2016年10月12日水曜日

チャイナ・ドリームの行方(3):バブル崩壊の足音 迫り来る恐怖の大王とは? 「失われた50年!」に突入か

_


サーチナニュース 2016-10-11 07:39
 http://news.searchina.net/id/1620448?page=1

中国経済が「日本のバブル崩壊」から学びたくても学べない理由=中国報道

 中国経済は日本経済が経験したバブル崩壊から教訓を得て経済政策に反映させるべきだという考え方があるが、中国メディアの今日頭条はこのほど、中国経済には日本のバブル崩壊から学びたくても学べない理由があると説明している。

 記事はその理由を説明するに際し、まず「石油バブル崩壊」を経験したベネズエラの事例を取り上げ、
 「多くのベネズエラ国民が石油収入に頼っていたため、人びとは苦労して富を創造することを嫌がった」
と指摘。
 また
 「楽なやり方で富を得ることに慣れると、人の貪欲さはあっという間に大きくなる」
とも説明した。

 記事はこの危険な状態は中国にも生じているという見方を示しており、中国が日本のバブル崩壊から教訓を学ぼうとしないのは
 「中国は現在の不動産バブルに強力に依存しているからだ」
と指摘した。

 つまり中国人は現在のバブルの狂乱のなかで楽しい夢を見ており、「バブル崩壊の危険性」を見て見ぬふりをしている――。
 これが中国には日本のバブル崩壊という非常に貴重な教訓がありながらも、そこから学びたくても学べない理由だということになる。

 いま中国経済のバブルが崩壊するなら、まだ先進国へと発展を遂げていない中国にとってはかなり大きなダメージとなることは間違いない。
 中国は現在、学校教育やイノベーションの質を向上させる努力を払っているが、「苦労して富を創造する」という気質を国民が培えるように中国政府はさらにいっそう力を尽くすべきだ。

 一般的に、中国人はいかに早く大きく儲けるかを考えると言われる。
 こうした考え方は決して悪くはないが、記事が用いた
 「苦労して富を創造する」というフレーズの「富」がもし金銭的な価値だけを指すのであれば、
 バブル崩壊などの逆境に直面したときに持ちこたえることはできないかもしれない。




サーチナニュース 2016-10-12 07:09
http://news.searchina.net/id/1620552?page=1

不動産バブルが崩壊したら
「わが国が失う歳月は20年では済まない」=中国メディア

 中国では加熱する不動産バブルに対する警戒感が高まっている。
 日本もかつてはバブル景気に沸いたが、バブル崩壊によってデフレに陥り、「失われた20年」に突入したと言われる。
 中国メディアの今日頭条は9日、
 「中国のバブルが崩壊すれば、失われる歳月は20年では済まない」
と伝える記事を掲載した。

 記事は、日本経済がバブルの狂乱に沸いていたころ、東京の土地をすべて売れば米国全土を購入できるというほどに日本は地価が上昇したことを紹介。
 また、現在の中国人旅行客のように当時の日本人も世界各国でブランド品などを「爆買い」していたと伝える一方、バブル景気は長くは続かず、崩壊に至ったことを紹介した。

 続けて、「歴史は常に驚くほど似た形で繰り返される」と主張したうえで、中国の不動産バブルは当時の日本とそっくりだと指摘。
 不動産価格はもはや一般の人びとが購入できないほど上昇していると指摘する一方、
 唯一違うのは「バブルが崩壊した場合、中国は20年では回復できない恐れがあること」だ
と主張した。

 記事は、中国の不動産バブルが崩壊すれば「失われた50年」を迎える可能性があると主張し、その理由として日本経済はバブルが生じた時点で世界的に競争力を持つ企業や産業が数多く存在したことを紹介。
 一方の中国企業はまだ基幹技術を持たず、イノベーション能力でも日米に大きく遅れを取っていることを指摘したうえで、
 現在の中国経済の競争力ではバブル崩壊から立ち直るには50年はかかる
と危機感を示している。



