2016年11月1日火曜日

衰退の道をたどる韓国(2):ハチャメチャぐちゃぐちゃ!バカバカしさの極致!占い好き女子高生政治の末路

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● ロイター

 論じるのも面倒くさくなるほどに韓国はハチャメチャ・ぐちゃぐちゃ。
 バカバカしさもここまでくると何をか言わんや、である。
 どうなるんだろう韓国は。
 どうひっくり返しても先が見えない。
 見える先を自らの手でどんどんつぶしているような感じがする。
 ただ、そのばそのばで行き当たりばったりで迷走しているようである。
 そのうち、疲れ切ってしまうだろう。
 まあ、疲れ切ってうごけなくなってしまったあたりから、再建案が出てくるのかもしれない。
 いまは、火病の炎を出し尽くすのを待つしかないようだ。
 もともと朝鮮は中国を宗主国、自らを臣従国とした朝貢制度の枠組みの中にあった。
 その除け難い重さにさらされ続けて、心理的に屈折して生まれたのが『恨(ハンの文化)』。
 「罪の文化」は神と人との関係、
 「恥の文化」は所属集団との関係、
 「恨の文化」は圧倒的上位強団との関係
によっている。
 それを壊してしまったのが日本。
 日本の後はアメリカ。
 「恨」の出口は圧倒的上位強団には向かえない。
 よって中国、アメリカには向かわない。
 日本に向かう。
 しかし、どうやっても勝てない。
 圧倒的上位強団ならあきらめもつく。
 しかし、日本は圧倒的上位強団ではない。
 比較的同等国である。
 それすら立ち向かえないとすれば、「恨」はさらに色濃くなる。
 内熟する心理はところかまわず出口を求めることになる。
 どこへ、何をすべきかという思考が停止する。
 ただ走りまくることになる。
 「疲れ」そのものを求めているかのごとくに。


聯合ニュース 11/1(火) 18:36配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161101-00000075-yonh-kr

 朴大統領支持率 1桁に低下=大統領府「仕方ない状況」

【ソウル聯合ニュース】
 韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領親友の崔順実(チェ・スンシル)氏が国政に介入していたとの疑惑で民心の朴政権離れが加速し、朴大統領の支持率が1桁台に落ち込んだことが1日、明らかになった。

 韓国の夕刊紙・ネイル新聞が1日に公表した世論調査結果によると、
 朴大統領の支持率は「9.2%」となり、10月の34.2%から25.0ポイント急落した。
 朴大統領が就任後、支持率が10%を割る調査結果が出たのは初めて。
 歴代大統領の中ではアジア通貨危機に陥った当時、大統領だった金泳三(キム・ヨンサム)氏の支持率が退任直前に6%まで落ちたことがある。

 今回の調査は全国の19歳以上の男女1000人を対象に、先月31日に実施された。
 調査では朴大統領の主な支持層である50代(40.0%から7.9%)と60代以上(64.5%から20.8%)の支持離れが目立った。
 地元の大邱と慶尚北道(44.3%から8.8%)では平均支持率を下回るなど、伝統的な支持基盤が崩壊している。

 朴大統領の下野を求める声について、同意すると回答したのは67.3%(「強く同意する」が42.6%、「ある程度同意する」が24.7%)に上った。

 一方、夕刊紙・文化日報が公表した世論調査の結果によると、今回の事態の収拾策について、「朴大統領の退陣」を挙げた回答が36.1%で最も多かった。
 回答者の26.1%は与野党の合意で任命された首相に権限を集中させる「挙国中立内閣」の受け入れを、12.1%は朴大統領の弾劾を求めた。

 こうした調査結果について、青瓦台(大統領府)関係者は
 「仕方ない状況だ。
 (支持率が)1桁になるのは時間の問題だった」
として、
 「事態が深刻化しているため、大統領もいろいろな措置を取っている。
 収拾策をまとめるため、熟慮している」
と述べた。

