2016年11月9日水曜日

中国の軍事力(1):中国の次世代ステルス戦闘機「殲20」、数で勝負する戦闘機?

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 中国が設定した東シナ海防空識別圏に飛来すると思われる部外機に対して確実にスクランブルがかけられるどうかが、戦闘機能力の分かれ目になる。
 「J-20」がそれができるようになったとき、はじめて評価が下る。
 それまでは、仕様書戦闘機、パンフレット戦闘機のレベルを出ない。
 飛び上がって降りるだけなら民間機と変わらない。


ロイター 2016年11月4日(金)18時51分
http://jp.reuters.com/article/china-stealth-military-spending-idJPKBN12Z0JH

中国の次世代ステルス戦闘機「殲20」、
デモ飛行が意味するもの



[1日 ロイター] -
 中国・珠海市で開催された国際航空宇宙博覧会において、初めて一般公開飛行を行った中国の次世代ステルス機「殲20(J20)」が披露したのはごう音だけにとどまらない。

 航空・軍事分野における超大国を目指す中国は、その野望を改めて世界中に響きわたらせた。
 ロイターは今月、中国のJ20が、米防衛大手ロッキード・マーチン製のF22戦闘機の対抗機になり得ると報じた。
 中国の習近平国家主席は軍事改革を進めている。
 汚職を一掃し、新たな部隊を増やし、兵器を更新している。
 同国はまた、南シナ海における領有権の主張を強め、国際社会と争っている。

 景気が停滞し、最近では軍事費の減少が見られるとはいえ、中国は依然として世界第2位の軍事大国である。
 中国は新しい兵器や防衛システムの自国製造を増やしている。
 これまではそうした軍需品をロシアとウクライナに頼っていた。
 ストックホルム国際平和研究所によると、中国は2005年、ロシアからの武器輸入は過去最高を記録したが、その後2年間で50%減少している。

 減少の背景には多くの要因があるが、中国で独自の軍需産業が成長していることもその1つ。
 また、中国が自国の戦闘機「殲11B(J11B)」にロシアのテクノロジーを解析して模倣した懸念もあったためだ。
 中国と技術盗難問題を抱えているのはロシアだけではない。
 今年に入り、F22とF35戦闘機に関連する軍事機密を盗み、中国企業に売ろうとした罪で、中国人ビジネスマンが米国で4年の実刑判決を受けた。
 中国政府は関与を否定している。
 米国は1989年以降、中国に対して武器禁輸措置を取っている。

 米国防総省が最近発表した報告書は、中国が開発中の大規模な極超音速の風洞「JF12」を試験するための新たな施設に注目している。
 同報告書によると、この風洞は世界最大とみられ、マッハ5から9の空力条件を再現することが可能だという。

 中国の次世代ステルス機J20のデモ飛行に何らかの意味があるとすれば、それは中国が確実に目的に向かっているということだろう。



https://www.youtube.com/watch?v=yaZ24X64J2g

●初公開された中国ステルス戦闘機の評価
2016/11/04 に公開


サーチナニュース 2016-11-09 07:07
http://news.searchina.net/id/1622633?page=1

中国のステルス戦闘機「殲-20」には「致命的な弱点?」=中国報道

 11月1日から6日にかけて行われた中国国際航空宇宙博覧会(珠海航展)において、中国のステルス戦闘機「J-20(殲-20)」が初めて一般に向けて公開された。
 そのJ-20について、中国メディアの環球網は7日、米メディアが「J-20には致命的な弱点がある」と報じたことを伝えている。

 中国の各メディアはこれまで、J-20は生産量が500-700機に達する可能性があり、米国のF-22が試験用の8機を含め、187機しか生産されないのに比べて「数」で圧倒できると伝えていた。
 つまり、J-20がF-22と比べて「戦闘能力」で一定程度劣っていても、
 「数で品質の差を補充することができる」
という主張だ。

 だが、環球網は米メディアのフォーリン・ポリシーがJ-20のステルス性能について、
★.「戦闘機の前方部のステルス性は非常に高いが
 、後方部には問題があり、エンジン排気口のステルス性能は低い」
と指摘したことを紹介。

 さらにフォーリン・ポリシーが
★.「J-20は極めて容易に敵のレーダーに発見される可能性がある」
と伝えたことについて、環球網は
 「J-20はF-22に簡単に発見されてしまうということか」
と懸念を示した。