サーチナニュース  2016-10-13 18:56 岩城真 編集担当:サーチナ・メディア事業部
http://biz.searchina.net/id/1620758?page=1

結局は「労働力」の輸出に頼る中国

 「“労働力”の輸出に頼る中国?」と疑問を持たれる読者諸兄も多いと思う。
  ちょっと解説しなくてはならない。
 労働力の輸出、いわゆる出稼ぎに頼る国というと、真っ先にフィリピンを思いだされる。
 確かに、フィリピンは、“モノ”の輸出以上に海外出稼ぎ労働者の送金に国の経済が支えられている。
 一方、中国には、そのような一面はほとんどない。
 “世界の工場”と呼ばれたように工業製品の輸出が主導するかたちで、経済が大発展したのは、ご存知の通りである。

 しかし中国から輸出された工業製品の多くは低廉な人件費を武器に加工費を圧縮した製品が多く、
 人件費の上昇は製品価格の上昇に直結してしまうものばかりだ。
 “モノ”を輸出しているとは言いながらも、そこには独自の技術といったものが内在していることは稀で、まさに低廉な労働力を輸出しているに等しいのではないか、というのが、筆者の見立てである。

 最近でこそ中国資本の自動車メーカーがアセアンや南米といった市場近くに工場を建設するようになってきたが、かつては日欧米系メーカーが域内生産をはじめても中国系メーカーは依然として中国で生産、輸出の形態をとっていた。
 もちろん当時はそれでも十分にコスト優位性があり、現地生産する必要がなかったのかもしれない。
 ただしサービスパーツの供給に時間が掛かるなど、現地生産していないがための弱さが目についた。

 近年、中国企業のアフリカ向けインフラ輸出は、圧倒的な安さやスピードで、根こそぎ受注しまくっているといった印象がある。
 しかし、アフリカなど輸入国では、すこぶる評判が思わしくない。
 評判を落としている最大の理由は、中国企業が建設作業員を丸ごと中国から連れて来ると言われることにある。
 インフラ建設では多くの労働者が現地で雇用されそれが現地への技術移転となって輸入国にとってもうひとつの恩恵を生むのだが、作業員を連れてきてしまってはこの恩恵が成り立たない。

 アフリカのリアルな事情を筆者は知らないが、筆者がインドネシアで携わっていたプラント建設プロジェクトでは、確かに中国企業は、本国(中国)から建設作業員を連れて来ようとした。
 当初インドネシア政府は、「建設作業員にワークビザを出さないので、連れて来ることができない」と入国させない意思を伝えていたが、中国企業は自社の指定した作業員が架設したものでなければ、設備の性能保証はしないと主張していた。
 その主張自体は、理解できなくもないが、新興国のプラント建設に現地の作業員を雇わないなど、常識では考えられない。
 結果的に作業員のビザは発給されたが、それまでの間工事はストップしてしまった。
 また、ビザの有効期限内に架設は完工できず、ビザ延長もできずに架設は、インドネシア作業員の手で完工した。
 設備の性能保証問題が、どのようになったのかまで筆者は知らないが、中国企業の建設作業員までの丸ごと輸出体質を知ることになった。

 中国の人件費が上昇している現在、中国から遠いアフリカにまで作業員を連れて行く経済的なメリットはない。
 ならばなぜ連れて行くのか、筆者はそこには中国独特の問題があるとみている。
 中国人の工業技術の習得は、どちらかというと実用本位だ。
 「なぜ、このようにするのか?」という探究心に乏しい。
 ノウハウは、咀嚼せず鵜呑みする傾向が強い。
 それゆえに、ノウハウが体系化できていない。
 体系化されていないノウハウを移転することは困難なため、習得している作業員を連れて行かざるを得なかったのではないだろうか。

 中国はこの路線を転換しない限り、今後新興国のインフラ設備を受注しても、あいかわらず作業員丸抱え輸出体制を改められない。
 いずれコスト競争の大きな足枷になるはずだ。
 また、市場である新興国での工場操業も苦戦を強いられるのではないだろうか。



