2016年11月11日金曜日

トランプ大統領とは(3):米国民はヒラリーを支持した、選挙制度はトランプを支持した、この矛盾をどうする!

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 wikipediaによれば、2人の得票数はクリントン勝利の
★.クリントン:59,943,017
★.トランプ :59,705,048
★.開票数約1億2000万票からみると「約24万票差」僅差と言っていい。
 不在者投票なども加わるため、全体の数字はこの後変動する。

 獲得した選挙人数は、クリントン大敗北
★.クリントン:232人
★.トランプ :306人、
その差は「74人」に上る。
 総数538人で74人圧倒的大差である。

 通常の「一人一票」選挙ならクリントンの勝利になる。
 クリントンは選挙制度の壁に敗れた
ともいえる。
 果たしてこれが民主選挙といえるのだろうか。
 民主的選挙にするための努力はなされるのであろうか。
 そういうより良い常識方向は向かおうとするパワーを今のアメリカは持ちあわせているのであろうか。
  アメリカが強く生まれ変わるのは
 「スーパー・チュースデイ」ではなく、「スパー・サンデイ」であり、
 「選挙人総取り州選挙」ではなく、「国民一人一票選挙」である。
 金持ち選挙ではなく格差なし選挙である。
 上層部の意見だけで決める選挙ではなく、上から下からの総階層選挙である。
 それを行う必要に迫られているのが今のアメリカである。
 トランプは時代錯誤の遺制でギリギリ勝っただけである。
 薄氷の勝利にすぎない。
 本当ならヒラリーなのである。
 日本でも「一票の格差」が言われているが、それと同じことがアメリカでも起きている、ということである。

 ヒラリー圧勝を唱えたメデイアもいい加減なら、
 「トランプが勝つと思っていた」などとゴロンと態度を翻した連中も節操がない。
 得票からいけばどちらが勝っていても不思議ではないのである。
 まさに、僅差のトランプ勝利なのである。
 ちなみに得票率は「トランプ:ヒラリー=47.5:47.7」である。


AFP=時事 11/24(木) 9:52配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161124-00000006-jij_afp-int

クリントン氏の得票数リード、200万票超に拡大 米大統領選

【AFP=時事】
 今月8日に行われた米大統領選の開票で、敗れた民主党候補ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官の得票数でのリードが200万票を超えたことが23日、米インターネットメディア「クック・ポリティカル・リポート(Cook Political   Report)」のまとめで明らかになった。
 今回の選挙では、共和党候補の不動産王ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が選挙人の過半数を獲得して当選を決めており、クリントン氏は9日に敗北を認めている。

 しかしクック・ポリティカル・リポートが公式データを基に集計した最新の一般投票の得票数は、
★.トランプ氏の6221万2752票に対して
★.ヒラリー氏6422万7373票と、
勝者を敗者が1.5%上回っている。

 米大統領選で、民主党候補が得票数で上回ったにもかかわらず落選したのは今世紀に入ってから2回目。
 2000年には民主党候補のアル・ゴア(Al Gore)氏が共和党候補のジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)氏を約54万4000票上回ったものの、敗北している。

 得票数の差がわずかだったフロリダ(Florida)州の選挙結果について、連邦最高裁がブッシュの勝利につながる判決を下したため、同氏が過半数の選挙人を獲得して当選した。



CNN.co.jp 11/24(木) 10:25配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161124-35092630-cnn-int

クリントン氏のリード、
180万票に拡大 再集計求める声も

ワシントン(CNN) 
 今月8日に投開票が行われた米大統領選で、民主党のヒラリー・クリントン氏の得票数が共和党のドナルド・トランプ氏に対し200万票近くリードしていることが24日までに分かった。
 ただし、大統領選は各州に割り当てられた選挙人を積み上げて、過半数の270人以上を獲得した方が勝者となるため、選挙戦はトランプ氏の勝利となっている。

 クリントン氏の側近や支持者の一部からは、得票数の差はトランプ次期大統領への国民からの信任は不十分だと考える根拠になると指摘する声も上がっている。

 AP通信によれば、23日午後の時点で、クリントン氏の得票数は6396万4956票だったのに対し、トランプ氏は6213万9188票で、約182万票の差がついている。