 別の関係者は「朴大統領が最近、対面報告を増やしている」として、
 「新しい首席秘書官はもちろん、青瓦台を離れた参謀とも会い、刷新策について意見を聴いている」
と伝えた。
 今週中に後任の秘書室長と首相の人選を目指す考えという。





● ANNニュース




●【宮家邦彦】朴槿恵さんは今ホントに辛い状況!<2016年10月28日>



Record china配信日時:2016年11月1日(火) 8時10分
http://www.recordchina.co.jp/a153881.html

朴大統領の親友女性に「5人のお抱えホスト」が存在
=暴露報道に韓国ネット「とうとう“喜び組”まで…」「事件のストレスで病気になりそう

 2016年10月30日、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の古くからの友人で、国家機密流出問題の渦中にある女性・崔順実(チェ・スンシル)氏をめぐり、崔氏“お抱え”のホストチームが存在したとの報道がJTBCテレビから飛び出した。

 過去に韓国代表として金メダルを獲得し、崔氏一家とは15年来の付き合いというA氏は放送の中で、「崔氏がホストクラブに通うのではなく、いつでもどこでも呼べば出張してくる5人の男性ホストがいた」と証言した。A氏によると、崔氏が呼ぶホスト5人は「固定メンバー」で、A氏も飲み会の席でホストらの姿を直接目撃したことがあった。崔氏が男性らと会うのは主にソウル・江南地区にあるカラオケ店で、1回の飲食代は400万〜500万ウォン(約37万〜46万円)に上っていたという。また、崔氏は普段から数台の携帯電話を持ち、それぞれ通話する相手が決まっていたそうだ。

 さらにA氏は朴大統領と崔氏との関係について、崔氏が「VIP(朴大統領を指す)が外国に行ってもいちいち(私に)聞いてくる」とぼやき大統領からの質問を「うるさがっていた」と証言した。

 報道を受け、韓国のネットユーザーからは次のようなコメントが寄せられている。

「崔順実の専任ホストが5人だとしたら、朴槿恵には何人いるんだ?いやはやひどい話だよ」
「国の重要な事件だから知らんぷりもできないし、ストレスで病気になりそう」
「鳥肌ものだ。朴槿恵も必ず捜査すべき」

「どんどんすごいことになっている。こっちが恥ずかしいよ」
「とうとう“喜び組”まで出てきたか」
「おばさん、人生を実に楽しんでるね」
「下品中の下品。汚らわしい」

「順実は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)よりひどいな」
「朴槿恵はこんな女とこそこそどんな話をしてたんだろう」
「B級ドラマでも我慢ならずにチャンネルを替えたくなるほどのシナリオだな」
「文句を言わずにいようと思っていたけど、これはさすがに…吐きそう」

 一般人がホストをもってもどうということもない。
 しかし大統領が、となるとそうもいかなくなる。
 その辺のところが境目になる。
 ギラード元豪首相にはボーイフレンドがいた。
 時に外遊先にまで連れていった。
 国民はそのことを知っていたが文句はなかった。
 ギラードは独身で、豪にはパートナー制度があって、認められていたからである。
 この記事は三面記事にすぎない。
 

JB Press 2016.11.1(火)  玉置 直司
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48276

韓国大統領周辺の醜聞、発火点は名門・梨花女子大
疑惑の女性の娘の入試疑惑で設立以来総長も辞任


●韓国ソウルで行われた朴槿恵大統領の機密漏えい問題に対する抗議デモで、朴大統領(右)と崔順実氏のマスクをかぶってポーズを取る参加者たち〔AFPBB News〕

 韓国の朴槿恵(パク・クネ=1952年生)大統領の周辺で起きている女性実業家を巡る数々の疑惑で韓国の国政は大混乱に陥っている。
 問題の女性は2016年10月31日、ソウル中央地方検察に出頭し、本格的な捜査が始まった。