Record china配信日時:2016年10月15日(土) 6時40分
http://www.recordchina.co.jp/a135803.html

中国でまた不動産バブル、
なぜ繰り返されるのか?―米メディア

 2016年10月13日、参考消息網によると、米メディアは
 「“予想通り”の中国不動産バブル」
との記事を掲載した。

 米誌フォーブスは11日、中国不動産バブルに関する記事を掲載した。
 中国国家統計局の発表によると、中国主要70都市新築住宅販売価格は前年同期比9.2%高の大幅な値上がりを記録した。
 一部都市の値上がりはすさまじく、上海は31.2%高、アモイは43.8%高となった。
 急激な不動産バブルを受け、中国各地では住宅ローンの頭金比率の引き上げや世帯あたり購入個数の規制などの対策を打ち出している。

 大混乱の中国不動産市場だが、今回の不動産バブルは予想されたものだ。
 中国のバブルは「バブル、規制、価格低迷、規制緩和及び政府のてこ入れ、再度のバブル」というサイクルを繰り返している。
 住宅のみならず、株式や社債などさまざまなジャンルで同様のサイクルが繰り返された。
 通貨供給量が過大で金余りが続いているなか、
 資本は利潤を求めて限られた投資機会に殺到、バブルを繰り返している。



サーチナニュース 2016-10-21 10:33
http://news.searchina.net/id/1621307?page=1

中国は5年で「現在の日本」と同等の規模の富を生み出せる!=中国報道

 2015年における中国の名目GDP(国内総生産)は約10兆9828億ドル(約1144兆円)に達し、
 名目で約500兆5000億円だった日本の2倍以上となった。
 中国経済は今なお成長を続けており、経済成長が停滞している日本との差は開く一方だ。

 中国メディアの捜狐は16日、日本と中国の経済成長における勢いには大きな違いがあると主張し、中国は5年で「現在の日本」と同等の規模の富を生み出すことができるようになったと主張する一方、中国は決して日本を軽視してはならないと論じている。

 記事は、中国の経済成長率が今後も6.6%前後を維持できれば、5年後の経済規模は15年の1.37倍になっている見通しであり、それは15年の日本経済と同等の規模が増えたことを意味すると指摘。
 日本は世界第3位の経済大国だが、中国はそれと同等の富を5年で生み出せるようになったのだと論じた。

 続けて、中国は原子力産業や高速鉄道産業、宇宙産業などで日本を超える技術力を有しているとしたほか、かつて日本企業が大きなシェアを誇っていたパソコンや家電、携帯電話などの分野においても今や中国企業が日本企業を買収する時代になったと主張した。

 一方で、中国は日本を軽視してはならないと指摘し、その根拠として日本は20年以上も経済が停滞しているが、日本の対外純資産残高は世界一であり、日本は国外で稼ぐ経済構造となっていると指摘。
 また、日本には経済を「縁の下」で支える数多くの中小企業があり、非常に優れた技術やイノベーション能力を持つ中小企業は多いと伝えた。

 中国経済が著しい発展を遂げ、経済規模では日本の2倍以上となったのは事実であり、家電など一部の産業で世界的な競争力を持つ企業も現れ始めている。
 しかし、過剰生産能力や膨らみ続ける企業債務などの問題を抱える中国には、これまでの成長モデルからの転換に失敗し、「中所得国の罠」に陥るのではないかとの懸念も存在するのも事実であり、決して楽観視できないのが中国経済の現状といえるだろう。



サーチナニュース 2016-10-21 14:03
http://news.searchina.net/id/1621325?page=1

中国の経済成長率が低下しているのは「外部環境のせいだ」=中国報道

 国際通貨基金(IMF)が2016年8月に発表した中国の過去5年間の経済成長率は、
 2010年が10.606%、
 11年が9.5%、
 12年が7.9%、
 13年が7.8%、
 14年が7.3%、
 15年が6.9%
だった。
 そして
 16年は6.588%
と予測されている。