 クリントン候補の敗北の大きな要因は「ラストベルト(さびついた地帯)」と呼ばれるミシガン、ペンシルベニア、ウィスコンシンの3州での票の伸び悩みだった。
 ペンシルベニア州とウィスコンシン州ではトランプ氏が勝利し、接戦だったミシガン州では投票後2週間以上が経過した今も、勝者が確定していない。

 一部の専門家からは、開票に何らかの問題があったか、不正行為が行われた可能性があるとして、クリントン陣営に対し、票の数え直しを求めるべきだとの声も上がっている。




ダイヤモンドオンライン 2016年11月11日  藤崎一郎 [前駐米大使・上智大学特別招聘教授]
http://diamond.jp/articles/-/107349

トランプがつかんだ米国庶民の本心、
前駐米大使が語る

■ワシントンの中心からは
わからなかった本当のアメリカ

 思わぬ結果である。
 選挙は水物というが本当だった。
 なぜこうなったか、どうすればいいか、考えてみよう。

 今年4月にアメリカに行った。
 ワシントンで、私が駐米大使を務めていた頃から旧知の元議員、長官などの高官、シンクタンクの友人らと会った。
 ずいぶんたくさんの人に会ったが共和党の人を含め誰一人トランプ支持者はいなかった。

 一方、飛行場でトランプの本を求めた。
 機中で読んでいると年配のCAたちが「それいいでしょ」と寄ってきた。
 ヒラリーは信頼できないけれどドナルドは正直そうだと言う。
 アマゾンでほかのも取り寄せて読んでみた。
 似たようなものだ。
 つじつまの合わないところもあるが、とにかく格段に読みやすく数時間で読める。

  「そうか、495ベルトウェイ(ワシントン周囲の環状高速道路495号線)の中にいると本当のアメリカはわからないというのはこのことだったんだな」
と実感した。
 米国全州を回ったが、多くの場合に会うのは指導層の人ばかりで、街の人と政治談議することは少なかったので、目からウロコが落ちる気がした。

■巧妙に“いいとこどり”した
トランプの選挙戦

 トランプ勝利の理由は、オバマが8年前に勝ったときと同じだ。
 アメリカ国民がチェンジを望んだからだろう。
 クリントンは8年前同様「継続の旗手」に仕立て上げられた。
 底辺に米国民の格差拡大、生活が向上しないことへの不満があることは確かだ。

 しかし、その上、トランプはじつに巧妙に“いいとこどり”した。
 共和党のこれまでの基本政策の小さな政府を前面に押し出さなかった。
 社会保障の維持、
 金持ちへの増税・中低所得者への減税、
 自由貿易反対
は、むしろ民主党寄りの政策である。
 他方、
 国家債務の減少、
 移民・マイノリティなど弱者への配慮過多の抑制の必要
については従来からの共和党のスタンスを維持した。
 一言でいえば国民の聞きたがっている音楽、内向きのメニューをうまく取り揃えたのだろう。

 メディアは歳入を減らし、歳出を維持するのでは収支が合わないと追及したが、彼はメディアの偏向と切り捨てた。
 実際にメディアはエスタブリシュメントの側で御託を並べると思っている庶民は喝采した。
 LGBTなどの少数者、アフリカ系、女性などへの配慮をすべきであるという、いわゆる政治的正しさ(Political Correctness:PC)は近年のアメリカを広く覆っていた。
 これについて相当数の国民にやれやれという疲労感があることをいち早く見抜き、正面からタブーに挑戦したことも奏功したようである。
 女性スキャンダルも強気にはね返した。

 ヒラリーはEメール問題、クリントン財団問題、ウォール街との関係などで攻撃され続けた。
 ボデイブローが効いていた上、選挙間近のFBIIのEメール問題調査再開は相当なダメージとなった。
 投票直前に訴追せずの結論をFBIは発表したが覆せなかった。
 期日前投票も影響しただろう。
 獲得票数では上回ったが選挙人獲得数で及ばなかった。

 多くのメディアが読み間違ったのはいわゆる「隠れトランプ」が多かったからといわれる。
 人種差別主義者、女性軽視と批判され続けてきたトランプ支持を表明するのははばかられたのだろう。

