2016年12月4日日曜日

トランプ外交の幕開け(1):台湾は中国の圧力に屈しない、トランプは時代を変えられるか

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 選挙中に述べたことは選挙用としてスルーしてもいい。
 しかし、大統領に決まった後の言動は、トランプの今後の施策の前触れと見るのが妥当だろう。
 安部首相と会い、蔡英文と電話で会談し、ドウテルテを電話で会談して招待するとなると彼の外交のスタンスが見えてくる。
 中国非難の動きが加速しているが、これは中国の譲歩を引き出すためのフェイクであろうか。
 このへんのところはまだわからない。
 来年1月20日以降トランプは大統領としてどういう行動にでるのだろうか。
 大統領選挙はいかに多額の寄付金を集めるかできまるという。
 もちろんその寄付金を出すのは政治に深くかかわている企業であり既存の権利集団である。
 よって、アメリカ大統領とは既存の利益集団のヒモ付き、傀儡になってしまうのが常である
 トランプは全米150位あたりの富豪という。
 彼は自前の資金で大統領選挙を進めてきた。
 よって、既存の権利集団のヒモがついていない。
 その結果としてほぼなんでも自由にできる状態にある。
 となれば、アメリカの政治は彼の胸中で決まってくるといってもいい。
 これまでのセオリーが通じない大統領が出てきたということである。
 

フジテレビ系(FNN) 12/3(土) 12:20配信
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20161203-00000508-fnn-int

トランプ次期大統領、台湾の蔡英文総統と電話 
密接な関係確認



アメリカのトランプ次期大統領は2日、台湾の蔡英文総統と電話で話し、安全保障分野などでの密接な関係を確認した。
アメリカの次期大統領が、台湾総統と電話をするのは極めて異例。

トランプ氏の政権移行チームによると、トランプ氏は2日、蔡英文総統からの電話を受け、アメリカと台湾の経済や政治、安全保障分野での緊密な関係を確認した。
アメリカメディアによると、現職大統領や次期大統領と、台湾の総統のやり取りが明らかになるのは、アメリカと台湾が断交した1979年以来初めてで、中国側からの激しい反発が予想される。

トランプ氏はまた、フィリピンのドゥテルテ大統領とも電話会談し、現地メディアによると、2017年、ホワイトハウスを訪れるよう招待したという。



Record china配信日時:2016年12月4日(日) 9時50分
http://www.recordchina.co.jp/a156750.html

中国、トランプ・蔡電話会談で米に抗議、
中国外相「台湾の小細工」―中国メディア

2016年12月3日、中国外交部の耿爽(グン・シュアン)報道官は、トランプ次期米大統領と台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統が電話会談したこと受け、米国に抗議したことを明らかにした。
新華社が伝えた。

耿報道官は
「世界にはただ一つの中国しかなく、台湾は中国の不可分の一部であり、中華人民共和国政府は中国を代表する唯一の合法的政府だ。
これは国際社会が公認する事実だ」
と主張。
米国に対し
「一つの中国の原則は中米関係の政治的基礎だ。
中米関係の大局が不必要な干渉を受けないために、一つの中国の原則を守るよう求める」
と述べた。

中国の王毅外相も同日、今回の電話会談を「台湾側の小細工」だと批判した上で、米国政府が長年堅持してきた「一つの中国」政策を変えることはできないと述べた。


朝日新聞デジタル 12/3(土) 19:35配信

慣例破る外交、トランプ流 台湾総統と電話会談

 トランプ次期米大統領は2日、外交関係がない台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統と電話会談し、1979年の断交以来続いてきた台湾総統と直接接触しないという外交上の慣例を破った。
 台湾を自国の一部とする中国は米側に抗議したが、トランプ氏は取り合わない構えだ。

 トランプ氏は交流サイト・ツイッターで会談を取り上げる際、
 蔡氏を「台湾総統(The President of Taiwan)」と呼んだ。
 台湾側によると会談でも使われた。
 米大統領や次期大統領が直接「台湾総統」の呼称を使うのは異例という
 政権移行チームはこの日、
 「各国首脳との電話会談」としてアフガニスタン、フィリピン、シンガポール3カ国の大統領・首相と一緒に発表。
 蔡氏をほかの国家指導者と同格に位置づけた

 台湾の総統府関係者によると、トランプ氏の勝利直後から外交官らが同氏周辺との接触を強化。
 入念に準備した上での会談だという。
 蔡氏側から電話し、台湾時間2日午後11時(日本時間3日午前0時)過ぎから10分余り英語で話し合った。
 アジアの地域情勢についても意見交換し、蔡氏は米台関係強化への期待感を伝えた。


CNN.co.jp 12/4(日) 10:00配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161204-35093157-cnn-int

中国、トランプ氏と台湾総統の電話会談に正式抗議

(CNN) 米国のトランプ次期大統領が台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統と電話で会談したことに対し、中国外務省は3日、正式に抗議する声明を出した。

 中国外務省の報道官が発表した声明は、大陸と台湾を「一つの中国」とする原則が「中米関係の政治的な基礎」になっていると強調。
 米国は「中米関係全体への不必要な影響」を避けるため、この原則を守って台湾に関する問題を慎重に扱うべきだと訴えた。

 これに先立ち、中国の王毅(ワンイー)外相は同日、電話会談を「台湾による小細工」と呼んで批判していた。

 トランプ氏が2日、台湾総統との電話で会談したことによって米政策の転換を図ったのか、あるいは国際経験に乏しい同氏の政権移行チームが単に判断を誤ったのか、専門家らの意見は分かれている。

 トランプ氏は2日夜、
 「台湾総統が私の大統領当選を祝って電話をくれた」
とツイートし、電話をかけたのは蔡総統のほうだったと強調。
 さらに別のツイートで
 「米国は台湾に何十億もの武器を売っているのに、
 私がお祝いの電話を受けてはいけないというのは興味深い話だ」
と皮肉った。

 蔡総統は同日夜、公式ウェブサイトで電話会談についての声明を発表。
 約10分間にわたって「打ち解けた会話」を交わし、経済や国防、アジア地域の状況などについて意見を交換したと述べた。

 トランプ氏の側近、ケリーアン・コンウェー氏はCNNとのインタビューで、トランプ氏は米国のこれまでの政策をよく承知していると強調した。

 一方、上院外交委員会のメンバーを務める民主党のクリス・マーフィー議員はツイッターを通し、会談について「気まぐれの路線転換だ。戦争はこのようにして始まるのだ」と非難した。


東京新聞 2016年12月4日 朝刊

トランプ氏、蔡氏を「元首」扱い 
中国、対米批判抑える
   
 トランプ次期米大統領と台湾の蔡英文総統が二日、電話協議を行い、米台の緊密な関係を確認したことに対し、中国政府は「台湾側の小細工」と非難する一方、トランプ氏への明確な批判は示していない。
 「一つの中国」の政策を堅持する中国の立場からすれば、今回の電話協議はこの原則からの逸脱にほかならないが、政権発足前からトランプ氏と対立する事態を意識的に避けているようだ。

 習近平国家主席は二日、訪中したキッシンジャー元米国務長官と会談し、「両国の共通利益は意見の相違より大きい」と指摘。
 新政権と安定した関係を求めると示した直後の電話協議だけに、習氏はメンツをつぶされた形だ。

 「台湾は中国の一部」とする中国にとって、台湾問題は他国と対立しても一切の譲歩をしない「核心的利益」と位置付ける。
 昨年末に米国が台湾に武器売却を決めた際も「中国の主権を著しく損なう」(外務省)と強く抗議した。

 ところが今回、次期米大統領が台湾総統と協議した上、蔡氏を「プレジデント」と呼び、「国家元首」と認めるような表現も使用した。
 1979年の米台断交以来初の事態が起きたにもかかわらず、「米政府が長年堅持してきた『一つの中国』政策を改変するはずはない」(王毅外相)とけん制するにとどめた。
 中国外務省も「米国に抗議した」と表明しながら、「米国が『一つの中国』政策を順守するよう促す」と穏健な表現が目立つ。

