事といっても過言ではない。
これほど大規模なデモが北京市の中枢部で実施できたのは後ろ盾がいたからではないか。
退役軍人たちの不満を利用した習近平下ろしの動きではないか。
一部ではこうした深読みもあるようだが、状況証拠だけではなんともいえない。
というのも中国では軍人、元軍人は尊敬すべき対象である。
ましてや元士官という偉い人たちなのだから手に負えない。
■改革が生み出す「ソリティア」の達人たち
いつまでも暴れられては困ると、中国政府は退役軍人にしかるべき処遇を与えるよう地方政府に促している。
しかし財源までは出さないので、地方政府は先立つものがございませんとのらりくらりやりすごす。
もう何年も同じ状況が繰り返されているのだ。
2015年9月3日の大閲兵式で習近平総書記は新たに30万人の兵員削減を発表した。
その一部が食い詰め者になることは間違いなく、政府にとっては新たな悩みとなるだろう。
兵員削減と近代化は必要な改革だが、その副産物として生じる食い詰め者への対応はうまくいっていない。
いや、問題は食い詰め者だけではない。
デモを起こさなければ政府は満足だろうが、元軍人を押し付けられた地方政府や国有企業は災難である。
ろくに仕事もせず、朝から晩まで新聞を読んでいたり、ゲームで遊んでいたりというやる気のない新職員がやってくるのだから。
しかも軍と同レベルの待遇が約束されているので管理職の肩書きまで持っている。
【参考記事】汚職の次は「さぼり」を取り締まり始めた中国
中国政府はさまざまな改革を実施し、経済成長を実現してきた。
あっぱれといいたいところだが、その裏側には食い詰め者だったりゲームの達人だったりが大量生産されている。
軍人だけではない。
昨秋には一人っ子政策が廃止され全面的な第二子出産が認可されたが、一人っ子政策関連の公務員は全国に50万人以上。
農村レベルの末端構成員まで含めると200万人近い人間が関与していた。
今後、彼らをどのように処遇するのか、政府にとっては悩ましい問題だ。
【参考記事】知られざる「一人っ子政策」残酷物語
着々と改革を進める点ではたいしたものだが、その結果として生じる食い詰め者の処遇は容易ではない。
さて、本稿では強制土地収用に退役軍人デモ、同じ漢字文化圏だけについついわかったような気になるが、
実は日本語とは"ずれ"のある事象について紹介した。
こうしたなんとなくわかりそうでわからない話、その機微について今後もお伝えしていきたい。
[筆者] 高口康太
ジャーナリスト、翻訳家。1976年生まれ。千葉大学人文社会科学研究科(博士課程)単位取得退学。独自の切り口から中国・新興国を論じるニュースサイト「KINBRICKS NOW」を運営。著書に『なぜ、習近平は激怒したのか――人気漫画家が亡命した理由』(祥伝社)。
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●中国 崩壊 三浦瑠麗が語る中国の実態。退役軍人1000人デモの背景にあるもの。尖閣問題における日米のとるべき道筋とは?
2016/10/14 に公開
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【身勝手な大国・中国】
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