 今回の問題で世論の怒りを買ったきっかけとなったのは、名門・梨花女子大への「特別入学疑惑」だった。
 梨花女子大は、設立以来の騒動で総長が辞任するなど大揺れだ。
 2016年10月31日午後3時、疑惑の渦中にある崔順実(チェ・スンシル=1956年生)氏がソウル中央地検に出頭した。
 韓国では検察に出頭する際、取材陣が入り口前に「フォトライン」を作り、召喚された人物がここでカメラのフラッシュを浴びる。

■山ほどある崔順実氏への疑惑

 崔順実氏の場合、韓国内での関心がきわめて大きかったため、100人以上の取材陣や「崔順実拘束!朴槿恵下野!」と叫ぶ市民団体関係者が詰め掛け、「フォトライン」周辺は大混乱した。
 崔順実氏はもみくちゃにされて地検の建物に入って行った。

 崔順実氏に対しては、山ほど疑惑が出ている。
 国家機密を含む青瓦台(大統領府)の文書が大量に「民間人」である崔順実氏に流出してのか。
 崔順実氏が青瓦台や政府高官の人事に介入していたのか。
 大企業から巨額の資金を集めて文化、スポーツ関連の財団を設立させ、これらの財団を通して崔順実氏が経営する会社を支援していたのか・・・。
 疑惑は次々と出てきて、韓国社会全体が騒然としている。

 日本のメディアでも詳しく報じられている通り、崔順実氏と朴槿恵大統領の関係は、崔氏の父親の時代からのことで、もう40年以上になる。
 この間、何度も、「異常な関係」との指摘を受けてきたが、大統領は強く否定してきた。
 一般の国民から見れば、「崔氏にかかわる疑惑」には半信半疑で、「前にも何度も聞いたことではないのか?」という雰囲気もあった。

■梨花女子大の熱い夏

 こんな反応を一変させ、世論の怒りに火をつけたのが、「梨花女子大問題」だった。
 梨花女子大は、2016年夏、創立以来の混乱に陥っていた。
 2016年7月15日、韓国の教育部は、社会人学生などを対象とした「生涯学生過程」を新設する大学として梨花女子大などを選定した。
 さまざまな理由で大学に進学しなかった社会人を受け入れる新学部の認可だった。
 梨花女子大は、「未来ライフ学部」新設を申請していた。
 この構想が、学生や卒業生の強い反発を招いた。
 梨花女子大と言えば、韓国で最も伝統がある女子大だ。
 最近でこそ、女子大人気のかげりで「難易度」は以前ほどではないが、学生や父兄、卒業生の愛校心とプライドは高い。
 厳しい大学入試を勝ち抜いて梨花女子大学に入学したのに、社会人が比較的簡単に入学できる学部を新設することに対して強く反発したのだ。

 学生有志は7月28日から学内ろう城に入った。
 名目は、「政府の補助金や社会人からの学費をあてにした安易な新学部の設置は、教育の場を金儲けの場に変える暴挙で断じて許せない」ということだった。
 学生の言い分にも一理はある。
 新学部を推進した総長は、決定を急ぎ、学内や卒業生への説明が足りなかった面もある。
 それでも学生のろう城に対しては、「結局、梨花女子大の卒業証書の価値が下がることを恐れた既得権者のわがまま」という批判もあった。
 ともあれ、ろう城は延々と続き、大学は結局、新学部の設置計画を取り下げた。
 それでも学生は、総長の退陣を要求してろう城を続けた。
 総長も一歩も引かず、事態は泥沼化していた。