 強硬な論調が多い国際情報紙「環球時報」(電子版)も「トランプ氏は就任前に中国の対応を見るため『探り』を入れただけだ」と分析。
 「頭の切れるトランプ氏が『一つの中国』の原則を破り、中米関係を破壊することはない」
と楽観的な見方を示した。
 中国では、実業界出身のトランプ氏は政治的対立より経済の実利を優先すると期待がある一方、「中国からの輸入品に高率関税をかける」などの主張を警戒。
 南シナ海問題で中国に強硬な発言もしており
中国側から対立を深めたくない思惑がある。


●断交後初 トランプ氏台湾総統と電話=緊密な関係確認
2016/12/03 に公開 視聴回数 194 回


Record china配信日時:2016年12月5日(月) 12時50分
http://www.recordchina.co.jp/a156767.html

波紋広がる台湾総統との電話会談、
トランプ次期大統領がツイッターで反問
「祝福の電話すら受けられないというのかね?」―仏メディア


●台湾総統との電話会談、トランプ氏「祝福の電話すら受けられない?」画像ID  536266
3日、トランプ次期大統領と台湾の蔡英文総統の電話会談が波紋を広げている。

 2016年12月3日、RFI中国語版サイトは記事
 「『祝福の電話すら受けられないというのかね?』、
トランプ次期大統領がツイッターで反問」を掲載した。 

 トランプ次期大統領と台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統の電話会談が波紋を広げている。
 米中国交回復以来、米国と台湾のトップが直接電話会談することはなく、トランプ次期大統領が慣例にとらわれない大胆な政策を打ち出すシグナルととらえられている。 

 世界各国のメディアが大々的に報じる中、2日、トランプ次期大統領はツイッターで
 「私の大統領選勝利を祝って、台湾総統が今日電話をかけてきてくれた。
 ありがとう」
とつぶやいた。
 その1時間後、
 「米国は台湾に数十億ドル規模の軍装備品を売却している。
 それなのに私は祝いの電話すら受けられないというのかね?」
とつぶやき、過熱するメディアの反応をけん制した。

Yahooニュース 2016/12/5(月) 7:00 遠藤誉  | 東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士

トランプ・蔡英文電話会談は周到に準備されていた?

 2日、トランプ次期大統領が台湾の蔡英文総統と電話会談した。
 1979年に国交断絶をして以来のことだ。「一つの中国」を踏みにじると中国は激怒。
 同日、キシンジャー氏と会っていた習近平国家主席は顔に泥を塗られた形だ。

◆「一つの中国」原則を破るのか?

 アメリカ時間の12月2日、トランプ次期大統領が台湾の蔡英文総統と電話会談をした。
 1979年の米中国交正常化に伴い、アメリカと「中華民国」が国交を断絶して以来、初めてのことだ。
 国交正常化に当たり、中国が「中華人民共和国」を「唯一の中国」として認めさせ、「一つの中国」を堅持することを絶対条件として要求したからである。
 それ以降、アメリカは「中華民国」を国として認めないことを誓い、「中国の一地域である"台湾″」と呼び、国家の指導者同士が接触しないことを守ってきた。

 しかし、トランプ次期大統領は電話会談という手段を通してその原則を破っただけでなく、蔡英文総統を “The President of Taiwan” と呼んだのである。
 その全文には 
 “The President of Taiwan CALLED ME today to wish me congratulation on winning the Presidency. Thank you!”
とある。
 訳すまでもないとは思うが、日本語では
 “台湾総統は今日、私に電話をかけてきて、総統選に勝利したことを祝ってくれと言ってきた。
 ありがとう!”
となる。
 ここでは“CALLED ME”(電話をかけてきた)が重要で、「自分からかけたのではない」と弁解したいわけだ。
 ツイッターでは、この部分だけが大文字になっている。
 それでも、タブーとされていた「直接会談」を「相手を総統と認めて」受けたということは前代未聞で、中国(大陸、北京政府)にとっては転変地変の大事件だ。
 おまけに両者は
 「経済、政治、安全保障での緊密な関係が台湾と米国の間にある」
と確認し合ったという。
 台湾メディアおよびトランプ陣営が報じた。この中に「安全保障」という言葉があるのが、キーポイントである。

◆王毅外相抗議

 これに対して王毅外相は3日、つぎのように抗議した。
 「台湾がやった小細工だ」
 「これによって、アメリカが堅持してきた“一つの中国”の原則を変えることはできない」
という旨の発言をした。
 「2016年国際形勢と中国外交政策シンポジウム」が終わった後に、香港の鳳凰(フェニックス)の記者の問いに答えたものだ。

 中国外交部(外務省)のスポークスマンは
 「慎重、適切に台湾問題を処理し、中米関係の大局が不必要な干渉を受けないよう求めた」ことと、
 「トランプ陣営側に直接、抗議を申し入れた」
と発表した。
 また国務院台湾弁公室のスポークスマンも3日、
 「台湾の小細工が国際社会で普遍的に認められている「一つの中国」の大原則を変えることなどできない。
 台湾独立には断固反対していく」
という趣旨のことを述べている。
 そして中国政府の通信社である新華社(12月3日電)は
 「ホワイトハウスの国家安全委員会は“一つの中国”という対中政策は不変だ。
 台湾地区の平和安定はアメリカの根本的な利益にかなっている」
と述べたと報道した。

◆顔に泥を塗られた習近平
――曲芸を演じた「忍者外交」の名手キシンジャー

 さて、これは本当に「台湾の小細工」なのだろうか?
 だとすれば、トランプ・蔡英文電話会談が行われていた、そのほぼ同時刻に、
 なぜあのキッシンジャー氏は人民大会堂で習近平国家主席と会っていたのだろうか?
 キッシンジャーと言えば、「忍者外交」で有名だ。

 当時、ベトナム戦争(1960年12月~1975年)の長期化と泥沼化に手を焼いていたアメリカは、中ソ対立が激しい中国に接近し、米ソ対立におけるアメリカの立場を有利に持って行こうというもくろみもあり、水面下で北京と接近していた。
 ニクソン政権時代に大統領国家安全保障問題担当大統領補佐官および国務長官などを務めていたヘンリー・キッシンジャー氏は、1971年7月、パキスタン訪問中に体調不良と称して一日だけ姿を消し、極秘裏に北京を訪問した。
 ニクソン大統領以外はニクソン政権内の者も知る人が少なく、もちろん同盟国・日本の頭越しの訪中であったことから、「忍者外交」として全世界に衝撃を与えた。

 このキッシンジャー氏が、又もや「曲芸」を演じたのである。 
 新華網(12月3日電)によれば、12月2日、93歳になるキッシンジャー氏は人民大会堂で習近平国家主席と仲良く対談していたという。
 互いに相手を絶賛しあい、米中関係の強化を確認していた。
 これに関しては中央テレビ局CCTVだけでなく、中国共産党の機関紙の電子版「人民網」も「中国共産党新聞」で大きく取り上げ、中国では大々的に、そして「誇らしげに!」報道されていたばかりだ。
 そこに飛び込んできたトランプ・蔡英文会談。中国では大きくは報道しなかった。
 習近平国家主席のメンツ丸潰れで、すっかり顔に泥を塗られた形になってしまったからだ。

◆周到に準備されていたトランプ・蔡英文電話会談
――陰にはトランプ陣営大物
 
 キッシンジャー氏の北京訪問を「曲芸」と名付けたのには、理由がある。
 実はペンタゴンにおける軍事戦略などのシンクタンクの役割も果たしているヘリテージ財団のエドウィン・フュルナー氏がトランプ当選後の10月13日、秘密裏に台北を訪れ蔡英文総統と面談していたのだ。
 11月10日、台湾の三立新聞などが
 「台米関係は緩和か?
 トランプ幕僚フュルナー秘密訪台  
 蔡英文とは20年来の仲」
というタイトルの報道をした。
 このページでは、まず宣伝が出てくるが、15からゼロまでカウントダウンしていき、最後に「×」印が出てくるので、この「×」をクリックして宣伝を消せば、タイトルの情報が出てくる。
 フュルナー氏はヘリテージ財団の総裁を長いこと(2013年まで)務めていたが、今年8月にトランプ陣営に入った。
 
