経済発展はまず韓国から始まり、ついで中国へ、そしていまは東南アジアへ向かっている。
それはさらにインドへ移るとも見込まれている。
日本は経済発展ののち、バブルへ入っていった。
そして、政治的混迷に見舞われている。
この時期、謳われたのは「構造改革」である。
「成長経済戦略」から「定常経済戦略」へのシフトである。
政府自体は郵政改革実行という身を切って、進路を示し、
企業的には経済成長の旗頭であった白モノ家電というローテクからの脱皮によるハイテク化の例がある。
NECや東芝・日立といったところは軒並み家電から撤退した。
パナソニック、ソニーもそれを追った。
家電メーカーはサンヨーやシャープのように身売りすることになる。
パナソニックは家電から自動車装備品メーカーへと転身した。
何事もそうだが、経済も例外ではなくピークがくる。
永久の右上がり的発展はない。
ピークを超えればウエーブは下降に入る。
ここで必要になってくるのが構造改革である。
旧来のものにすがらずに、時の変化に合わせて自ら大きく転身していく力、それが構造改革になる。
それがなされれなければ、かならず零落する。
日本は「成長経済戦略」から「定常経済戦略」へと切り替えを行い、
ローテクの白物家電から撤退しハイテク製品に焦点を合わせた。
この構造改革によって、日本の産業力は維持され、円は「失われた時代」と言われながらも世界の最も安定した通貨としての輝きを失せることなく保持している。
経済成長は日本を発信地にして、韓国に渡り、中国へと移っていった。
経済はピークアウトする。
それも伝搬する。
ピークアウトはいま韓国を襲い、中国に向かっている。
韓国は「政治ママゴト」にうつつをぬかしていた結果、とりとめのない混乱に見舞われている。
「創造経済」という言葉はよかったが、言葉だけで何もしていない。
中国市場に出れば、これまでと同じような甘い蜜が吸える、といった発想しかない。
何かを自ら創りだすという意味ではなかったようだ。
日本が身を切るような構造改革をして持ちこたえが、
韓国は「ヘル朝鮮」と言われるほど没落した。
ということは、次にその流れは中国を襲うことになる。
「新常態」という言葉で低成長を予感しても「構造改革」までには踏み込めないという共産党の内部事情がある。
経済成長が共産党の正当性を実証するものであるかぎり、成長戦略は止められない。
新常態という言葉で
「少し景気が悪くなりますよ、でも少しの辛抱です、
改革が進めばまた成長が見込まれます、
共産党に間違いはありません」
というわけである。
工場から市場へ、生産から消費へ、ローテクからハイテクへ、農村から都市へ、製造からサービスへ、などなどが改革の柱になっている。
だが構造自体は旧来のままである。
これが改革されることはない。
それだと限界がある。
中国はいま、改革路線から旧来の成長路線へと戻りはじめている。
過剰生産を続行してGDPを維持しようとし、ゾンビ企業に金を貸し込んでいる。
ランニングコスト真っ赤っかの、天文的赤字路線の高速鉄道を造り続けている。
そしてさらにリニアモーターカーにまで手を出している。
金食い虫の最たるものは宇宙ステーションの建設である。
くわえて、周辺国への大盤振る舞いの援助融資。
メンツだけで動いている。
いったい何処にそんな金があるのかと頭を捻るほどである。
外資は安い人件費を求めて中国から周辺国へ移動を開始している。
「生産から消費へ」というのは言葉としてはいいが、
基本は生産で稼いだお金を消費に回せ
ということである。
生産で稼げなくなったら、消費もありえない。
いずれにせよ、構造を改革することがなくしては無理がある。
旧来構造の上での組合せ変更だけでは無理がある。
近い将来、中国経済は停滞から抜け出せなくなり、それが引き金になって政治に不安定になる可能性がある。
韓国に起こったことは数年後に中国でも起こり得るということである。
韓国は中国零落のテストケースにもなりえる、ということである。
『
Record china配信日時:2016年10月23日(日) 8時30分
http://www.recordchina.co.jp/a141145.html
韓国で実質的に破綻のゾンビ企業が増加、
日本の約7倍
=韓国ネット「韓国にはゾンビ大統領がいるから」
「韓国経済は破滅に向かっている」
2016年10月19日、韓国・中央日報によると、
韓国のゾンビ企業(実質的に破綻しながらも営業を続けている企業)の比率が「15%」に達する
ことが分かった。