 つまり中国の経済成長率は年々低下していることわかるが、中国メディアの今日頭条は16日付で北京大学の教授の見解を紹介、中国の経済成長率が年々低下している主要な原因は、中国内部の体制・構造・経済成長方式にあるのではなく、むしろ外部性にあると主張した。

 記事によれば、同教授はシンガポールも
 2010年の15.2%から15年は5.92%にまで低下、
 韓国も10年の6.5%から15年は2.6%に低下
していると指摘、
 またブラジル、ロシア、インドなども経済成長率が低下しており、10-15年の経済成長率の低下幅が中国より大きい国は多いと説明した。

 同教授は世界中の国に生じている経済成長率の低下の原因として、「08年の世界金融危機以降、先進国の経済がまだ完全に回復していない」ことを挙げ、それによって欧米の民間需要が減少し、消費の成長が低迷している点を挙げた。また国際経済がまだ回復していないため民間投資にも積極性がないと主張した。

 記事が取り上げた教授の説明を簡単に言い換えれば、中国の経済成長率が年々低下しているのは、中国自身の問題ではなく、外部環境が悪いためであり、中国経済が不調である主要な原因は世界経済の不調という外部性のものであるということになる。
 教授が指摘しているように、確かに世界経済の不調は中国経済に大きな影響を与えているだろう。
 それでも中国企業の過剰債務を始めとした中国内部に存在する問題の大きさを軽視することはできないはずだ。


ダイヤモンドオンライン 2016年10月27日  陳言 [在北京ジャーナリスト]
http://diamond.jp/articles/-/105943

中国の不動産価格暴騰はもはや「治安維持問題」の域に

中国政府は高騰を続ける不動産価格のコントロールに乗り出しているが、それは犯罪行為の摘発なども含め、政治問題となっている。
一方、価格高騰を生み出している経済的な3つの要因には放置されたままだ。


●重慶のビル群。不動産価格高騰の抑制と経済成長を両立させるヒントが隠れているかもしれない

 中国の不動産バブルについては、日本でもたいへん関心が高い。
  「昨年の価格と比べて、今は5割も高くなっている。
 もう仕事をするなんでばかばかしい」
と、深セン衛星テレビ局で打ち合わせをしていると、地元のジャーナリストが深センの不動産価格について、こう漏らした。

  「“階層”はすでに相当に固定化されているのではないか。
 住宅を持っている人は、よほどのことがなければ永遠に豊かだが、
 一方でこれから農村や地方から都市に出てくる人は、たとえ高い給料をもらっても、もう北京や上海、深センでは、一生住宅を買えないのではないか」
と、共産党系新聞『人民日報』傘下のある新聞社の副社長は不満をこぼす。
 普通の人よりはるかに収入が高いが、そんな地位にある人でも、北京郊外で住宅を買おうとしても、いまではほぼ無理である。

 住宅問題さえなければ中国の市民はもっと消費におカネを回せるし、社会の安定も維持される。
 このあまりにも高い住宅問題を解決するには、普通の政策ではすでに対応できなくなっており、不動産をめぐる犯罪摘発にまで政策が発展しているという点で、最近では重要な政治問題にまでなっている。
 しかし、それでも効果は見えてこない。

■住宅高騰は国の安保に関わる
中央の指導者が自ら指示を出す

 北京から深セン、南京から東莞まで、20都市の政府要員が数日間不眠不休で作業し、不動産購入・賃貸制限政策を相次いで発表した。
 政策決定者たちは、住宅価格が異様なほど高くなったという現象は、もはや
 「国の安全保障問題に関わるまでになっている」
と認識しているようだ。
 下記のニュースの数々を見れば、それが分かるだろう。