■こう着状態にメガトン級疑惑

 そんな中で、突然、メガトン級のスキャンダルが飛び出した。
 崔順実氏の娘の「入学疑惑」だった。
 崔順実氏の娘は、乗馬選手だ。
 高校生だった2014年の仁川アジア大会では団体競技で金メダルを獲得している。
 この娘は2015年春、梨花女子大に入学した。
 優秀なスポーツ選手を対象とした特別入学枠での入学だった。
 ところが、梨花女子大学は従来、乗馬を該当競技としていなかった。
 急に「乗馬選手」も選抜の対象になり、合格者になった。
 それだけではない。この娘は、入学後も、「競技出場」などを理由に、ほとんど大学に姿を見せていない。
 それにもかかわらず、単位を取得しているのだ。
 「大統領周辺からの圧力があって入学基準が変わり、単位取得でも便宜を与えているのではないか」
 豊富な補助金がつく新学部の設置許可と入学疑惑を結びつける声もある。ろう城していた学生は一気に勢いづいた。
 それだけではない。

■「入試」と「兵役」は韓国最大の関心事

 韓国では、「入試」と「兵役逃れ」にかかわる不正は、国民の圧倒的な関心事だ。
 崔順実氏の娘の問題は、梨花女子大のろう城問題を超えて、全国民的な関心事となった。
 10月19日、梨花女子大の総長は辞任した。
 130年の歴史で、総長が辞任するのは初めてのことだった。
 学内での混乱の責任を取ったが、決定打は、崔順実氏の娘の入学疑惑で学内外から強い疑惑提起と批判を受けたことだ。
 梨花女子大にとっても、創立以来の重大危機になってしまった。
 同時に、この「入学疑惑」が「崔順実疑惑」への国民の怒りに火をつけてしまった。
 「入試」はそれだけ敏感な問題なのだ。
 国民の怒りが高まる中で、メディアも野党も新しい疑惑を次々と暴き立てる。
 出るは出るは・・・。
 崔順実疑惑はこうして、大スキャンダルに発展してしまった。

 10月29日、ソウル市内では疑惑に抗議する集会が開かれた。
 参加者は1万人を超えたという。
 参加者の中には、制服を着た高校生や大学生、一般市民が大勢詰め掛けた。
 一部の反政府市民団体による「政権打倒集会」とは全く違う様相になった。
 「不正入試疑惑」がその引き金になったのだ。

 10月31日、崔順実氏が検察に出頭した日、韓国の教育部は、梨花女子大に対する「特別監査」に着手した。
 崔順実氏の娘は、高校時代にも出席日数不足が問題になった。
 これを注意した教師がいたが、崔順実氏が学校に出向いてこの教師を罵倒したとの報道もある。
 さらに複数の教師に現金の入った封筒を渡そうとした。
 相当な「モンスター」ぶりだが、高校時代の疑惑についてはソウル教育庁がすでに調査に入っている。
 梨花女子大学はこれまで、学内規則にしたがって処理してきたという立場だ。
 これに対して教育部は、崔順実氏の娘が入学した過程と入学後の単位取得について徹底的に調査する。
 韓国メディアは「場合によっては、入学取り消しもある」と報じている。
 今回のスキャンダルの発火点は、梨花女子大だったとも言えるのだ。



Record china配信日時:2016年11月2日(水) 1時20分
http://www.recordchina.co.jp/a153951.html

韓国・朴政権の政治スキャンダル、
「まるでテレビドラマのような急転直下」―米メディア

 2016年10月31日、環球網によると、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の親友で「影の腹心」と言われる崔順実(チェ・スンシル)氏が機密文書を受け取り、国政に関与した疑いが強まっているが、米メディアは騒動について「まるでテレビドラマのようだ」と報じている。

 米ワシントン・ポストは、機密文書の流出や派閥政治、大統領府の関与する財団資金の流用、さらにはシャーマニズムと、朴槿恵大統領が窮地に陥っている政治スキャンダルについて、「ドラマのような急転直下ぶり」と報じた。
 朴大統領は自身の首席秘書官たちには冷淡だったが、正式な政治的立場にない崔順実氏の助言には熱心に耳を傾けていたという。

 英フィナンシャル・タイムズは、韓国国内の一連の報道から、韓国国民は「大統領はペテン師の影響下にあった」と見ていると報じ、韓国初の女性大統領はもはや自由に政治を行うことはできないだろうと伝えている。