ゾンビ企業は韓国経済の体質を悪化させ、競争力を低下させる主な原因といわれている。
米大手コンサルティング会社「アリックスパートナーズ」の分析によると、
韓国のゾンビ企業の比率は14年10〜12月期は11%だったが、
今年4〜6月期は15%に増加した。
米国のゾンビ企業の比率は5%、
日本は2%に過ぎない。
欧州・中東・アフリカ地域の平均も7%と、
韓国の半分ほどの水準だという。
アリックスパートナーズは
「14年以降、韓国企業の不健全化のリスクは増加しており、特に第3四半期内に倒産するリスクが高い高危険群の比率が急増している。
ゾンビ企業の危機が韓国企業全体に転移する可能性がある」
と指摘した。
』
『
Record china配信日時:2016年11月22日(火) 6時40分
http://www.recordchina.co.jp/a131751.html
中国のゾンビ企業、
2000社を突破、資産は48兆円に―中国メディア
2016年11月19日、経済観察報によると、
中国の中央政府が管理監督する中央企業のうち、2041社がゾンビ企業と化している。
この数には経営状況が極めて悪い企業も含まれており、全体の資産総額は計3兆元(約48兆2700億円)に上る。
中国政府は今年の重点項目として余剰生産能力の縮小、ゾンビ企業の処理を掲げているが、中央企業の関係者は「来年にかけてもゾンビ企業問題への対応は難航する」との見解を表明、三つの大きな困難として債務問題や労働者の雇用問題、資産処理を挙げた。
』
『
朝日新聞デジタル 11/29(火) 15:11配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161129-00000070-asahi-int
万策尽きた朴大統領
特異な政治手法、
知人らの介入招く
韓国の朴槿恵(パククネ)大統領が29日、本来は2018年2月までだった任期の短縮に応じる考えを表明した。
大規模な抗議集会や低支持率、検察捜査などで苦しむなか、国会による弾劾(だんがい)手続きが目前に迫っていた。
ここにきて、与党セヌリ党の「親朴派」議員らも離れ、万策尽きた形になった。
韓国憲政史上、朴氏が任期途中で辞任すれば、李承晩(イスンマン)、崔圭夏(チェギュハ)両大統領に続いて3人目。
1987年の民主化以降では初めてだ。
権力が集中する大統領制度や、一般社会と隔絶された朴氏の特異な政治手法が、チェ・スンシル被告らによる国政介入を招き、大統領の任期途中の辞任という最悪の結果を招いた。
当面は、中立の立場の「挙国一致内閣」が国政を担うとみられるが、与野党の駆け引きもあり、すぐに政治的な道筋が描けるかどうかは不透明だ。
大統領選は来春にも行われることになるが、新大統領が選ばれるまで、韓国の国政は事実上、まひする見通しだ。
』
『
中央日報日本語版 11/29(火) 13:14配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161129-00000026-cnippou-kr
韓経:「崔順実事態」が経済に及ぼす影響を懸念
…OECD、異例にも政治リスク言及
経済協力開発機構(OECD)が来年の韓国の経済成長率予測値を0.4ポイントも下方修正し、経済危機に対する懸念がさらに深まっている。
OECDは特に政治的不確実性を成長率予測値を引き下げた理由の一つに挙げた。
国際機関が韓国の成長率予測値を提示しながら政治リスクを主な要因に挙げたのは異例だ。
専門家は、最近の「崔順実(チェ・スンシル)事態」による国政混乱が経済に転移する可能性を示唆したものであり「懸念が現実化する可能性が高まった」と指摘した。
OECDは28日、来年の韓国経済成長率予測値を3.0%から2.6%に下方修正し、「国内的に政治的不確実性が短期的なリスク要因」と指摘した。
政治の混乱は消費心理に反映されている。韓国銀行(韓銀)が25日に発表した「消費者動向調査結果」によると、11月の消費者心理指数(CCSI)は前月比6.1ポイント低い95.8だった。これはグローバル金融危機直後の2009年4月(94.2)以来7年7カ月ぶりの最低水準。
このためOECDは韓国の経済成長率は2015年(2.6%)、2016年(2.7%予測)に続いて3年連続で2%台になると見方を示した。
来年の成長率予測値を引き下げた最も大きな理由は財政の役割の縮小だ。
OECDは韓国政府の財政支出増加率を今年の3.8%から来年は2.8%に落ちると予想した。