 ヘリテージ財団というのは、1973年に設立された保守系シンクタンクで、アメリカの伝統的な価値観や国防の強化などを掲げているため、中国語では「米国伝統基金会」という訳し方をしている。
 蔡英文総統とは、彼女がまだ台湾で国家安全委員会諮問委員会の仕事をしていた時期に接触があり、二人は20年来の知己であるという。
 アメリカの大統領選挙中、蔡英文側はヒラリー候補と緊密な連携を持ち続けたと言われている。
 トランプ氏が「世界の警察にならない」と宣言し、アジア回帰を否定していたからだ。
 それは安全保障上、台湾に大きな不安を与え、ヒラリー・クリントン氏が当選してくれる方がいいと応援していたのだ。
 トランプ当選が決まったとき、蔡英文総統は記者の問いに青ざめていたと、台湾メディアは報道している。
 そのため10月13日にトランプ陣営の大物、フュルナー氏が20年以上の仲である蔡英文総統に会いに行ったものと推測される。

 一方、トランプ氏は当選後まもない11月17日に、キッシンジャー氏に会い、外交問題に関して話しあったと、アメリカメディアが報道した。
 会談後トランプ氏は「キッシンジャー氏を非常に尊敬しており、意見交換ができて、うれしい」と語ったとのこと。
 両氏は「中国、ロシア、イラン、欧州などの問題について話し合った」と報道されたが、当然このときに、「一つの中国」問題や台湾問題に関しても触れたことだろう。

 この報道を知ったとき筆者は、10月13日にトランプ陣営の顧問的役割をしているフュルナー氏が訪台し蔡英文総裁に再会していることを反射的に連想した。
 「何かあるにちがいない」とは思ったが、それはこの、「タブーを破った、次期米国大統領と台湾総裁との電話会談」だったわけだ。

 「アメリカのTPP(環太平洋パートナーシップ協定)離脱により、中国の一人勝ちにはさせないよ」
という、来るべきトランプ新政権の狙いの一つだろう。
 しかも電話代以外はかけずに、習近平政権には衝撃的な楔(くさび)を打つ。
 キシンジャー・習近平会談を誇らしげに報道しただけに、北京側としてはトランプ・蔡英文電話会談をそう大々的に批判報道するわけにもいかない。
 習近平の歯ぎしりが聞こえる。
 予測不能なトランプ外交ではあるが、みごとなものだ。
 今後は米台関係と米中関係を、この視点からも注視していかなければならない。


Record china配信日時:2016年12月5日(月) 15時40分
http://www.recordchina.co.jp/a156772.html

台湾総統とトランプ次期大統領の電話会談、
寝耳に水の一手は誰のアドバイスか―仏メディア

 2016年12月3日、仏ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)によると、台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統が米国のドナルド・トランプ次期大統領と電話会談を行ったが、これが米中関係や中台関係を揺り動かす一手になっている。 

 直接の電話会談は、40年続いた米中台三角関係の暗黙のルールを破るもので、中国にとっては寝耳に水となった。
 消息筋によると、この直接対話は何者かのアドバイスを受けてのものだったという。 

 蔡総統に誰がアドバイスをしたのか、香港紙・蘋果日報(アップルデイリー)は
 「何者かの助言を得ているということは、重大で象徴的だ」
とする中国の専門家の見方を紹介。
 「中台関係がこう着状態に陥っている中での電話会談は象徴的な意義が大きい」
と指摘した。 

 トランプ次期大統領の外交顧問で、選挙前に台湾を訪れていたヘリテージ財団のエドウィン・フールナー氏が関わっている可能性が高いとみられる。
 CNNはディック・チェイニー元副大統領とアジア政策顧問のスティーブン・イェーツ氏が電話会談を手配したと報じたが、絶好のタイミングでこの直接対話を実現させたことは、蔡総統の側近も対米工作能力が高いことを示すところともなった。 

 オバマ大統領率いるホワイトハウスは、米国は中国を唯一の正式な政権だとする政策に変更はないとあらためて表明したが、今回の電話会談は中国政府の神経を逆なでし、中国の王毅(ワン・イー)外相が「台湾のくだらない小細工」と強く非難したことが報じられている。


フジテレビ系(FNN) 12/5(月) 12:32配信

米・トランプ氏、国外移転企業の製品には「35%の関税」と警告


  アメリカのトランプ次期大統領は4日、「アメリカの雇用を守るため」として、国外に移転した企業の製品に35%の高い関税を課すなど、報復を行う考えを示した。
 トランプ氏は、4日のツイッターで、企業が、ほかの国に工場を移転するなど、雇用が奪われた場合、「報復なしにできると思ったら間違いだ」と指摘し、その企業の製品には、35%の関税を課すと警告した。
 トランプ氏が、民間企業の経営方針に介入することには、批判も出ているが、企業の海外流出に断固たる姿勢で対応する考えをあらためて示して、雇用を取り戻すとの選挙期間中の公約を守ることを強調した。

 ペンス次期副大統領は、「これは儀礼的なものだったと、中国の当局者に言いたい」と述べた。
 2日にトランプ氏が、台湾の蔡英文総統と電話で話したことに、中国が抗議していたが、ペンス次期副大統領は、これはあくまでも儀礼的な電話だったと釈明した。
 ただ、そのトランプ氏は、4日もツイッターで、中国の南シナ海への進出や、通貨政策を痛烈に批判し続けている。

CNN.co.jp 12/6(火) 9:39配信

トランプ氏顧問、米台関係に言及
「中国の反発、知ったことか」

(CNN) 米国のトランプ次期大統領が台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統と電話で会談し、中国からの反発を招いていることについて、トランプ氏の経済顧問、スティーブン・ムーア氏は5日、中国の感情を害しても「知ったことではない」と言い放った。

 ムーア氏は地方ラジオ局とのインタビューで、
 「台湾は我々の同盟国だ。
 自由を信奉する人々だからこれまでも支援してきた。
 我々は同盟国を支援しなければならない。
 中国がいやがっても無視すればいい」
と述べた。

 中国は台湾を自国の一部とみなし、国家として認めていない。
 米国は1979年に中国と国交を樹立し台湾と断交して以来、この原則を認める立場を取ってきた。

 トランプ氏と蔡氏の電話会談に対しては中国が米国務省に抗議し、米国の外交専門家らも強い懸念を示している。
 しかしムーア氏は、中国がアジアで威嚇的な行動に出ていることを批判し、
 対中強硬路線で知られたレーガン元大統領と同じように中国に立ち向かうべきだと強調した。

 同氏はまた、トランプ氏が蔡氏と電話会談したことは大歓迎だと表明。
 米外交当局ではこれまで
 「こんなことはとてもできない、中国に対して失礼じゃないか、とみんなびくびくしてきた」
と主張し、
 「中国に失礼でも私の知ったことではない」
と切り捨てた。

日本経済新聞 2016/12/6 9:35

オバマ米政府「一つの中国」堅持 
中国政府に伝達 

 【ワシントン=吉野直也】
 アーネスト米大統領報道官は5日、トランプ次期米大統領と台湾の蔡英文総統の電話協議を受け、 
 オバマ政権が「一つの中国」の原則を堅持する方針を中国政府に伝えた
と明らかにした。
 米国家安全保障会議(NSC)高官と中国側で少なくとも2回電話をしたと指摘。
 「トランプ氏の政権移行チームに別の考えがあるなら、
 彼らに聞いてほしい」
と語った。

 アーネスト氏はトランプ氏の一連の行動や発言に関して
 「台湾や米国に何の恩恵があるのかわからない」
と語り、トランプ氏の真意に懐疑的な立場を示した。
 トランプ氏と蔡氏との電話協議後に中国側が台湾への批判を強めていることに懸念を表明した。

 トランプ氏は2日に蔡氏と電話協議した。
 米大統領や次期大統領と台湾総統のやり取りが判明したのは、米国が1979年に台湾と断交して以来、初めてだった。
 中国がこれに抗議したことにトランプ氏は4日、ツイッターで中国による南シナ海での軍事拠点化を「我々に了承を求めたのか。私はそうは思わない」と反発した。