 先月の9月8日、上海市警察は、不動産市場に関するデマを拡散した容疑者7人を逮捕し、上海市ネットワーク情報事務室は、微信(Wechat)の5つの公式アカウントを閉鎖した。
 10月4日には「不動産価格を釣り上げて暴利をむさぼることをもくろみ、デマを流し、消費者に不動産購入を煽るデベロッパーや不動産仲介業者計45社」を列挙したブラックリストが、住宅と都市・農村建設部(住建部)より発表された。
 10月11日、深セン市警察は「不動産コントロール政策で投資家が飛び降り自殺」とのデマを流したとして、容疑者3人を刑事拘留した。
 10月12日、中央官庁住宅建設部が杭州、深センの不動産市場に関するデマの拡散事件を通達し、不動産市場の秩序を乱す違法・ルール違反行為を、法令法規に照らして厳しく処分することを各地に求めた。
 中央銀行は、大手国有銀行5行と民営銀行12行のトップを招集し、不動産コントロールに関する会議の方針を伝えた。

昨年7月の株式市場暴落後の「市場救済」行動と同じく、今回の不動産コントロールもまた一つの政治キャンペーンとなってしまい、地方政府が全面的に緊急非常態勢を取っている。

 どうしてこのようなことになってしまったのか。

 ネット上では、ある噂が飛び交っている。それは、
 ある指導者が
 「不動産価格がコントロールできなくなることを非常に心配している。
 もし不動産価格がコントロールできなくなったら、責任を追及しなければならない」
という指示を下したというものだ。
 この噂は、10月14日に一部実証された。
 政府系メディアの『澎湃ニュース』のその日の報道によると、住建部のある官僚が取材を受けた際、
 「これまでのコントロール措置は、すべて国務院が直接政策を発表したが、
 今回の不動産コントロール政策は中央指導者が自ら指示を下したため、
 そのコントロールの重点はこれまでと少し異なる」
と話した。

中国において、「中央」とは実に曖昧な言葉である。
 広義の「中央」とは、国務院を含む中央政府だが
 狭義の「中央」なら、共産党中央のみを指している。
 「中央指導者が自ら下した指示」とは、どの中央指導者を指すのかは言わずとも、習近平総書記と想像できる。

 そのため、今後少なくとも数ヵ月の間は、各地の不動産価格が徐々に下落することは予想できる。
 ことここに及べば、不動産価格を引き上げようとするいかなる人間も太刀打ちできないだろう。

■不動産価格を支える3つの柱
依然不足している土地供給

 中国社会の多くの人々はすでに不動産価格の高騰に嫌気がさしている。
 中央の指示もあり、誰もこれ以上の価格釣り上げはできなくなると思われている。
 しかし、本当にこれで不動産価格は下落するだろうか。
 いままでこのコラムで何回か中国の不動産価格について書いたので、その繰り返しになるが、現時点では不動産価格を支える3つの柱に、大きな変化は起きていない。

★.第一に、ほとんどの大都市では今後2年間を予想しても、人口が大都市に集中していく現象は緩和されず、土地供給が不足しており不動産の数は依然として足りていない。

★.第二に、通貨発行の増加は引き続きGDP成長率を大幅に上回り、余剰資金に投資先がなく、流動性は依然として過剰なままである。

★.第三に、中国の経済発展は、高度成長から成熟への転換、言い換えれば高成長期から中成長期へ変化しているが、6.5〜7%の成長速度に落ち着くのかどうか。
 これ以上の成長率の下落に歯止めをかけるためには、不動産以外になんの手段があるのか。
 不動産自体は相変わらず国民経済の柱であるため、その価格抑制を目標とする政策は、一貫して優柔不断で、動揺し矛盾している状態にある。

重要なのは、大半の人には見えない富の移転が、この国で密かに行われているということだ。

 過去数年で起きたことを思い出してみよう。
 通貨の超過発行でインフレが起こり金銭(現預金)の価値が下落。
 地方都市の住民が銀行に預金するのに対し、大都市の住民はローンを組んで不動産を購入している。
 地方都市の富裕層の子女は大都市の大学を卒業した後、そのままそこに残って不動産を購入する。
 高速鉄道が主要都市をつなぎ、三大都市圏の政府が地下鉄などのインフラ整備に巨額の投資をしている。