■先入観を捨て
新しいアメリカと向かい合う

 さてこれからである。
 選挙戦中、
 プーチン礼賛、
 同盟国への負担増要求、
 日本や韓国が核兵器を持っても結構
だとかの発言があった。
 だから戦々恐々としている向きがあるのも事実だろう。

 私は2008年の大統領選挙中に、ワシントンに着任した。
 各国大使とジャーナリストの懇談会があった。
 どっちの候補がいいと思うか、各大使に質問された。
 私は「それはクリスマスプレゼントみたいなものだ」と述べた。
 「その日まで何も言わずに、クリスマスの日に箱を開けてちょうど欲しかったと言うんだ。
 だってそれしかないじゃないか」。
このジョークは受けた。

 本音でもある。
 選択するのは、アメリカ国民であり、ほかの国は、その選択を祝福し、受け入れるしかない。
 アメリカだけではない。
 日本だって中国だってその国の中で指導者を選び、その人と国際社会はつきあうのである。

★.重要なことは、まずは先入観を捨てることである。
 トランプが候補者として言ってきたことはよく知っておく必要があるが、それに一言一句とらわれないことである。
 新しいアメリカとどういう関係をつくればいいか考えるべきである。
 いろいろな政策の変更はあろう。
 しかしアメリカにとっても同盟国は大事なはずである。
 米軍などもこうしたブリーフをするだろう。
 日本も日米関係の重要性をトランプ陣営に早めによくインプットしていくべきだろう。
 その意味で早くも電話会談が行なわれ、次週には実際の会談をする方向で調整することなったことは大きい。

 トランプショックの衝撃波は日本だけでなく世界各国が同時に受けた。
 各国とも新しいアメリカとの関係を模索するであろう。
 その中でトランプ政権にオープンなスタンスで対応することが日本の国益となろう。

★.第二に、これまで民主主義、自由貿易の旗手であるアメリカという大樹があった。今まで甘えがあったとは言わないが、世界はアメリカをリーダー国として当然視していた傾向はある。
 米国第一というのはブッシュ大統領等も言ってきたことであり、別に目新しいことではない。

 だが今後日本は、
★.アメリカは自国の利益を優先する「普通の国」なのだという認識を新たにしつつ、
 どんな事態にも対応できるように、自ら中長期的な外交安全保障政策を考えていく必要があろう。



ウォール・ストリート・ジャーナル  2016 年 11 月 11 日 13:33 JST
http://jp.wsj.com/articles/SB11842517604067003472604582429323616593042

【社説】トランプ氏のアジア戦略、進むべき道は

 ドナルド・トランプ次期米大統領は台頭する中国を前に、アジアの同盟諸国に自立の道を歩ませるのだろうか。
 それとも、中国の野心を同盟諸国と一緒に抑えようとするのだろうか。
 トランプ氏と陣営アドバイザーは選挙活動中、一貫性のないメッセージを発信してきた。
 次期大統領としてトランプ氏は、米国の決意をあらためて伝えるために迅速に動く必要がある

 今年4月、トランプ氏は日本と韓国が独自に核武装したほうが「北朝鮮から身を守る上で得策」だと述べた。
 両国はすでに、北朝鮮から核攻撃を受けた場合に米国が本気で反撃に出るのか懸念を抱いていた。
 トランプ氏の発言に同盟諸国の懸念は強まり、恐らく北朝鮮は勇気づけられたことだろう。

 とりわけ韓国は今年、中国からの外交的・経済的圧力をはねつけ、米国のミサイル防衛システムの配備を決めただけに、憤りを感じたとしても不思議ではない。
 朴槿恵(パク・クネ)大統領は米国からの求めに応じ、かつての植民地支配者である日本と軍事機密情報の共有を始めるという政治的にリスキーな決断を下した。
 韓国は近年、国防費を著しく増やしている。選挙中のトランプ氏の発言とは異なり、韓国は米軍駐留経費を年間9億ドルも負担している。