ニューズウイーク 2016年12月5日(月)16時59分 ニコラス・ロフレド
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/12/-.php

トランプ-蔡英文電話会談ショック
「戦争はこうして始まる」

<トランプ次期米大統領と、アメリカと国交のない台湾の蔡英文総統との電撃電話会談に中国はカンカン、世界は騒然。
トランプはいったい何を考えているのか>

 ドナルド・トランプ次期米大統領が外交上の慣例を破り外交関係のない台湾総統と電話会談を行った問題。
 混乱は政治や外交にも及んでいる。

 まず、先に電話をかけたのはどっちなのか。 
 トランプは台湾の蔡英文総統から電話をかけてきたと主張するが、台湾総統の報道官は米NBCニュースに対し、10分間の電話会談は入念に準備されたもので、驚きはなかったと語った。
 台湾の英字紙「タイペイ・タイムズ(台北時報)」は、トランプは台湾をめぐる諸問題について側近から説明を受けた上で、政権移行チーム内の「親台派」が間を取り持った台湾総統からの電話に応じることに、自ら合意したと伝えた。

【参考記事】トランプ・蔡英文電話会談は周到に準備されていた?

 トランプは会談後、ツイッターに投稿した。
 「台湾総統が今日、大統領選の勝利を祝って電話をかけてきた。ありがとう!」
 アメリカが数十年来堅持してきた「一つの中国」の原則に疑念を投じる行動にトランプが打って出たことについて、激しい批判や懸念の声が上がっている。

■無計画で重大な転換


 コネチカット州選出の上院議員(民主党)クリス・マーフィーはツイッターに投稿し、トランプの行為は「無計画に始めた、外交方針の重大な転換」だと批判した。
 「戦争はそうやって始まる。
 もし転換ではなく、奇をてらっただけだととしても、我が国の立場を信じられなくなった同盟国は離れていくだろう。
 どう転んでもひどい結果だ」。

  ヒラリー・クリントン陣営で広報担当を務めたブライアン・ファロンはツイッターで、
 「誰かがトランプには外交手腕がないと警告してくれればよかったのに」
と投稿。
 そのコメントに
 「(トランプは)グローバルな危機を解決するどころか、新たな問題を生み出してしまう」
と訴えるクリントンの動画を重ね、成り行きを皮肉った。

【参考記事】トランプ政権誕生で中台関係はどう動くか

 ジョージ・W・ブッシュ政権で外交政策を担当した経歴を持つアジア政策の専門家アーロン・フリードバーグは、米政治情報サイトポリティコに対し、中国側の反応についてこう語った。
 「中国政府は今回の件をトランプのへまでなく、意図的な挑発行為としてとらえる可能性が高い。
 戦略というのは単に行動を起こすだけでなく、相当な思考を伴うものだ。
 今回トランプ側には熟考の跡が見られなかった」

【参考記事】蔡英文新総統はどう出るか?――米中の圧力と台湾の民意

 だが共和党議員の一部は、電話会談の実現はトランプの大胆なリーダーシップの賜物だと持ち上げた。
 「台湾はアメリカの盟友。次期大統領がそのことを世界に知らしめるのは何も悪くない」
と、インディアナ州選出の下院議員ルーク・メサーは米政治専門メディア「ザ・ヒル」で語った。
 「共産主義の残忍な殺し屋が政権を握るキューバと国交を回復したオバマの判断を賢明だと称えていた人々が
 、台湾を認知したトランプを批判する光景は皮肉でしかない」
 ノースカロライナ州選出の下院議員(共和党)マーク・メド―は、「政策ではなく、ただの電話」と発言し、台湾総統との会談自体が大した問題ではないとの見解を示した。
 トランプの選挙対策本部長だったケリーアン・コンウェイは、トランプが米政府の中台政策について「十分に認識」しており、
 「今後も関連する問題についてしっかり情報説明を受けて十分な見識を保持する」
と述べた。

■ドゥテルテを招待

 今回の騒動を受けて、ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)は、米政府の政策に変更はないと強調するなど火消しに追われた。
 ネッド・プライス報道官は「中台関係をめぐる長年の政策に変更はない」とする声明を発表した。
 「米中間の3つの共同コミュニケに基づく『一つの中国』政策を堅持する」

 蔡英文との電話会談に加え、オバマ政権に対して強硬姿勢をとってきたフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領を来年ホワイトハウスに招待したことが明らかになったことで、今後のトランプのトップ人事にますます暗い影が差している。
 トランプは2日も、軍人出身で「マッド・ドッグ(荒くれ者)」の異名を取るジェームズ・マティスを国防長官に任命したばかり。今回の騒ぎの尻拭いをさせられるのは、米ブルームバーグが駐中国大使の候補に挙がっていると伝えた、アイオワ州のテリー・ブランスタッド知事(共和党)かもしれない。









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2016年12月3日土曜日

北方領土問題で急接近するロシアと日本(5):クナシリへのミサイル配備によってすべては元のままで終了

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 ロシアがクナシリにミサイルを配置したことにより、日本・ロシアの平和交渉は挫折に終わった。
 領土問題が終了しなければ平和条約は締結されない。
 領土問題とは国境線の画定である。
 クナシリにミサイルが配備されたことにより、「三島返還」で手打ちされるという思惑は破たんした。
 状況は元のままだということである。
 日本にとっては現在の状況が今後も続くということである。
 変化はない。
 ロシアにとっては日本との交渉の断念は何をもたらすのであろうか。
 ロシアには産業がない。
 あるものといえば石油・天然ガスの輸出と、武器の輸出という2本だけである。
 プーチンの時代は原油高騰の時代であり、ロシアが潤った時代でもある。
 しかし、今石油価格は低迷している。
 なぜか。

 アメリカ国内でシェールガスが産出されたことによる。
 この結果、オバマは「アメリカは世界の警察官をやめる」というなんとなくもっともらしい名目で中東からの足抜きを実行した。
 アメリカは中東での警察官でもなんでもなかった。
 ただ中東の石油がほしかっただけのことである。
 だから中東に介入した。
 警察官という態度で。
 しかし、国内で石油が獲れれば中東のような金食い虫はいらない。
 さっさと引き上げるのが上策ということになった。

 さらにこの結果何が起こったか。
 アメリカの利益のために軍事力をもって抑えられていた中東の圧力蓋が抜けた、ということになる。
 これまで中東はユダヤ対アラブの対立図式で語られてきた。
 しかし、アメリカが抜けたことで、アラブすなわちイスラムの内ゲバが発生した。
 イスラム国の誕生になる。
 アメリカがいれば、これを抑え込んだであろう。
 しかし、アメリカはさっさと抜け出てしまった。
 内ゲバは難民を生み出し、これがヨーロッパを脅かすことになる。

 つまり、シェールガスはアメリカを内政化させ、中東をイスラム内ゲバを誘発し、ヨーロッパを難民の渦に巻き込んだ。
 さらには、石油の暴落によって豊かだったロシア経済が下降線をたどることになった。

 さて、ここから見える未来はどのうようになるのであろうか。
 イギリスのEU離脱は、ドイツの難民受け入れは、ロシアはどう動くのが正解か。
 日本とロシア、この果てしない闘争にプーチンは終止符を打てるのか。
 日本にとって北方領土はすでにないものであるが、ロシアにとっては今所有している資産である。
 それをどうするか。
 小を捨てて、大をとるか。
 小を抱え込んで、大かもしれない明日を失うか。
 難しいところである。
 ロシアには産業がない。
 日本には産業しかない。
 小を捨てる気にプーチンはなるだろうか。
 まずは無理だろう。


毎日新聞2016年11月22日 23時14分(最終更新 11月22日 23時14分)
http://mainichi.jp/articles/20161123/k00/00m/030/127000c

北方領土に最新鋭ミサイル配備 国後と択捉に

 【モスクワ杉尾直哉】インタファクス通信は22日、ロシア軍が北方領土の国後島と択捉島に沿岸防衛のための最新鋭ミサイルシステムを導入したと報じた。
 露太平洋艦隊の機関紙の情報を引用して伝えた。
 ショイグ国防相は今年3月、千島列島にこうしたミサイルを導入する計画を表明したが、北方領土への配備が明らかになったのは初めて。

 日露間では12月のプーチン大統領訪日へ向けた平和条約交渉が活発化。
 北方領土を自国領と位置づけるロシアには、国後・択捉両島の戦略的重要性を改めて強調する狙いがありそうだ。

 報道によると、択捉島には短距離ミサイルシステム「バスチオン」(射程350キロ)、国後島には「バル」(同120~260キロ)が配備された。
 バスチオンの部隊は現在、発射演習の準備を進めているという。
 ショイグ国防相は今月15日、シリアのロシア軍駐留基地を守るため、バスチオンを配備したとプーチン大統領に報告していた。



オピニオン 2016年11月24日 23:55(アップデート 2016年11月26日 03:39) 短縮 URL
https://jp.sputniknews.com/opinion/201611243045889/

なぜロシアは択捉・国後にミサイルシステムを配備した? 