ダイヤモンドオンライン 2016年11月2日 武藤正敏 [元・在韓国特命全権大使]
http://diamond.jp/articles/-/106596

韓国、機密漏洩問題で「統治不能」の絶体絶命


●朴槿恵大統領が、親友とされる崔順実氏に機密文書を流出させた問題で、街頭には退陣を要求する数万人規模のデモが繰り広げられている Photo:Yonhap News/Aflo

 朴槿恵・韓国大統領が、親友といわれる崔順実(チェ・スンシル)氏に機密文書を流出させた問題で、重大な危機を迎えている。
 検察当局は、大統領府への強制捜査に踏み切り、資料を押収した。
 崔順実氏は検察に呼び出され、逃亡の恐れがあるとして身柄を拘束され、逮捕された。

 朴大統領に対する支持率は10.4%にまで急降下し、首都圏では一桁にまで落ちた。
 街頭には数万人規模のデモが繰り広げられ、朴大統領の退陣を要求している。
 朴大統領がこうした窮地に陥った背景、この窮地にどのように対処しようとしているのか、今後の韓国の政治、安全保障をどう見るのか。
 今後紆余曲折は大きいと思われるが、とりあえずの所見を申し述べたい。

■謝罪会見にも納得せず
大統領退陣要求デモも

 朴大統領の青瓦台(官邸)が政府の機密情報を民間人である崔順実氏に漏らした問題は、崔氏が設立したミル財団(文化支援財団)とKスポーツ財団(スポーツ支援財団)をめぐる疑惑を韓国のメディアが追っている中で明るみに出た。
 二つの財団は短期間のうちに財界から800億ウォン(72億円)の寄付金を集めたことから青瓦台が財閥系企業に働きかけたことが疑われている。
 加えて、崔氏は側近を財団の理事や職員に送り込み、崔氏が実質的に所有するドイツと韓国の会社を通じ財団の基金を引き出す手法で財団を私物化したとして、資金の流用疑惑が浮上している。

 崔氏は財団を巡る疑念が明るみに出ると韓国を出国し、ドイツなどに潜伏していたといわれる。
 しかも、ドイツへの逃亡には青瓦台の職員の関与を指摘する向きもある。
 崔順実氏は事態が朴大統領に及ぶと緊急に帰国し、検察の出頭要請に応じた。

 韓国のマスコミは、財団疑惑を調査する過程で、崔氏が事務所ビルの管理人に処分を依頼していたパソコンの中に、大統領の演説文など44個の文書が保管されているのを発見した。
 そして、この演説文に崔氏が筆を入れ修正していたと指摘されている。

 文書漏洩が発覚した翌日、朴大統領は事態の早期収拾を図るため、謝罪会見を行ったが、大統領を補佐するスタッフが揃うまで、一時的アドバイスを受けていたものであると説明した。
 しかし、こうして大統領の説明を国民は納得せず、かえって怒りを増幅させ、大統領支持率は10.4%と謝罪会見のときよりも下落した。
 それと呼応するように、大統領の退陣を要求する大規模デモが頻発するようになった。

 この問題が発生した日、筆者は韓国の元閣僚や、元青瓦台高官と日韓政策対話を行っていたが、その中で韓国の国内政治の専門家は、
 支持率が20%以下になると統治不能になる。
 そもそも現在の国内政治に対する国民の不満は高まっており、来年の大統領選挙に向けて野党の主要候補者の合計支持率は50%を超えていた。
 この朴大統領のスキャンダルで与党への一層の反発が高まるであろう。
 一旦野党に政権が移れば10年は野党の政権になるのではないか」
と懸念を表明していた。

■韓国民主主義の崩壊
民心の怒りが臨界点に

 崔順実氏に渡った文書の中には、北朝鮮との極秘接触を示す資料など、最高レベルの外交や安全保障などの国家機密が含まれていたという。
 何故、このような国家機密が一民間人に渡ってしまったのか。
 二人はどのような関係にあったのか。