 日本もまた国防費を増額している。
 長期的には、現在の対国内総生産(GDP)比1%を大幅に超える水準に拡大する必要がある。
 だが、それは国内や周辺地域からの反発により、段階を踏んだプロセスとなろう。
 安倍晋三首相は防衛費の増額と、日米同盟をより対等なものにすることの両方を目指しており、トランプ氏の批判は的外れだ。

 手短に言えば、北東アジア地域の安全保障の現状は欧州とはかなり異なっている。
 欧州では、北大西洋条約機構(NATO)加盟国が米国の安全保障の傘の下で「ただ乗り」しているとの主張も出来るだろう。
 トランプ氏の名誉のために言っておくと、選挙後は友好姿勢を打ち出しているようにも見える。
 10日に韓国の朴大統領と電話会談したトランプ氏は、両国間の条約義務を引き続き果たすと伝えた。
 1週間後には安倍首相と会談予定だが、トランプ氏は同様の姿勢を示す公算が大きい。
 米国はアジアの安全保障体制を維持もしくは強化すると公式に表明すればなお賢明だ。

 トランプ氏のアドバイザーを務めるアレクサンダー・グレイ氏とピーター・ナバロ氏は7日発行の外交専門誌「フォーリン・ポリシー」で、アジア政策に関する前向きな展望図を描いている。
 オバマ政権のアジア軸足政策について、「大声で話して、小さなこん棒しか持たない」と切り捨てた(訳注:ことわざの「静かに話して、大きなこん棒を持つ」から、ルーズベルト元大統領は「こん棒外交」という言葉を用いた)。
 両氏によれば、中国が南シナ海のスカボロー礁を2012年に実効支配した際の米政府の無策が原因で、フィリピンのドゥテルテ大統領は中国にすり寄ることになった。

 トランプ政権は中国による周辺諸国への圧力に対抗すると両氏は論じる。
 台湾の孤立を図った中国に手を貸したビル・クリントン氏のようなやり方も認めないとしている。
 最も重要な点は、中国がほぼその全域の領有権を主張する南シナ海で自由航行権を守ると明言したことだ。

 アジアの同盟諸国を支援するため、米国はレーガン政権時代の「力による平和」構想に回帰すべきだと両氏は主張。
 そのためには防衛予算の強制削減措置を廃止し、米海軍の保有艦船数を350隻に拡大する必要があると唱えている。

 これは賢明な案だが、トランプ氏と助言者らは、地域の繁栄を促進する政策なしにパックスアメリカーナ(米国主導の世界秩序)を維持することの難しさを過小評価している。
 中国は東アジア諸国にとって最大の貿易相手国になっており、その影響力を利用するのにためらいなどない。

 トランプ氏が大統領就任初日に破棄すると約束している環太平洋経済連携協定(TPP)は米企業に新たな市場を開くものであり、国内での雇用創出にもつながる。
 同じく重要なことはTPPが、中国による縁故主義や札束外交に対抗する開かれたシステムであり、米国の同盟諸国と将来同盟関係になるかもしれない国を結束させる仕組みだということだ。

 トランプ氏は不公平な中国の貿易慣行を罰するとも約束している。
 そうした一方的な動きは中国との対立を激化させかねず、報復を受けたり、世界をリセッション(景気後退)に陥れたりするリスクをはらんでもいる。

 オバマ政権は外交政策で数多くの失敗を犯した。
 だが、21世紀の米国の安全保障がアジアへの強い関与に大きく依存していることを理解していた。
 友好諸国を守り、貿易関係を強化し、地域の覇者を目指す中国の野心を阻止することだ。
 トランプ次期大統領が進むべき正しい道は、これまでの流れを覆すことではなく、より強い信念と速いペースで同じ道を進むことだ。



ザクザク 2016.11.11
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20161111/plt1611111130001-n1.htm

安倍首相が電撃訪米 朝の電話会談で即決 
9月にも水面下で“接触”していた

 米大統領選で、共和党の不動産王、ドナルド・トランプ氏(70)が勝利したことを受けて、世界に衝撃が走っている。
 過激な保護主義政策を訴え、安全保障体制の見直しに言及していたからだ。
 「米国発の経済危機」も警戒されていたが、ニューヨークや東京の株式市場は大幅高を記録している。
 実は、安倍晋三政権は水面下でトランプ氏との関係構築を進めてきた。
 安倍首相は10日朝、トランプ氏と電話会談し、17日にニューヨークで会談する方向で調整することで一致した。