リュドミラ サーキャン 104676335 ロシア大統領府のペスコフ報道官はクリル諸島へのミサイルシステム配備について、露日間の関係発展に影響が出てはならない、と述べた。
日本の菅官房長官は、プーチン大統領の訪日準備にも日露間交渉にも影響は出ない、との考えを示した。 

 一方、防衛省防衛政策局長の前田哲氏は、クリル南部への地対艦ミサイルシステム配備はロシア艦隊の太平洋への展開を確実化するものであり、極東におけるロシア戦略潜水艦部隊の行動圏を確保するためのものである、という見解を示している。

  22日、太平洋艦隊の公式新聞「軍事当直」の報道で、沿岸用ミサイル複合体「バル」と「バスチオン」がクリル諸島のイトゥルプ(択捉島)、クナシル(国後島)両島に配備されたことが明らかにされた。
 配備の正確な日時は明らかにされていないが、これが2011年に始まった一連の配備計画の一部であるのは明らかだ。
 それは、極東に、沿海地方南岸から北極に至る統一沿岸防衛システムを創設するという計画である。
 23日には岸田外務大臣が声明を出し、日本は事情を調べてしかるべき措置をとる、と述べた。
 来月プーチン大統領が訪日することを考えると、南クリル岩礁の二島に現代兵器を配備するというのはあまり時宜を得た行動とは言えない、と一部のメディアは報じている。
 が、高等経済学院・総合ヨーロッパ及び国際研究センターのシニア研究員で、極東研究所の主任研究員でもあるワシーリー・カーシン氏は
 「これは計画通りのことであり、単に諸島における軍事ポテンシャルを低下させないために行われることである。
 日本はもう長いこと、ロシアを潜在的な敵国と見なしてはいないし、今、日本との関係は非常に良好に推移している。
 しかし南クリルはやはり係争領土であり、そこに軍部隊は保持されるのだ。
 次世代兵器は計画通り、南クリル全域に配備されていくことになる」
と話している。

 また、極東研究所日本研究センター長ワレリー・キスタノフ氏も、北東アジアの安全保障環境について語った。
 「今、軍拡競争が起きており、緊張が高まっている。領土問題を含め、大量の二国間係争があり、それぞれ緊迫化している。
 北朝鮮の核実験は日米韓の三角形による軍事協力の強化の口実になっている。
 韓国に次いで日本にも米国の対ミサイルシステムTHAADが配備されるという話もある。
 ロシアが極東における防衛ポテンシャルを強化するのは、主に米国のこうした計画を警戒してのことだ。」
 極東研究所日本研究センター上級研究員ヴィクトル・パヴリャチェンコ氏はスプートニクに対し、日本は今回のことをあまり心配しなくてよい、と語った。
 「なぜ他ならぬ今、このような騒ぎが突如持ち上がったのか。
 ロシアの東の国境付近における安全保障について決定が下されたのは1年前のことで、公式にも発表されていた。
 二島へのミサイルシステム配備は、ロシア軍の再装備及び国防ポテンシャル強化戦略の枠内で行われていることだ。
 1990年代から現在まで、ほとんど本格的な兵器はなかった。
 今問題になっているミサイルは防衛的なもので、これを攻撃用に作り変えることはできない。
 もちろん国境強化の意向は主権強化の願望を意味する。
 しかし、それは、1956年にソ連と日本の間で結ばれた条約をはじめとする国際条約の枠内で、我々が日本と交渉を行えない、ということではない。」

  日本の専門家の見解はどうか。東京財団研究員で、ロシア政治に詳しい畔蒜泰助氏は次のように指摘している。
 「この計画そのものはロシア国防省によって今年3月に発表されており、『年内には実施する』ということも併せてオープンになっていた。
 その意味では、事前の計画が実施されたにすぎないと言える。
 一部の日本の報道にあるように、プーチン大統領の訪日を目前にしたタイミングで、ロシア側がミサイル配備をぶつけてきた、というわけではないし、日本政府はこの点を理解している。
 ただし、日本の世論は別だ。
 それでなくても、先日のペルー・リマにおける安倍首相とプーチン大統領の会談で、特に領土問題に関しては、日本国民は『あまり期待している通りの方向には進んでいないようだ』という感触を受けている。
 そのタイミングでミサイル配備の報道があったために、さらに世論が過敏に反応する可能性がある。
 ぺスコフ大統領報道官も発言していたが、ミサイル複合体の配備が日露関係進展の流れに水を差すべきではない。
 日本の世論に影響が出ているのは確かだが、日露政府の間でちゃんとしたコミュニケーションがなされていれば、悪影響は最小限にとどめられるだろうし、そのように努力すべきであると考えている。」
  ペルー・リマにおけるAPECでプーチン大統領は、ロシアと日本の間に平和条約がないことは時代錯誤であり、それが両国の前進を妨げている、との見解を示した。
 「ロシアも日本も平和条約締結を誠実に望み、どうすればそれが叶うか、方法を探している。
 ひとつ確かなことは、この志向をあらゆる手を尽くして支持しなければならない、ということだ」
とプーチン大統領は述べた。
  興味深いことに、南クリル諸島におけるミサイルシステム配備のニュースは今日に至っても、ロシア国防省公式サイトに掲載されていない。



JB Press 2016.12.2(金)  渡部 悦和
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48550

ソ連崩壊と同じ道を再び歩み始めたロシア
ロシアとの安易な提携は禁物、経済制裁の維持強化を


●ロシア・モスクワの「赤の広場」上空を飛行するツポレフTU-160型爆撃機〔AFPBB News〕

■「大国ロシアの存在誇示戦略」を展開してきたプーチン大統領
米国にとって死活的に重要な地域は、欧州、西太平洋、ペルシャ湾であるが、この3つの地域においてロシア、中国、イランおよびイスラム過激主義集団などがルールに基づく秩序を無視した行動を繰り返していて、米国は困難な対応を余儀なくされている。

 本稿においては、欧州や中東においてトラブルメーカーとなっているロシアで起こっている大きな変化に焦点を当てた考察を実施したい。

 ウラジーミル・プーチン大統領は、攻撃的な対外政策―私の表現としては「大国ロシアの存在誇示戦略」―を展開してきた。
 プーチン大統領の決断や行動の根底には、ソ連崩壊直後から味わってきた欧米諸国に対する屈辱感がある。
 冷戦時代におけるソ連は、米国とソ連の2極構造の中で大国としての存在感を思う存分発揮してきた。

 しかし、冷戦に敗北し、ソ連の崩壊を受けてロシアが誕生したが、そのロシアは、欧米諸国から軽く見られ、かつて存在感のあった大国ロシアの面影をなくしてしまった。
 愛国者プーチン氏にとっては、大国ロシアの復活は最優先の課題であった。
 彼が選択したのは強いロシアの復活であり、2012年の大統領再選以降、急速に国防費を増加させ、軍の増強を図ってきた。