富は迅速に大都市に移転し、集中していっているのだ。
 今後数年、中国の人口ボーナスは加速度的に終焉を迎え、
 各都市の間で人口の獲得戦が爆発する。
 将来、人口と富が集まるのは、直轄市、省政府所在地、経済中心都市になる。
 都市間の「80:20法則」(パレートの法則)がさらに顕著になる。
 つまり、「20%の人が、80%の富を持つ」というわけである

■不動産価格の安定と経済成長を
両立させた重慶の改革

 一方、こうした問題の解決の糸口が、重慶にある。

 過去6年間、重慶の住宅価格はほとんど6000~7000元/平米(日本円で約10万円)に安定しており、直轄市として、その住宅価格が中国では終始最低ラインにある。
 しかも、それでいて過去2年間、重慶のGDP成長率は連続して全国1位を維持している。
 重慶が飛躍的な経済成長を実現するとともに、住宅市場の安定を維持できるのは、充分な土地供給と「二級制住宅供給システム」によるところが大きいという。
 この2点は戸籍制度改革と土地徴収制度改革によるメリットである。

 2015年9月、重慶は農業戸籍と非農業戸籍の区別を撤廃することを発表し、また都市で5年以上、郊外で3年以上仕事を続けた人に対して戸籍の付与を始めた。
 この政策によって、重慶の都市戸籍を持っている人の比率(都市化率)は、2015年に一気に60.9%まで引き上げられ、全国平均レベルの56.1%を超えた。
 都市住民の急速に増加することによって住宅が不足し、住宅価格が高くなるはずであったが、重慶ではほとんどそのような現象はなかった。
 重慶の充分な土地供給によって住宅価格の安定維持ができたと見られている。

 さらに重慶は二級制住宅供給システムを取り入れることで、住宅市場における市民の異なる需要に応じている。
 まず、政府は公営住宅の建設に土地と補助金を提供し、低所得者層の需要を満たす。
 低所得者層は月10元/平方メートルの安価で公営住宅に賃貸で入居できるようになる。
 同時に、重慶は商品住宅の供給を増やし、他の60%〜70 %の市民の需要を満たすようにしている。
 過去5年間、重慶の宅地供給量は上海と北京を4〜6倍上回っている。

 こうした重慶のケースは、最近、大変注目されているが、都市住民と農村住民を分ける戸籍制度、農作業用地とその他の用地を厳格に区分する現在の土地制度を改革しようとする挑戦が、重慶以外の都市でも出ているわけではない。

 結局、大都市住民が不動産価格の異常な高騰に対抗するには、政治キャンペーンの手法で対応するほかはない。
 それは一時的な高揚感があるが、それで社会問題が解決されたという前例を、中国ではあまり見たことはない。
 キャンペーンが終わると、これからの1、2年は住宅価格はまた上がるのではないかと中国社会ではまだ思われている。



サーチナニュース 2016-11-02 16:43
http://news.searchina.net/id/1622256?page=1

お・・・恐ろしい!
現在の中国はバブル崩壊前の日本とそっくりじゃないか=中国報道

 不動産バブルが生じていると言われる中国では、市場が過熱しすぎないよう政府がさまざまな規制を行っている。
 だが、中国メディアの全景網は2日、
 「現在の中国はバブル崩壊前の日本とそっくり」だ
と主張し、中国の不動産バブルの崩壊に警戒感を示している。

 記事はまず、
★.不動産バブルが生じていた際の日本は「高度成長が終わった後」であり、
★.「急速に都市化が進み、不動産価格が急騰したこと」、
★.「通貨の価値が上昇傾向にあったこと」、
★.「人口ボーナス期が終わり、生産年齢人口が減少に転じていたこと」
などを挙げ、これらはすべて現在の中国に当てはまることだと指摘した。