企画財政部の関係者は「その間、内需が停滞し、輸出が振るわない状況で、政府の財政がそれなりに経済成長を牽引したが、来年は今年ほどの役割を果たせないと予想した」と説明した。
実際、今年1-3月期の経済成長率0.5%(前期比)のうち民間部門の寄与度は0で、政府部門が0.5ポイントだった。政府の財政支出がなかったとすれば1-3月期の成長率は0%ということだ。
相対的に楽観的なOECDまでが予測値を下方修正したことで、政府も3%台を守るのが難しいという見方が出ている。
政府は来月、「2017年経済政策方向」を発表するが、成長率予測値も2%台に引き下げる可能性がある。
政府が来年の成長率予測値を2%台と提示すれば、これは通貨危機直後の1999年以来となる。
韓銀のほか多くの国策および民間研究院はすでに2%台に引き下げている。
韓銀は2.9%から2.8%に下方修正し、LG経済研究院・韓国経済研究院は2%台前半を提示している。
3%台の予測は国際通貨基金(IMF、3.0%)と政府(3.0%)の2カ所しか残っていない。
※本記事の原文著作権は「韓国経済新聞社」にあり、中央日報日本語版で翻訳しサービスします。
』
『
ロイター 2016年 11月 29日 16:10 JST
http://jp.reuters.com/article/pmpark-announcment-idJPKBN13O0BX
韓国大統領、辞任含め国会に一任する意向表明
[ソウル 29日 ロイター] -
韓国の朴槿恵大統領は29日、辞任の時期も含めた職務権限の放棄について国会に委ねる意向を示した。
大統領はテレビを通じた演説で「任期の短縮も含め進退問題についてすべてを国会に委ねる」と述べた。
「与野党の議論で政治的混乱と空白を最小化し安定的に政権移譲できる方策を作ってもらえば、法に従い大統領職から退く」
と明言した。
聯合ニュースによると、最大野党「共に民主党」はこれについて、弾劾訴追を回避しようとしているだけだとして批判している。
同党の議員は、辞任時期の決定を国会に委ねれば大統領選挙の日程について議論することになり、全てに遅れが生じることを大統領は認識していると指摘した。
明知大学校の政治学教授も
「大統領は弾劾を望んでおらず、国会がすぐに結論を出すとは考えていないため、事を複雑にして責任の一部を国会に転嫁しようとしている」
と述べた。
朴大統領の進退をめぐっては、与党セヌリ党からも、名誉ある退陣を可能にするような合意の下での辞任を勧める意見が一部で出ていた。
』
『
』
』
『
Record china配信日時:2016年12月4日(日) 6時30分
http://www.recordchina.co.jp/a156610.html
朴槿恵大統領のスキャンダルどころではない!
韓国メディアが自国経済の現状に警鐘
2016年11月30日、米華字メディア・多維新聞によると、韓国で朴槿恵(パク・クネ)大統領とその友人の崔順実(チェ・スンシル)被告を中心とする一連の「崔順実ゲート」が問題となっているが、韓国メディアは「政治どころではない」とし、韓国が置かれた状況に警鐘を鳴らしている。
中国はインターネットユーザー数が世界最多で、IT企業も開発力を高めるなどにより、ネット関連技術ですでに世界をリードする存在になっている。
主要20カ国・地域(G20)のインターネットに関する研究報告書でも、インターネット関連技術の更新が最も著しいのは米国と中国とされている。
韓国メディアは、中国はすでにIT分野で韓国を上回ったとし、崔順実ゲートに集中している国民に向け、
「韓国生存の道に目を向けるべきだ」
と報じている。
朝鮮日報は29日、「中国が韓国を上回ったのは事実」とし、
「韓国は今後、どう生き残っていくのかをよく考えなければならない」
と指摘。
「数年前、当時の貿易協会の責任者が『ごく近い将来、現在韓国が世界1位のIT分野で、中国がわれわれを上回るだろう』と予測していたことが現実になった」
と伝えている。
』
韓国経済は陰に陽に日本のバックアップで成長してきた。
それを自らの力で立ち上がってきたと錯覚して、「日本はもういらない」とした。
反日を高揚して、二国間を分断してしまった。
日本はこのような韓国の態度を容認しはしないだろう。
「もう韓国を信用しない」という判断となり、
お好きに勝手にやったら
ということになってしまった。
信用をうしなった韓国に日本が再び大きく関わることはないだろう。
今後、韓国は自力でやっていくしかない。
日本は政治・軍事がらみでしか韓国をみないようになる。
もはや再び、日本が韓国を好意の目でみることはないだろう。