 崔順実氏は故朴正熙大統領とも親しい関係にあった宗教指導者崔太敏氏の娘である。
 崔太敏氏は朴大統領の母、陸英修女史が暗殺された後、「陸女史が夢に現れ、朴槿恵氏を助けるよう言われた」として近づき、故朴正熙大統領の不慮の死後、故朴正熙大統領の側近が次々と朴槿恵氏の下を離れていく中、朴槿恵姉弟の困難な時に支えてきた人である。
 崔太敏氏を通じて崔順実氏も朴槿恵氏を姉と呼ぶまでに親しくなった。
 朴槿恵大統領は自身の妹や弟とも疎遠な関係にあるといわれており、崔順実氏は心を許せる数少ない人である。

 そうした40年来の縁から、朴槿恵大統領が全幅の信頼を置き、青瓦台にも出入りし、大統領の演説原稿から、人事服装に至るまで身の回りのあらゆることに関与する『陰の実力者』であったといわれる。
 朴大統領に対する抗議デモの人々は、崔氏が朴大統領を操っている格好をし、一民間人が大統領を陰で操っていることに憤っているのであり、これは韓国の民主主義の崩壊を意味すると怒っているのである。

 朴大統領に対する支持率が急降下した背景には、
 「(大統領が)国政運営の最高責任者としての道徳的権威と正当性を完全に失ったからである。
 このような植物大統領が国政の主導権を取り戻すことははかない夢だ」(中央日報社説)
との指摘がある。

 筆者も、日韓政策対話の機会に、韓国では大統領の支持率が下降した際に、たびたび北朝鮮が挑発行為などを繰り返し、それが韓国国民を大統領の下に結束させ、支持率回復のきっかけとなったが、今回もそうしたこと起きる可能性はないかと質問した。
 しかし、韓国側出席者の答えは、今回の国内政治状況は、朴大統領の信頼が失われたという意味で、より深刻であるとのことであった。

 確かに、今回の大統領支持率下落には従来の固定的な支持層であった、中高年層や慶尚道地域の人々が大挙して離反していることがあげられる。
 また、朴政権誕生の立役者である「7人会」の人々も
 「裏切りまで感じる」
 「大統領の言葉を国民が信じるだろうか」(東亜日報)
と嘆いている。
 「今は地域・世代・理念に関係なく誰も朴大統領の肩を持たない、
 民心の怒り指数が臨界点を超えているのである」(中央日報)。

■一部の金持ちに対する
「7放世代」の不満

 国民が朴大統領に対する信頼を失ったのには、朴大統領のスタイルも多分に関係していると思う。
 朴大統領は人間関係が得手ではない。
 夜は多くの人と会食し意見を聞くでもなく、一人公邸に引きこもり、食事しながら資料を読み、秘書官や閣僚に疑問点や指示を電話で行っていたようである。
 朴大統領には、信頼し任せることのできる部下も少なく、あらゆることを自分で決断しようとしたようである。
 そうした中、政府とは関係のない、崔順実氏のような親しい民間人を密かに重用したため、政治プロセスには透明性がなく、あたかもその人に操られるように政権運営をしていると思われているのであろう。

 加えて、現在の韓国の政治・経済は多くの国民にとって、不満が極限に達している。
 韓国には「7放世代」という言葉がある。
 「恋愛・結婚・出産・マイホーム・人間関係・夢・就職」の7つを諦めた世代
という意味である。
 韓国の若者は大学進学まで、家族全員であらゆることを犠牲にして有名大学に進学しようとする。

 しかし、大学を出ても良い就職口はなく、人生の希望を失うのである。
 家族の夢も奪うのである。
 若者はその責任を一身に背負うことになる。
 大韓航空のピーナッツ姫の航空機引き返し事件が大騒ぎとなったのは、一握りの財閥や金持ちだけが良い思いをしているという庶民の不満が昂じたものである。
 格差是正、財閥支配の打破を旗印に大統領に当選した朴槿恵氏が、自分たちのために何もしてくれない、密室政治でその姿が見えないという不満である。