 当時の原油価格上昇の追い風にも助けられ、ロシア軍の増強には目を見張るものがあり、その軍事力を背景として彼の「大国ロシアの存在誇示戦略」が展開されてきた。 
 例えば、2008年のジョージア侵攻、2014年のクリミア併合に引き続き、ロシア周辺地域(バルト3国、ポーランドなど)でNATO(北大西洋条約機構)加盟国に脅威を与えている。
 また、シリアにまで戦力を派遣し、中東におけるロシアの権益を保護するとともに大国としての存在感を誇示している。
 しかしながら、次々と攻撃的な対外政策をとってきたプーチン大統領の戦略にも限界が見えてきた。
 ロシアの軍事力は、2015年をピークとして右肩下がりの可能性が高くなってきたのだ。

冷戦時代のソ連は、その経済規模に不釣り合いな軍事力の増強を推進し、国家自体が崩壊してしまったが、現在のロシアも似たような道を歩んでいるように思えてならない。

 プーチン大統領の急速な国防費の増大を背景とした戦略により、ロシアが軍事大国であることを世界に誇示することができたし、世界の諸問題の解決にロシアは無視することができない存在であることも世界が受け入れたと思う。
 しかし、ロシアのGDP(国内総生産)は、各種資料によると、米国、中国、日本に劣るのみならず、世界10位前後にまで落ちてしまった。
 経済力で米国や中国に圧倒的に劣るロシアが、大国としての存在感を誇示し得たのは、急速な軍事力の増強とその軍事力を効果的に使うプーチン大統領の巧みな戦略に負うところが大きい。

 しかしロシア経済の低迷のために、ロシア軍事力の低下は始まっているのだ。プーチン氏の「大国ロシアの存在誇示戦略」の限界が見えてきた。

■2015年をピークにロシアの軍事費の減少が始まる

 豪州戦略政策研究所(ASPI*1)の研究者であるジャメス・マグ(James Mugg)は、ロシアの国防費に関するリポート*2の中で図1「ロシアの国防支出」を提示し、ロシアの国防費が2015年をピークとして右肩下がりになると予想している。


●図1「ロシアの国防支出」 出典:脚注2と同じ

 今年10月、ロシアの財務大臣は、国防費を2018年までに12%削減すると発表した。
 その発表を受けて作成されたのが図1である。
 折れ線グラフは国防費の額で棒グラフは国防費の対GDP比である。

 ロシアの国防費はジョージア侵攻を開始した2012年頃から急激に増加し、2014年のクリミア併合を受けて2015年にピークを迎えた。
 しかし、国防費も対GDP比も2015年をピークに徐々に低下する予想である。

*1=ASPI(Australian Strategic Policy Institute)

*2=“Russian defence spending: it’s the ekonomika, stupid” https://www.aspistrategist.org.au/russian-defence-spending-ekonomika-stupid/

 この事実は、プーチン大統領が行ってきた「大国ロシアの存在誇示戦略」の先細りを意味し、今後の国際情勢を占ううえで、また日本の対ロシア政策を考える際に様々な示唆を与えてくれる。

 ロシア軍事費の削減は、ロシアが陥っている経済的苦境の当然の結果である。
 米国のバラク・オバマ大統領の対外政策には数々の失敗例があるが、ロシアに対する経済制裁(クリミア併合を契機として発動された)は数少ない成功例だと言える。
 この経済制裁は、原油価格の暴落と相まって、確実にロシア経済にダメージを与えてきた。ロシアにとって、この経済制裁の早期解除は優先度の高い懸案事項である。
 ここで指摘したいのは、対ロ経済制裁を安易に解除してはならないということである。
 民主党政権が継続していれば、対ロ経済制裁の早期解除はあり得なかったが、次期大統領のドナルド・トランプ氏は、この経済制裁を解除するかもしれない。

 ロシアのクリミア併合が継続したまま、ウクライナ東部における親ロシア派の占領が継続している状況下における経済政策の解除は極めて不適切である。
 また、米大統領選挙の結果に影響を与える目的で実施されたロシアによるサイバー作戦は、完全に米国を見くびった作戦であった。
 ロシアに対する経済制裁の問題はトランプ次期大統領を評価する試金石になる。

 トランプ氏のプーチン大統領を高く評価する発言やロシアのサイバー攻撃を擁護するかのような発言は米国の多くの有識者の懸念事項である。

■ロシアの武器輸出の動向

 ロシアの経済にとって重要な要素である武器輸出の動向も紹介する。

 クリミア併合やウクライナ東部におけるロシア軍の活動、シリアにおける空爆などの軍事行動は、中国や中東諸国向けのロシア製兵器の輸出には大きな宣伝効果を発揮した。
 ただし、欧州諸国はロシアとの武器売買から手を引いていてマイナス要素となっている。
 国防産業がロシアの経済にとって不可欠な産業であることを考えれば、ロシア経済に大きな波及効果があったと思われる。
 プーチン大統領は、2015年のロシアの武器輸出は140億ドルを超え、外国からの武器購入希望額は560億ドルを超えていると主張している。

 図2は「ロシアの各年の武器輸出額」であるが、ルーブル換算では2014年から2015年にかけて1.5倍に急上昇していてシリアにおける空爆などの宣伝効果がみてとれるが、ドル換算では横ばいである(これはルーブルの対ドル安を反映している)。

 いずれにしてもプーチン大統領の「大国ロシアの存在誇示戦略」は、この点のみを見れば効果を発揮していると言える。
 しかし、新たな問題がロシアの国防産業にも存在することが明らかになっているので紹介する。


●図2「ロシアの各年の武器輸出額」 出典:脚注2と同じ

■ロシアの「国家軍備計画2025(GPV to 2025)」の延期*3

 インターファクス社が8月15日に流した噂―ウクライナ全土の占領を狙ったロシア軍の攻撃が始まるのではないか―という噂は、現実のものにならなかった。

 この噂はロシア得意の相手に対する脅威を煽る広報戦の一環である。
 既に説明してきたように現在のロシアの経済状況ではウクライナ全土の占領を狙った攻撃は難しいし、欧米諸国の厳しい批判や追加的な経済制裁も覚悟しなければいけない。

 戦争を遂行するためには優秀な武器が必要であるが、将来の戦闘に備えた武器の近代化計画が、軍事費の削減傾向の影響で進捗していない。
 その典型例が、軍が取得しようとしている中核武器である
 「T-14アルマータ戦車」
 「T-50 (PAK FA)第5世代戦闘機」
である。
 両方の中核武器のプロトタイプ(原型)のみは存在するが、量産品を取得するまでにはかなりの期間がかかると予想されている。
 これは、国防費の削減がロシアの中長期的な軍事力増強計画にも大きな影響を及ぼしている証左である。

 例えば、ロシア軍の中長期の戦力増強計画である「国家軍備計画2020」(総額20兆ルーブル、3100億ドルの計画)は、厳しい経済状況や国防費を反映して、5年間延期され、2016年から始まる「国家軍備計画2025」に衣替えした。
 ところが、プーチン大統領は、「国家軍備計画2025」を採用するか否かの決定を2018年に延期してしまった。
 長期にわたる軍の近代化計画の資金をいかに賄うかという根本的問題がその背景にある。

 軍の質的近代化は、2015年の国家安全保障戦略などで宣言されてきたが、その達成は大幅に遅延しそうである。
 計画遅延の主たる原因は、国防省と財務省の予算をめぐる対立が大きい。

 財務省は「国家軍備計画2025」の予算を20兆ルーブルから12兆ルーブルへの減額を求め、国防省は20兆ルーブルから3兆ルーブル増の23兆ルーブルを要求している。
 両者の主張の開きはあまりにも大きい。

 国防産業の状況も苦しく、政府からの財政援助を求めている。
 ロシアの銀行は、政府からの財政援助を獲得するために、国防産業に破産を要求している。
 つまり、破産を脅しとして、政府からの財政援助を獲得せよということである。
 ちなみに、T-14アルマータを開発する会社は8月に政府からの財政援助をもらったが、アルマータの部隊への配備は大幅に遅れる模様である。