安倍首相:
 「世界の経済成長の中心であるアジア太平洋地域の平和と安定は米国の力の源泉であり、強固な日米同盟は地域の平和と安定を下支えする不可欠な存在だ。
 できるだけ早くお会いしたい」
トランプ氏:
 「素晴らしい提案だ。
 ぜひ、お会いし、両国にとって前向きな議論をしたい」

 日本時間の10日朝、安倍首相が動いた。
 電話会談は日本側の呼び掛けで実現し、打ち解けた雰囲気で語り合ったという。
 安倍首相はAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議で19、20日に南米ペルーを訪れる。
 この前後のスケジュールを聞くと、トランプ氏は「17日はニューヨークにいる」と答えたという。
 電話会談で、安倍首相は、トランプ氏を「類い希なリーダーシップ」と評し、「米国が一層偉大な国になることを確信する」と伝えた。
 トランプ氏はアベノミクスを高く評価し、
 「日米関係は卓越したパートナーシップだ。この特別な関係を強化したい」
と応えた。

 選挙中、過激な言動で批判を浴びたトランプ氏だが、9日未明の勝利宣言はまったく違っていた。
 落ち着いた口調で、クリントン氏と家族を称賛し、支持者に感謝して「すべての米国人のために大統領として働くことを誓う」と語った。
 選挙中はパフォーマンスだったのか、「常識人」に変化していた。

 米メディアは早くも、来年1月に発足する「トランプ政権」の閣僚候補を予想し始めた。
 トランプ氏が勝利集会で「功労者」として名前を挙げた、元ニューヨーク市長のルドルフ・ジュリアーニ氏は、司法長官や国土安全保障長官への起用が取り沙汰される。
 国務長官には、ボブ・コーカー上院外交委員長や、盟友のニュート・ギングリッジ元下院議長。
 国防長官には、前国防省情報局(DIA)局長で、退役陸軍中将のマイケル・フリン氏や、現職の共和党上院議員で初めてトランプ氏への支持を表明したジェフ・セッションズ氏らが候補だ。

 日本政府も、トランプ氏の勝利を受けて、政権移行チームとの関係強化に着手した。
 安倍首相は、河井克行首相補佐官を14~18日の日程でワシントンに派遣し、次期政権の関係者らと接触させる。
 トランプ氏が選挙戦で、保護主義政策を主張し、日米同盟にも
 「日本は、在日米軍の駐留経費の全額負担をすべきだ」
 「応じなければ在日米軍の撤収を検討する」
などと発言していたからだ。日本の経済や安全保障の基軸が狂いかねない。

 日本の一部メディアは、トランプ氏とのパイプについて「お手上げ」「手探り状態」などと報じているが、実は違う。
 安倍政権は選挙中から、トランプ陣営に対し、日本が米軍駐留経費を高い割合で負担している事実を説明してきた。
 安倍首相が9月に訪米した際も、クリントン氏と会談しただけでなく、政権幹部がトランプ陣営の関係者と接触していた。
 これを受けてか、前述の国防長官候補、フリン氏が10月に来日した際、自民党本部で講演したうえ、菅義偉官房長官と会談し緊密に連携していくことを確認している。

 安倍首相が10日朝、トランプ氏と電話会談したのは、こうした関係構築の結果ともいえる。
 政府関係者は
 「誰が米大統領になっても、日米同盟は堅持し、良好な日米関係を築くこことが日本の最重要課題だ」
と語った。
 トランプ氏の口癖は「ディール(取引)する」だ。
 ニューヨーク会談が実現すれば、安倍首相から経済協力や日米同盟の重要性について説得することも可能だ。

 外交評論家の加瀬英明氏は
 「これまでは米国は日本を庇護してくれる『親』のような存在だったが、
 トランプ氏は日本の独立を求めてきた。
 戦後71年にして日本は米国から親離れして、外国としての米国と向き合うことになる。
 『トランプ維新』で、日本は真の独立国になる」
と語っている。