 一方で記事は、フォーリン・ポリシーが
 「J-20の存在は中国の航空産業と軍事力の大きな飛躍を意味する」
と伝え、西側諸国はJ-20と中国の軍事産業に真剣に向き合う必要があると警戒感を示したことを伝えた。



Record china配信日時:2016年11月14日(月) 9時20分
http://www.recordchina.co.jp/a155006.html

中国の第5世代戦闘機J-20は2018年までには戦力化、
日本よりも5年間先行―中国メディア

 2016年11月13日、環球網は記事
 「専門家:新型戦闘機J-20は2018年までには戦力に、
 行動半径は日本全域をカバー」
を掲載した。 

 香港の軍事アナリスト・梁国梁氏は12日付香港紙・明報に中国人民解放軍の新型戦闘機J-20に関する記事を寄稿した。
 J-20はステルス性能を備えた第5世代戦闘機。日本の自衛隊が導入するF-35に匹敵する性能を持つとされる。
 梁氏はステルス戦闘機が戦力となるには最低でも12機(1個中隊)、理想的には120機を配備する必要があると指摘した。
 他にも補給やパイロットの育成、戦術の構築などが必要になるという。
 現在、中国は急ピッチで配備を進めており、2018年春までには30機以上を実戦配備すると分析した。 

 一方、自衛隊に42機のF-35Aが配備されるのは2019年で、戦力として計算できるようになるのは2023年以降になると梁氏は予測している。
 中国は日本より5年早く第5世代戦闘機の戦力化を果たすことになる。
 J-20の行動半径は2000キロと長く、空中給油機がなくとも日本全域をカバーする能力があるとみられる。



Record china配信日時:2016年11月13日(日) 17時10分

中国初の女性J-10戦闘機パイロット、
飛行訓練中の事故で死亡―台湾メディア
●12日、中国空軍のアクロバットチーム「八一飛行表演隊」の女性パイロット、余旭・中隊長が、飛行訓練中の事故で死亡した。

 2016年11月12日、中国空軍のアクロバットチーム「八一飛行表演隊」の女性パイロット、余旭(ユー・シュー)中隊長が、飛行訓練中の事故で死亡した。 

 台湾ETtodayによると、八一飛行表演隊の戦闘機「J(殲)-10」が12日、天津市武清区上空での飛行訓練中に別の1機と衝突し、前部座席の男性パイロットはパラシュートでの脱出に成功したが、後部座席の余中隊長は射出後に空中で別の1機の補助翼に衝突し即死した。 

 中国初の女性J-10パイロットで1986年生まれの余中隊長は、中国で曲芸飛行資格を持つ4人の女性パイロットの1人。
 「金孔雀」とも呼ばれていた。


●【何故 ♪】 中国軍戦闘機 毎月1機が墜落する異常事態
Published on Nov 21, 2016


Wedge 2016年11月30日 小原凡司 (東京財団研究員・元駐中国防衛駐在官)

最新鋭ステルス戦闘機に見る中国のジレンマとコンプレックス

 2016年11月1日、中国の広東省珠海市で開催された航空ショー「国際航空宇宙博覧会」で、ひときわ外国メディアの目を引く航空機が公開された。
 近々、中国人民解放軍空軍に配備が予定されているJ-20戦闘機である。
 J-20は、中国が「米空軍のF-22に匹敵する」と豪語する、中国国産の最新鋭戦闘機であり、「ステルス性能を有する第5世代の戦闘機である」とされる。

●中国国際航空宇宙博覧会で一般公開飛行されたJ-20戦闘機
(写真:ロイター/アフロ)

■技術の違法コピーでロシアと交渉決裂

 J-20が注目されるのは、中国が自力で開発した高性能戦闘機である可能性があるからだ。
 中国が現在、主力として使用している戦闘機は、ロシア製のSu-27とそのライセンス生産機であるJ-11である。
 しかし、ロシアは、中国がJ-11をライセンス生産するにあたって、多くの違法な技術のコピーを行ったとして、中国が空母艦載機として導入を希望していたSu-33の輸出を拒否した。
 両国間で、技術提供や価格などについて折り合いがつかずに交渉が決裂したとされているが、ロシアが拒否したのは、中国が少数の機体しか購入せず、後は違法にコピーするということを実際に行なってきたからだ。