 また、国防産業の構造的な問題、例えば、本来実施すべき改革がなされないで残っている古い体質、腐敗、透明性の欠如、国防産業への査察の欠如などが指摘されている。

 つまり、ロシア経済の悪化国防費の削減中長期の軍事力整備計画の延期国防産業への悪影響が連鎖的に生起しているのである。

*3=Roger McDermott, “Moscow Postpones Decisions on State Armameents Program 2025”

■米国のロシアへの対処戦略

 以上のようなロシアに対して米国はいかに対処すべきか。

 共和党の有力な議員で下院軍事委員長マック・ソーンベリー(Mac Thornberry*4)と戦略の大家である米戦略予算評価センター前会長アンドリュー・クレピネビッチ(Andrew F. Krepinevich Jr*5)の共著による“Preserving Primacy(卓越の維持)”がフォーリン・アフェアーズに発表された。
 この論文は、「新政権の国防戦略」として提示されていて、トランプ新政権の国防戦略を占ううえでも重要なので、その概要を簡単に紹介する。

●主たる脅威は中国とロシアであり、イランの脅威は2次的である

 過激なイスラム主義が米国の直面する最も切迫した危機ではあるが、中国とロシアは米国の安全保障にとってはるかに大きな潜在的脅威である。
 急速に台頭する中国は、米国以外では最大の通常戦力を構築した。
 ロシアは、明らかな没落の兆候を示すが、世界最大の核戦力を維持している。

 米国は、中国とロシアの脅威に主として備え、2次的にイランの膨張主義をチェックし、過激なイスラム主義グループを抑止するために友好国と支援すべきである。

 米国の採用すべき態勢は1.5個戦争態勢であり、
 1.5個の「1」は中国への対処を意味し、中国を抑止すること、抑止が失敗した時はこれに対処することである。
 「0.5」個は欧州または中東への対処であり、遠征部隊を派遣して対処する。

 西太平洋においては第1列島線における前方防衛戦略を追求すべきである。
 この際、日本、台湾、フィリピンが安全保障のコミットメント上から大切である。

決して採用してはいけないのは
★.中国に対する遠距離の封鎖を中心とした戦略や
 失った領土を奪還するための動員である。
 これらは、同盟国や友好国を侵略や威圧にさらすのと同じである。

 そうではなく、十分な戦力(日本とフィリピンへの地上戦力の配置を含む)を前方展開させることにより、米国は、同盟国と一緒に中国の軍事的増強を相殺し、平和を維持すべきだ。

 日本、フィリピン、ベトナムにおいては米国の軍事的プレゼンスと支援にますます門戸を開くべきである。
 米国が前方防衛態勢を構築するには時間がかかるので、遅滞なく迅速に開始すべきである。

 ロシアに対しては、さらなる地上部隊と空軍戦力を東欧の国々に派遣すべきだ。
 彼らの任務は、東欧諸国がロシアの代理人たちを使って紛争を引き起こそうとするロシアの試みを抑止することを手助けすることである。

 そして、兵器、弾薬、補給品の事前集積を実施し、有事における迅速な対応が可能な状態にすべきだ。

●新たな核の時代(第2次核時代)

 ロシアは、ロシアの通常兵器の劣勢を核兵器を使って相殺しようとしている。
 そして、1987年のINF条約に違反する兵器を試験している。
 ロシアの核兵器には対処が必要であり、米国は、強力な核態勢(究極の安全を保障するもの)を維持しなければいけない。

 米国の核弾頭、投射手段、指揮統制システムは、すべてが一挙に陳腐化してしまう寸前まで無視されてきた。
 米国は、国防費の5%で核抑止力の近代化を達成できる。

■結言

 最後に、軍事費が低下するなど明らかに下り坂のロシアに対して、我が国はいかに対処すべきであろうか。
 北方領土問題の解決が典型的だが、今後の対ロ交渉において日本側が拙速に交渉し、成果を求めるやり方は上策ではないと思う。
 ロシアの経済は、原油価格の急速な回復でもない限り、長期低迷が続くであろう。
 そして軍事費の伸び率0%以下の状況はしばらく続くであろう。
 これは日本にとってチャンスであり、ロシアが日本の経済的な協力を真剣に求めてくるのを待ち、実利を取る熟柿作戦に徹するのが上策ではなかろうか。

 トランプ新政権の対ロシア政策がいかなるものになるかは極めて重要であるが、私には懸念の方が大きい。
 いずれにしろ我が国には、米国、ロシア、中国との複雑な関係を踏まえながら、生き残りをかけ、国益を中心としたしたたかな対応が求められる。

*4=テキサス州選出の共和党下院議員で米下院軍事委員長

*5=ソラリウム代表、戦略予算評価センター前会長で同センターの名誉シニア・フェロー









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なぜイギリス軍が南シナ海に介入するのか:この国特有の深慮遠謀か? 新たな「日英同盟」?

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 なぜイギリス軍が南シナ海にしゃしり出てくるのか。
 イギリスというのは深慮遠謀というところがある。
 そして目先の損をしても、未来的な配慮では失敗はしない。
 そのイギリスが南シナ海に手を伸ばしている。
 ドイツがドップリ中国にはまって身動きができなくなっているスキをついて、東アジアは渡さない、といっているような気分になってくる。
 アメリカが動かないなら私が、といった気配もある。
 もともとイギリスはこの地の宗主国もどきを占めていた時期がある。
 インドにおけるの東インド会社の存在、1997年までの香港支配など今ではアメリカに追われてしまっているが、そこそこイギリスはこのアジアを自分の権限の及ぶ場所と認識している風がある。
 このイギリスの動きは不気味である。
 軍力としてはたかが知れているが、
 イギリス軍が動く、というイメージ
が大きな影響力をもってくる。
 アメリカ軍が中東から撤退したことで、イスラムが勢力が共通の敵を失って内ゲバ化している。
 そこで発生した難民は陸続きにヨーロッパへ向かう。
 これによりEUは崩壊の危機になり、イギリスは離脱の国民投票で離脱を決めた。
 実際に離脱するか否かはわからないが、イギリス国民の半分はEUと組むことをよしとはしていないということが明瞭になった。
 イギリスはどこへ行こうとしているか、ということになる。
 この国は実にソフト資源が豊富である。
 コモンウエルスという超緩い共同体をもっている。
 もし、イギリスが少し強気に動けば、十分な経済体へ発展する可能性がある。
 アジア・アフリカにもコモンウエルスの加盟国は多い。
 もしかしたら、これらの国は深層心理の中で、少しは強いイギリスを求めているかもしれない。
 今のイギリス軍の動きは潜在的にその欲求に応えているのかもしれない。


ロイター | 2016年 12月 2日 16:57 JST
http://jp.reuters.com/article/britain-southchinasea-fighters-idJPKBN13R0MQ

イギリス空軍、日本派遣の戦闘機を南シナ海へ 
20年には空母も

 英国のキム・ダロク駐米大使は1日、
 日本に派遣している英空軍のタイフーン戦闘機に南シナ海上空を飛行させ、2020年に就役する空母2隻を太平洋に派遣する見通しだと述べた。
 南シナ海での航行の自由を守るのが目的だという。

 ワシントンで開かれたシンポジウムで明らかにした。
 イベントには、日本の佐々江賢一郎駐米大使も出席した。

 ダロク氏は「航海の自由を守り、航路や空路を維持するという米政府の目標を共有する」と述べた。

 南シナ海や東シナ海における中国の動きをめぐって緊張が高まる中、英国は10月、自衛隊との演習に参加させるため戦闘機4機を日本に派遣していた。


Record china配信日時:2016年11月27日(日) 20時30分


香港税関、台湾からシンガポールに輸送の装甲車摘発、
中国政府が圧力か

 2016年11月26日、環球時報は記事「台湾からシンガポールに輸送中の装甲車を香港税関が摘発=中国外交部がコメント」を掲載した。 

 香港税関は、新界地区葵涌の埠頭で装甲車12両と爆発物を発見し摘発した。
 当初は武器密輸が疑われたが、後に装甲車はシンガポール軍所属のものと判明した。
 台湾での演習後に帰還する際、貨物船が香港を経由したものとみられる。
 シンガポール政府は、弾薬などの問題ある装備は取り外されており問題はないと主張、問題解決のために香港に人員を派遣したことを明らかにしている。 