 続けて、
★.1985年のプラザ合意によって急激な円高が進んだことで、日本の製造業は価格競争力を失い、
★.それでも儲けるためには不動産や株式への投資を行わざるを得なくなった
と指摘。
 そして、日本では不動産バブルが過熱し、崩壊に至ったと紹介する一方で、
 当時の日本と現在の中国において決定的に違うのは、
★.「当時の日本はすでに国民が豊かになっていたこと」
だと指摘。
★.現在の中国は国民が豊かになる前に、不動産価格だけが異常に高騰している点が、
バブル当時の日本との違いであることを伝えた。

 続けて記事は、
★.中国はすでに経済成長率が落ち込み始めているうえに、
★.世界の工場としての地位は東南アジア諸国に奪われつつあると指摘。
★. さらに中国は高齢化も進みつつあり、
 中国で不動産バブルが崩壊すれば、
 「トヨタやソニーのような大企業がすでに存在していた日本と異なり、
 立ち直るまでに相当長い時間が必要になる可能性がある」
と危機感を示した。

 中国では近年、不動産バブルの崩壊を警戒する論調の報道が増えている。
 こうした報道が増えている背後では、多くの投資家が「そろそろ不動産価格も高値」であると考えている可能性があり、
 事実、資金はすでに不動産から骨董品、さらには大豆などへ流れているとの報道もある
 すでに高騰している不動産の買い手が急激に減ってしまえば、不動産価格が急落する可能性もあり、不動産価格の急落は不良債権の急増という形で中国の実体経済を直撃しかねない。



サーチナニュース 2016-11-07 08:49
http://news.searchina.net/id/1622436?page=1

「住宅価格は暴落すべき」とか言うな!
現実になったら「恐ろしい」=中国

 中国不動産バブルはいつはじけるか、という話題が出て久しいが、中国沿岸部の都市を中心に住宅価格はさらに上昇し、更なるバブルの様相を呈している。
  もはや一般庶民の給料では到底手の届かない価格になっているためか、中国では不動産バブルの崩壊を望む声も聞かれる。

 だが、中国メディアの和訊はこのほど、中国の不動産バブルについて
 「住宅が買えないからといって、崩壊すべきだなどと安易なことは言うべきではない」
と釘を刺す記事を掲載した。
 記事は、不動産価格の暴落は重大な金融危機を誘発すると指摘。
 不動産価格が暴落すれば、
★.これまでに不動産を購入していた人にとっては即座に「負の遺産」となることを指摘し、
★.買値を下回った価値しかない不動産のローンを払い続けるよりも破産宣告した方が得になるため、破産する人が増える可能性を挙げ、
★.そうなれば銀行の不良債権が増えることになり、銀行は困難な状況に陥る
と指摘した。

 さらに、米国のサブプライムローン問題に端を発した金融危機や、日本のバブル崩壊の例を引合いに出し、
★.住宅価格の暴落は「銀行のみならず、経済全体や金融システム全体」に影響を与えることになるとし、こうなると中国人は仕事を失って食べるものにも困るようになるかもしれないと、事の重大性を示した。

 そのため、住宅バブルの崩壊を望むようなことを「安易に」、「面白がって」口にすべきではないとしたうえで、「住宅価格は暴落すべきなどと軽率に主張する人」に対して、ここ数年の金融危機を振り返るように勧め、「言葉には気を付けるべきだ」と警告した。
 実際、不動産バブルの崩壊は中国政府が最も恐れることであり、何としても食い止めようとさまざまな措置を講じているが、中国不動産市場の現状は明らかにバブル状態だ。
 いかに不動産バブルを弾けさせず、ソフトランディングを実現するか、中国政府の手腕が問われている。



ロイター 2016年 11月 6日 10:28 JST
http://jp.reuters.com/article/china-land-king-idJPKBN12Z0ET?sp=true

アングル:中国の地価軟化、「地王」には購入拡大の好機

[香港 3日 ロイター] -
 中国の住宅市場は、規制強化に踏み切る都市が相次いだため価格高騰が一服する兆しが出ている。
 しかし不動産を高値で買いあさる「地王(ランドキング)」と呼ばれる業者は地価の緩みを好機ととらえ、購入拡大に動こうと身構えている。