 このため、中国は、ウクライナからSu-33の試作機を購入してコピーし、J-15戦闘機を製造してきた。
 ところが、この時、中国は設計図を入手できなかったと言われている。
 J-15の艦載機としての能力が著しく劣るのは、当然の帰結と言えるだろう。
 エンジンの出力が足りないために、艦上で運用する際の燃料や弾薬が、陸上から運用する際の6分の1の量しか搭載できないとするものもある。

 中国がコピーしたJ-15は使い物にならなかった。
 2016年5月現在、J-15の製造は16機で止まったままだ。
 航空機や艦艇といった武器装備品は、
 いくら部品を正確にコピーしても、完成品の性能はオリジナルにははるかに及ばない。
 航空機であれば、時には、まともに飛ぶことさえできない。
 航空機の開発・製造は、それだけ難しいのである。
 それでも、中国はメンツにかけて「自国の技術」で問題を解決したいのだろうか。

■中ロ間のパワー・バランスに関わる軍事技術

 しかし中国には、メンツにこだわっている時間はない。
 少なくとも2隻の建造中の空母を運用する準備を進めなければならないのだ。
 その準備の中でも最も難しいのが、空母艦載機部隊の養成である。
 艦載機となる機体すらないのでは、訓練どころの話ではない。
 中国は、早急にロシアに援助を求めなければならないだろう。

 ロシアは、これも違法コピーを理由に渋っていた、中国に対するSu-35の輸出に同意し、2015年11月、24機の同機を中国に輸出する契約を結んでいる。
 ロシアが気にしていたのは、中国が戦闘機を違法コピーしてロシアに金を落とさないことである。
 24機というまとまった機数の契約であったので、ということはある程度の金額の契約になったので、ロシア側も中国の要望に応じたということだろう。
 Su-33にしても、中国が違法コピーを認めて金を積めば、ロシアは技術支援するということでもある。

 J-15の問題は、それで解決できるかもしれない。
 しかし、外国から武器装備品を導入するということは、輸入元の国と常に良好な関係を維持していなければならないということである
 しかも、輸入元の国の意図次第で、いつでも輸出を止められる可能性がある。
 理不尽だろうが何だろうが、その理由などいくらでもつけられる。

 この意味においても、中国にとってロシアとの関係は、常に頭の痛い問題である。
 いくら信頼できないからと言って、あからさまにロシアを不愉快にさせられないのだ。
 中国が自国で高性能戦闘機の開発・製造ができるようになれば、中ロ間のパワー・バランスに変化が生まれる。
 「その行使がなければ採らないであろう行為を相手に採らせる力」が「パワー」であることを考えれば、中国が自国開発できない軍事技術は、ロシアにとって、正にパワーの重要な構成要素であるのだ。

■戦闘機としての飛行能力に問題ありか

 もちろん、米国という共通の敵がいる限り、中ロ両国は、なにがしかの形で協力しなければならないが、ロシアは、中国に言うことを聞かせる切り札を1枚失うことになる。
 実際のところ、中国は、軍事技術供与というロシアのくびきからのがれることができるのだろうか。

 どうも、そう簡単にはいかないようだ。
 2011年に初めての試験飛行に成功し、その動画を流出させてその存在を明らかにして以降も、J-20の開発は順調に進んできたように見えない。
 特に中国が技術的に弱いのが、高性能航空エンジンである。
 先に述べた、空母艦載機J-15の最大の欠点もエンジンであると言われる。
 自国開発できないために、ロシアから購入したSu-27等に用いるためのエンジンを拝借しているという。
 J-20の状況も似たようなものなのだ。
 2011年に初飛行した2機のJ-20の内、1機には中国国産エンジンが、もう1機にはロシア製エンジンが搭載されていたと言われる。
 この国産エンジンは、1980年代から中国航空産業が開発を進めてきたものである。
 このエンジン開発がある程度の成果を収めたので、90年代からさらに高性能の航空エンジンを開始したとされている。

 この新しい航空エンジンの開発も難航しているようだ。
 現在に至ってもまだ、中国空軍が納得する性能を有したエンジンは開発できていないということである。
 J-20には、国産エンジンではなく、ロシア製エンジンを搭載することになるだろうとも言われている。

 また、J-20の全長及び全幅は米空軍のF-22と変わらないものの、翼形を含む機体の形状が、そのステルス性を疑わせる。
 敵の防空レーダーに容易く探知されてしまうのではないかということだ。
 さらに、珠海航空ショーで初めてデモ・フライトを行った際、高い動力性能や運動性能を示すような飛行形態を一切見せなかった。
 戦闘機としての飛行能力に問題があるのかもしれない。
 J-20が、米国のF-22に挑戦する能力があるという見方には、常に疑問符が付きまとうのだ。