確かに
日本を失った韓国にとって、韓国は今後、どうやって生き残っていくか、
が目前の問題として浮上している。
『
Record china配信日時:2016年12月4日(日) 7時40分
http://www.recordchina.co.jp/a156579.html
“韓国版トランプ”の城南市長、「朴大統領は日本のスパイ」=過激発言で次期大統領選の有力候補に浮上
2016年12月3日、「韓国版トランプ」登場―。韓国の次期大統領選挙の有力候補として、ソウルに近い城南市の李在明(イ・ジェミョン)市長(51)が注目を集めている。李市長は朴槿恵(パク・クネ)大統領を「日本のスパイ」と非難する一方、財閥解体や北朝鮮との無条件会談などを主張。過激発言で支持を広げている。
李市長は工場労働者出身で、25歳で弁護士となった。人権派弁護士として活動した後、2010年に城南市長に当選、14年に再選された。市の負債を完済するなどの行政手腕を発揮、福祉にも力を入れるなど同市で高い支持率を誇る。
その李市長を一躍有名にしたのは、米国のトランプ次期大統領ばりの過激発言。韓国メディアによると、11月上旬には慰安婦問題について、自身のフェイスブックに「朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領(朴槿恵大統領の父)は日本軍将校出身で、日本軍慰安婦をまねして米軍慰安婦制度をつくった」「慰安婦に対する朴槿恵政府の残忍な措置は米軍慰安婦と無関係だと言えるだろうか?」などと書き込んだ。
日韓両国が締結した軍事情報包括保護協定(GSOMIA)に関しても、「この協定を締結するなら、朴槿恵は大統領ではなく日本のスパイ」と批判。両国がGSOMIAに署名した当日にはフェイスブックで「売国の現場を目撃する気持ちは無残なものだ。軍事的側面から見ると、依然として日本は敵性国家であり、日本が軍事大国化する場合一番先に攻撃対象になる場所は朝鮮半島であることは明らかだ」と訴えた。
さらに、国政介入事件で混乱が続く中、朴政権がGSOMIAを急いだことに言及。「どうやら朴槿恵は父親の祖国である日本のために死ぬ覚悟を決めたようだ。死ぬ覚悟の売国奴にはどうすることが正しいだろうか」などとも糾弾した。
韓国の現状について、李市長は大学での講演で「現在韓国は民主共和国を回復しているのではなく、民主共和国をつくっている最中だ」と指摘。「1%が国を支配する、いわゆる既得権を持った支配層は国民を(国家の)主人ではなく支配対象と見ている。機会と資源、競争が非常に公正でない中で、大多数の国民の生活が荒廃している」と述べている。
聯合ニュースによると、世論調査会社のリアルメーターが11月末に発表した次期大統領選の有力候補の支持率は、最大野党「共に民主党」の前代表・文在寅(ムン・ジェイン)氏が21.0%と4週連続で1位を維持した。国連事務総長の潘基文(パン・ギムン)氏は17.7%で2位。李市長は11.9%となり、第2野党「国民の党」の前代表・安哲秀(アン・チョルス)氏を上回って初めて3位に浮上した。
韓国で朴大統領が条件付きながら退陣表明に追い込まれた背景には、若者の就職難や所得格差の拡大などの不満が渦巻いている。そこにナショナリズムをあおりながら、舌鋒(ぜっぽう)鋭く切り込む李市長は、次期大統領選で“台風の目”的な存在になる可能性をも秘めている。
』
日本と妥協したら政治家としては生きていかれない社会風潮がすさまじく濃厚になってきている。
ただひたすら反日を叫ぶことで生き延びるというのが韓国政治家の生き残りになる。
と同時にそれは韓国経済の崩壊とこの国の崩壊と表裏で一体化している。
天を見上げ大声で反日を叫び、
足元が崩れることに目をつぶって、
じわじわと没落していく国、それが韓国、
ということになりそうである。
それはそれで、その国の生き方である。
『
ハンギョレ新聞 12/5(月) 18:47配信
朴露子(パク・ノジャ、Vladimir Tikhonov) ノルウェー、オスロ国立大教授・韓国学
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161205-00025851-hankyoreh-kr
[寄稿]朴槿惠の最悪の犯罪
統合進歩党は執権与党の親財閥新自由主義や制度圏野党の社会的自由主義とは質的に異なる民衆的「代案」を代表していた。
特定の社会階層の支持を受ける代案的政治勢力を強制的に解散させるというのは、果して民主社会においてあり得ることか?