 大統領はこうした事態に直面し、青瓦台の大統領秘書室長はじめ首席秘書官全員に辞表提出を命じた。
 確かに崔順実氏の財団設立に関与したことが疑われる首席秘書官などはおり、機密文書の漏えいも青瓦台高官の関与がなければできなかったであろう。
 さらに、朴大統領のイエスマンとなっている黄教安首相も交代させるようである。
 しかし、韓国国民はこうした人事の刷新だけでは納得していない。
 事態の責任は朴大統領自身にあると考えられているからである。
 だが、これまで韓国で大統領が自ら辞任したケースはない。

■「挙国中立内閣」の設立呼びかけ
局面の打開はあるのか

 これまでも、政治空白の期間はあった。
 盧武鉉大統領が国会で弾劾された時である。
 その時、高建(コ・ゴン)首相は大統領権限代行を引き受け、憲法裁判所が弾劾案を棄却するまで63日間にわたり国政を率いた。
 国防部次官に全軍指揮警戒例を出すよう指示し、外交部長官には各国大使に会って政策の変化がないことを伝えさせて対外信用度を管理、警察には警戒態勢強化を指示した。
 経済副首相は格付け期間や海外投資家の信用確保に努めた。

 当時の高建首相はソウル市長も務めた政治のプロであり、人望もあった。 
 そのような人を探すのは容易ではない。
 一方、現在の黄教安首相は朴大統領の言いなりになっており、政治的に指導力を発揮することは難しいであろうというのが韓国政界、マスコミ界の評価であり、交代論の起きる所以でもある。

 現在の韓国情勢は、北朝鮮が挑発行為を繰り返し、安全保障上の危機はこれまでになく高まっている。
 北朝鮮の核や、より長距離飛行が可能で発射台を特定しにくいミサイルの実戦配備が近づいている。
 地上配備型迎撃ミサイルシステム(THAAD)の韓国配備を巡って、米中の間で苦悩している。
 韓国にとって重大な決断が求められる問題が山積している。

 米国では大統領選挙が迫っており、選挙後には日米韓協力体制の維持強化も緊急の課題である。
 韓国経済も成長率が落ち、赤字企業が増大するなど、早急のテコ入れが必要な時である。

 慰安婦問題については淡々と合意の履行を図っており、存命の元慰安婦46人中、共同生活をしていない人の多くは合意を受け入れる意向のようであり、このまま進めば、韓国国内でこの問題は解決したとの雰囲気になるところであるが、挺対協などの妨害が入らないことを願うばかりだ。

 とにかく、この時期に長い政治空白は許されない。

 こうした事態を受け、韓国の野党は「挙国中立内閣」の設立を呼び掛けており、与党もこれに応じる意向といわれる。
 その場合には、与野党が受け入れられる首相を任命し、閣僚も保革双方から起用することになる。

 しかし、野党の最も有力な大統領候補である文在寅(ムン・ジェイン)氏は北朝鮮とは対話を優先する考えであり、日本との関係でも歴史問題、人道問題を追及する姿勢をこれまで取ってきたので、朴政権の政策とは相容れない。
 「挙国中立内閣」という形は作ったにせよ、政策を調整することは容易ではないと考えられる。
 朴大統領としても自身の意向が反映されない内閣ができれば、ますます「死に体」政権になることは明白であり、とても同意できるものではない。

 もはや、朴大統領にとっても進退が極まった状況になりつつあり、局面打開の糸口も見いだせていない。
 すでに朴大統領と国民の意識とは遊離しているだけに、国民の声をいかに汲み取っていくか賢明な対応がないと、ますます追い詰められていくことが考えられる。




【身勝手な大国・中国】




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