■外交カードとしての意義

 しかし、J-20の性能は、そもそも問題ではないのかもしれない。
 2011年に初飛行の様子を撮影した動画が流出した時には、中国が新戦闘機を開発中であることは既に周知の事実であったので、その存在自体に衝撃を受けた訳ではない。
 問題は、中国がJ-20の開発を外交の道具として使用したことである。

 J-20の初飛行の動画流出は、ゲーツ国防長官(当時)の訪中の最中であった。
 さらに、胡錦濤総書記(当時)の訪米直前というタイミングでもあったことから、米中関係に微妙な影響を与えた。
 中国が米国に軍事的に対抗する意図を見せたようなものだからだ。
 また、日本及び台湾などに対する心理的影響もあっただろう。
 もちろん、中国に対する脅威認識を高めたのである。

 仮にJ-20がF-22に対抗する能力を持たないとしても
 中国は少なくともミサイルや実弾を搭載して飛行することができるステルス機らしい航空機を自国開発できることを示したのだ。
 J-20は、日本や米国、さらにはロシアに対する外交カードの一枚として大きな意義を持っているということである。

■最新技術や最高速力にこだわる中国

 そもそも、全ての戦闘機にステルス性能が求められるかどうかも考えなければならない。
 ステルス性能とは、簡単に言えば見つかりにくい能力のことである。
 レーダー波が反射しにくい機体の外形や電波を吸収する塗装などによって、主として敵のレーダーに探知されないことを目的としている。
 しかし、このステルス性が第5世代の戦闘機の条件であると定義されている訳ではない。
 実のところ、ステルス性だけでなく、どのような性能を持てば「第5世代なのか」という明確な定義はないのだ。

 2015年2月、米海軍作戦部長のグリナード大将(当時)は、海軍の次期戦闘機にはステルス性も過度の高速飛行能力も必要ないと述べている。
 レーダーの性能がますます高くなる中で、全く探知されない航空機は存在しない。
 さらに、航空機は、エンジンを回さなければ飛ぶことはできず、どんなに抑え込んでも熱は発する。
 センサー技術は、航空機技術と同様に、著しく進歩しているのだ。
 さらに、ミサイルを速度で振り切ることができる戦闘機の開発も難しい。

 しかし、米海軍はすでにステルス性を有するF-35の導入を決めている。
 グリナード作戦部長の発言と矛盾していると思われるかも知れないが、海軍は、F-35を、前方に展開するセンサー・ノードとして使用することを考えているようだ。

 空母打撃群が展開する、いわゆるNIFC-CA (Naval Integrated Fire Control Counter Air)コンセプトの一部として使用するということである。
 どのような目的でどのように使用するかによって、航空機に求められる性能は異なるのだ。

 ならば、米海軍が考える戦闘機の必要条件とは何か。
 それは、武器・弾薬の搭載量が大きいことである。
 戦闘機に求められるのは、航空優勢の確保である。
 そのためには、搭載する武器・弾薬が多いに越したことはない。
 大きな機体が必要なのだ。
 米海軍は、次期戦闘機F/A-XXを、2030年にF/A-18E/Fスーパーホーネットの後継機として採用する予定である。

 米海軍は、武器装備品に関する技術の推移と、技術発展による戦闘様相の変化を踏まえ、自らのオペレーションのために、どのような戦闘機が必要となるのかを考えている。
 むやみに、ステルス性能や無駄な高速飛行性能を追求することに意味はないのだ。
 戦闘機の速度にしても、以前は米ソの間で「最高速力」が競われたが、現在では、瞬間の最高速力ではなく、巡航時の超音速飛行の方が重要であると考えられている。

 航空機だけでなく、レーダー等のセンサーを含む武器装備品の在り方は、時代とともに変化するのである。
 中国は、一般的に、最新技術や最高速力等にこだわりがちだ。
 それは、自らが遅れているというコンプレックスの現れでもある。
 もし、中国が、戦闘様相の変化や自らの作戦行動を分析することなく、最新技術や性能要目だけを追求すれば、永遠に米国に追いつくことはできないだろう。



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2016/12/04 に公開



●自衛隊F-35は中国軍J-20の相手にならない? 第5世代ステルス戦闘機が同時実戦配備!
Published on Dec 2, 2016







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