被告たちが「作った」という RO(「革命組織」)の実体が存在しないということが明らかになり、「内乱陰謀」という恐ろしい容疑内容に対しても無罪が宣告された。
正常でない便法を動員して大統領職を掌握し、その次には民主主義と司法正義の常識を崩壊させたこと以外に「治績」と言えるものがほとんどない政治家が、その国政運営の“秘法”がばれた今、下野は当然なことであろう。
ところで、果して民主主義と司法正義を殺したのは朴槿惠(パク・クネ)一人だったのだろうか?
「チェ・スンシルゲート」を通して私たちは一つの重要な事実を悟ることができた。
実は教科書的な意味での「政府」というものは私たちにはなかったのだ。
「政府」というものが公益のための公機関であるならば、朴槿惠行政府は「政府」とは程遠いものだった。
正確に言えば朴槿惠行政府は、国家情報院の選挙介入という非合法的手段で官僚体系を不当に掌握した私組織に近かった。
権力を詐取したこの私組織は、その後は既に進行中だった大企業による国家私有化の過程で、核心的な連結者として作用した。
チェ・スンシルとその財団が大企業の金をせしめた分だけ、大企業が必要とする許認可と法律が「政府」によって急造された。
この構造では公益に対する考慮というものは立ち入る余地自体がなかった。
大韓民国が財閥と官閥が大株主である一つの株式会社だとすれば、「チェ・スンシルゲート」とは一部の大株主と支配人、そして支配人の側近が、徒党を組んで会社運営を私利私欲の犠牲にした背任事件と言えるだろう。
ところで公共性などほとんど見出せない「株式会社大韓民国」では、このような背任は構造的な問題だ。
大株主と支配人の野慾を牽制できる装置がほとんど存在しないからだ。
大韓民国は概して低犯罪社会だ。
例えば殺人率(人口10万人当たりの殺人事件件数)はスウェーデンやデンマークのようなヨーロッパの福祉国家よりさらに低い。
一般人が犯罪をしでかせば法的処罰を受ける上に、前科者となりその後の人生を二等市民として生きて行かなければならない。
しかし国家権力を掌握した私組織は、犯罪を犯し続けながらもいかなる責任も負わない。
朴槿惠行政府の犯罪性の濃い諸「政策」は、単純列挙するだけでも何枚もの紙が必要なくらいだ。
セウォル号沈没当時の職務遺棄、
国家主権を放棄した戦時作戦権転換の無期限延期、
持ち家のない庶民の住居費を引き上げさせた不動産対策、
ペク・ナムギ氏の命を奪ったデモ鎮圧時の放水車使用、
民主主義と多様性を踏みにじった韓国史国定教科書
…これらの「政策」一つひとつに多くの被害者が続出したのだから、単純に列挙するだけでも気が重くなる。
しかしこれらすべての悪行の中でも、
2013~14年の「イ・ソッキ事件」、すなわち議会の第2野党格だった統合進歩党の法的解散とイ・ソッキ前議員らの拘束と裁判は特筆に値すると考える。
この事件により、1987年の大闘争で勝ち取られた形式的・手続き的民主主義は回復し難い傷を負った。
事実、「イ・ソッキ事件」以後の大韓民国を民主国家と呼ぶこと自体が無理であろう。
民主国家ならば、支配者と考えを異にする民衆勢力に対し、少なくとも合法的な活動空間が与えられる。
2010年代初盤の韓国では、統合進歩党はそのような民衆勢力の中で一番規模が大きかった。
名簿上の党員数は10万名に達し、総選挙での得票率は約10%、議席数13を保有していた。
党幹部の相当数は労働組合や市民団体で影響力を持っていたし、党代表だったイ・ジョンヒは大衆性の強い著名な政治家だった。
党の明確な支持基盤は一部の組織労働者と学生時代に政治闘争の経験を積んだ一部の30~40代の高学歴者だった。
そして社民主義的再分配政策と民族国家完成を志向する要求(米軍撤収、南北統一の方向に進むための一連の政策)との混合である統合進歩党の綱領は、総じて支持階層の要求を正確に標榜していた。
再分配政策、すなわち各種の社会賃金(福祉費用)の増加は当然被雇用者に有利であり、民族国家完成、そして世界的新自由主義の本山である米国に対して距離を置くことを志向するのは、いろいろな面で国家の再分配機能強化と不可分の関係を持つからである。
一言で言えば、統合進歩党は現実政治において執権与党の親財閥新自由主義や制度圏野党の社会的自由主義とは質的に異なる民衆的「代案」を代表していた。
ならば、特定の社会階層の支持を受ける代案的政治勢力を強制的に解散させることは、果して民主社会においてあり得る事か?