 不動産開発業者の多くは多額の負債を抱えているだけに、業者が用地購入に積極的な姿勢を示しているのは当局にとって頭の痛い問題だ。
 中国では今年入って多くの都市で住宅用地の価格が急上昇し、当局が住宅の購入規制や開発業者の資金調達規制に動いた。
 この数週間に規制を発表した都市は20以上に上り、1日に発表された10月の購買担当者景気指数(PMI)で住宅価格に軟化の兆しが表れた。
 調査会社CRICによると、1線級都市では10月に地価が下落。
 土地の総売却件数は前月から38%減り、総売買額も49%減少した。

 しかし大手不動産開発業者は地価の軟化を購入拡大のチャンスと位置付けている。
 大都市の新築住宅への需要はなお好調で、物件の供給は薄いという。
 7─9月期に中国全土で高額の用地を十数件購入した不動産開発会社の幹部は「不動産市場は需給がひっ迫しており、暴落は予想していない。
 いくらかでも価格が下がれば、市場について楽観的な見方を強めることになるだろう」と話した。

 上海に拠点を置く不動産開発会社の幹部も
 「用地価格が下がれば急いで市場に戻るつもりだ。1線級の都市ならなおさらだ」
と述べた。
 しかしアナリストの中からは、高値で用地を取得した「地王」は今後3年間に住宅価格が2倍以上に上がらないとコストを回収できないと危惧する声も出ている。
 例えば、8月に上海中心部の用地を17億ドルで取得した融信中国(3301.HK)の場合、1平方メートル当たりの価格は約10万元(1万4756ドル)と過去最高額で、ロンドンのケンジントン・アンド・チェルシー地区やニューヨークの最高級物件に匹敵する。
 融信中国は1月に上場したばかりだ。
 アナリストや業界幹部は、規制強化で資金調達が難しくなると、中小の開発業者は資金繰りが厳しくなり、業界内で合従連衡が進むとみている。
 ある業界幹部によると、既に大手20社のシェアは20%から33%超に上昇しているという。
 規制を発表した都市では一部の業者が当局から資金調達計画を拒否されるなど、規制強化の影響が顕在化しつつある。

 しかし業者は意に介していない。
 ある不動産開発業者の幹部は
 「業者は市場について明るい見通しを持っており、借り入れに問題を感じていない。
 流動性は豊富だ」
と話した。



ロイター 12/1(木) 12:26配信
http://jp.reuters.com/article/china-housing-market-idJPKBN13Q37I

中国住宅市場、成長へのリスク要因に─人民銀政策委員=証券報

[上海 1日 ロイター] -
 中国人民銀行(中央銀行)金融政策委員会の黄益平委員は、住宅市場の減速見通しは来年の経済成長に対するリスク要因だとの見解を示した。
 有力専門証券紙の中国証券報が報じた。

 黄委員は同紙に対して、「12月と来年1月は経済活動が弱まり、来年に向けて景気へのリスクが高まることになる」と予想。
 同氏によると、貨物需要は減速し始めており、発電と石炭消費量も減少している。

 その上で、「短期的には(景気が)住宅市場を起因とする圧力を受ける可能性がある」と指摘。
 今年の経済成長への寄与が大きい住宅市場が、価格抑制を狙った規制強化を背景に11月に入って減速したとみられると述べた。
 このため、住宅市場の寄与度は低下する見通しだとし、来年の政府の経済成長率目標は6─7%に設定する必要があることを示唆した。
 第3・四半期の中国の成長率は6.7%だった。

 黄氏はまた、元切り下げ観測は緩和的金融政策を制限する効果があるとの見方を示し、
 「切り下げ観測を根本から変えるために、われわれは引き続き構造改革を推進し、経済成長期待の安定化を図る」
と述べた。




【身勝手な大国・中国】



_