民主主義とともに、国家を掌握した私組織の犠牲にされたのは司法の正義だ。
民主国家の特徴は司法府の独立性と政治的中立性だが、統合進歩党を強制解散させ国民の選んだ国会議員の議員職を剥奪した憲法裁判所は、もはや政治的に中立ではなかった。
司法を装った政治的弾圧の最も露骨なケースは、イ・ソッキ前議員とキム・ホンヨル、イ・サンホ、チョ・ヤンウォン、ホン・スンソク、キム・グンレなど統合進歩党の幹部たちに対する裁判であった。
裁判過程で国家情報院と検察の主張の核心的部分が事実上虚偽であることが判明した。
被告たちが「作った」というRO(「革命組織」)の実体がなかったことが明らかになり、「内乱陰謀」という恐ろしい容疑内容に対しても無罪が宣告された。
イ・ソッキ前議員の逮捕当時にマスコミが特筆大書した「対北連携」も、結局どこにも見つからなかった。
にも拘らずイ・ソッキ前議員は1審で10年の刑を宣告され、控訴審で9年の刑を宣告された。
判決で言及された彼の「犯罪」内容は、-全世界が反人権的だと見ている国家保安法に対する違反以外には-「内乱煽動」だ。
120人余りに対して行なった90分の情勢講演の録音テープに基づいて、殺人者や強姦犯が受けるような重い刑量を宣告することは、果して司法を装った政敵除去でなければ何なのか?
その上、問題のテープが公安機関によって多くの箇所が変造されている点まで念頭に置けば、このような裁判は司法正義の死亡を語っているものとしか考えられない。
この文を書いている今、韓国内の各都市で「朴槿惠下野せよ!」という力強い喊声が聞こえている。
正常でない便法を動員して大統領職を掌握し、その次には民主主義と司法正義の常識を崩壊させたこと以外に「治績」と言えるものはほとんどない政治家が、その国政運営の“秘法”がばれた今、下野は当然なことであろう。
ところで、果して民主主義と司法正義を殺したのは朴槿惠ただ一人だったのだろうか?
最近出版された「イ・ソッキ事件」を扱った本『イカロスの監獄』を、今読んでいるところだ。
この事件に関連するほとんど全ての資料を念入りに集めたこの本を読んで見れば、朴槿惠私組織の民主主義と司法秩序の破壊に幾多の協力者がいたということがよく分かる。
「イ・ソッキ裁判」の過程では、ROの実体がなく、また問題の情勢講演のあった行事が「秘密会合」ではない定期的な政党行事であったという部分まですべて明らかになったけれども、イ・ソッキ事件が持ち上がった当時は、朝鮮日報や韓国日報など多くの新聞が国家情報院が執筆した「イ・ソッキ内乱陰謀」小説を事実であるかのように報道した。
情報機関とマスコミが政言癒着を成し一緒になって政権の政敵に対する従北攻撃(北朝鮮に賛同追従する勢力だという攻撃)や公安政局作りに出るならば、民主主義や基礎的な人権常識がまともに残り得ようか?
民主国家における人権常識である無罪推定の原則が、根拠のない嫌疑を有罪判決が出たかのように報道するマスコミによって破壊されてしまった。
もう一つの民主主義の堡塁である国会は、早々と従北魔女狩りの前に降伏してしまった。
2013年9月4日に行われたイ・ソッキ逮捕同意案の国会投票では、反対票は14票にとどまり与党はもちろんのこと野党民主党と正義党さえ賛成を党論として決めるほどに公安一色ムードが広がっていた。
現在朴槿惠下野を要求している野党らは、当時は事実上朴槿惠徒党の政敵除去を手伝っていた。
また検事や判事など司法府は、朴槿惠の反人権的従北狩りの先頭に立っていた。
朴槿惠一党が「イ・ソッキ事件」を含め反民主、反人権の暴挙にこれほど容易に乗り出せた背景には、韓国「主流」の古くて古い反民主性、反民衆性があった。
高級公務員や巨大マスコミから制度圏野党に至るまで、財閥と朴槿惠-チェ・スンシル徒党による国家の私有化よりも。民衆の政治勢力化の方をはるかに恐れたようだ。
私たちが本格的な変化を願うなら、にせものの大統領の退陣、「イ・ソッキ事件」の被害者を始め良心囚の釈放だけでなく、朴槿惠徒党の協力者に対する責任追及も要求しなければならない。
』
【身勝手な大国・中国】
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