 一方、中国外交部は25日の定例記者会見で
 「外国人による香港での貨物運び入れ運び出しは法律に準拠するべきだ。
 また中国と国交のある国が台湾地区との公式交流を持つことに強く反対する。
 この交流には軍事交流、協力も含まれる」
とコメントし、シンガポールを非難した。 

 ロイター通信によると、
 台湾と長期的な軍事交流関係を築き米軍偵察機の自国駐屯を認めているシンガポールに、中国政府は不快感を抱いていたという。
 今回の一件は圧力をかける絶好の機会だとして強い姿勢を打ち出したものとみられる。




●【中国経済 最新】イギリス軍 中国をガン睨み 南シナ海を堂々と通過する航行の自由作戦決行!将来の権益確保狙いか
2016/12/03 に公開



Record china配信日時:2016年12月11日(日) 7時20分
http://www.recordchina.co.jp/a157210.html

新たな「日英同盟」?
英戦闘機が日本との共同訓練の帰途、南シナ海上空飛行
=中国は不快感表明

 2016年12月10日、中国を念頭に新たな「日英同盟」?
 駐米英国大使がこのほど、航空自衛隊との初の共同訓練のため日本に派遣した英空軍の戦闘機を帰途、中国が軍事拠点化を進める南シナ海上空を飛行させると発言した。
 これに中国は不快感を表明。良好とされる英中関係に波紋を広げている。

 ロイター通信などによると、英国のキム・ダロク駐米大使は今月初め、ワシントンで開かれたシンポジウムで、中国が広範な領有権を主張し周辺諸国と対立している南シナ海問題に言及。
 「日本に派遣している英空軍のタイフーン戦闘機に南シナ海上空を飛行させる」と述べた。

 ダロク大使は
 「航海の自由を守り、航路や空路を維持するという米政府の目標を共有する」
と、米国が中国をけん制するため南シナ海で繰り返している「航行の自由作戦」の支持を表明。
 「2020年に就役する空母2隻を太平洋に派遣する見通し」
 「太平洋地域でのわれわれの役目は果たすつもりだ」
とも語ったという。

 防衛省によると、共同訓練には英空軍から最新鋭主力戦闘機のタイフーン4機、ボイジャー空中給油輸送機、C17輸送機と人員約200人が参加。
 青森県の空自三沢基地や周辺空域で防空戦闘訓練、対戦闘機戦闘訓練、戦術攻撃訓練を繰り広げた。
 日本国内で米軍以外との共同訓練は初めてだった。

 訓練期間は10月17日から11月6日まで。
 駐米英国大使はいつ英戦闘機が南シナ海上空を飛行するかは明言しておらず、発言時点で既に飛行していた可能性もある。
 その場合も、中国が造成した人工島上空や周辺は避けたとみられる。

 駐米英国大使の発言に対し、中国外交部報道官は「全ての国は国際法に従って南シナ海を自由に航行、飛行できる」と平静を装った。
 その一方で、国営新華社通信はシンポジウムに日本の佐々江賢一郎駐米大使も出席していたことから、
 「日本の同志を感動させようとしたのだろう」
と皮肉っぽく前置きし、英国を非難した。

 新華社は
 「英国がこれまでの南シナ海問題から距離を置くという態度から外れるのなら、
 日米のように『よけいなおせっかい役』をこの地域で演じ始めたという印象を与えることになる」
と指摘。
 さらに
 「いわゆる『航行の自由作戦』に乗り出そうとするなら、問題をより複雑化し、中英関係に重くのしかかる」
などとも警告した。

 日英同盟は日清戦争で勝利した日本に対し、フランス、ドイツ、ロシアの3国が遼東半島を清国に返還することを求めた「三国干渉」などを契機に1902年(明治35年)に締結された。
 特に南下政策を進めていた帝政ロシアに対抗するのが狙いで、その後の日露戦争では日本の戦費調達などに貢献した。

 日英共同訓練については、中国共産党中央委員会機関誌・人民日報の電子版も「日本の胸算用は?」と報道。
 「軍事専門家の見解によると、日本は近年一貫して現役戦闘機の世代交代によって海洋紛争での空中抑止力を高めようとしてきた」
などと関心を示していた。




●【中国経済 最新】中国を念頭に日本とイギリス急接近!海洋覇権をめぐり「米日英同盟」を模索か 
2016/12/11 に公開





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2016年12月2日金曜日

中国経済の行方(10):不動産バブルは本当にはじけるのか?

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 「バブルはいつか弾ける」
 いやバブルとは資本主義の悪垢であり、「共産党独裁という形の中国では弾けない」。
 いろいろ説がある。
 「バブルは本当に弾けるのか」
 誰も知らない。
 昨年2015年は「株式バブル」が弾けた。
 「弾ける」という前例はあるということになる。
 株式バブルは規模が小さい。
 だが、不動産バブルは国家の存亡をかけくらいに大きくなっている。
 弾けたら共産党がつぶれる。
 国内が騒動に進む可能性もある。
 よって、政府は強権で抑えこむことになる。
 騒動の力が強いか、それとも政府権力が強いかである。
 

JB Press 2016.11.29(火)  姫田 小夏
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48490

日本人駐在員も悲鳴、
猛烈バブルが続く上海

 上海の中心部に住む日本人駐在員のAさん一家。
 せっかく迎えた10月の行楽シーズンなのに、段ボール箱が積み上がる“新居”で落ち着かない連休となってしまった。
 なぜ、この時期に引っ越しなのか。

 一家がそれまで住んでいた賃貸マンションの契約期間はまだ満了していない。
 だが、Aさんは10月1日から始まる国慶節の連休の直前に、突然、家主から退去を命じる通知を受け取った。
 通知には「このマンションは売却が決まったので、すぐに出て行ってくれ」と書かれていた。
 「借りていたマンションが、私たちの知らないところでいつの間にか大家によって売りに出されていたんです」とAさんは憤る。

 日本では不動産賃貸借の場合、契約を解除する際に借主は最低3カ月前、貸主は最低1カ月前までに事前通告しなければならない。
 しかし、上海では家主の立場が圧倒的に強い。
 そのため、契約期間を強引に短縮されたり、途中で契約を打ち切られたりするなど、家主の身勝手な振る舞いに翻弄される住民は少なくない。

(参考・関連記事)「焚きつけているのは誰?上海で住宅バブル再燃の怪」

■日本人向けマンションが建物ごと中国資本に

 Aさん一家はいきなりマンションを追い出され、引っ越し先を探すのにも一苦労だった。
 ここに来て上海では、Aさん一家のように“住宅難民”と化す日本人家族が増えている。
 その理由としては、まず、日本人駐在員向けのマンションが減っていることが挙げられる。
 上海では1990年代後半から日本人駐在員を対象にした、日系企業の開発によるマンションが続々と竣工した。
 しかし、これが今姿を消しつつある。
 日系企業が上海から撤退するのに伴い、日本人駐在員も減少したためだ。

 上海の不動産業者は「マンションを賃貸で貸すよりも、分譲にして売却したほうがずっと利益が出る」と話す。
 そうした理由から、かつて90年代後半から2000年代にかけて、日本のデベロッパーが上海で開発した日本人向け賃貸マンションが「建物ごと中国資本に売却される」ケースが出てきている。

 上海市長寧区にある虹橋公寓もその1つ。
 元々は日本人駐在員向けに建てられたマンションだが、中国資本に売却されるとのことで、すでに「半年前から新規の契約は受け付けていない」(同)状態だ。
 契約満了を迎えた日本人駐在員も契約を更新できず、退出を余儀なくされている。

 浦東新区に残されている数少ない日系マンションには、行き場を失った日本人駐在員が殺到し、すでに満室状態だ。
 通常、日系マンションは子どもの通学を勘案して、日本人学校のそばに建てられる。
 また、多くの場合、日本の食品を手に入れられるスーパーなどが入居しているので、日本人駐在員にとっては代替が利きにくい。

■1億円近い住宅でも手が届く

 しかも、上海では2015年3月以降、住宅価格の上昇が止まらない。
 例えば、日本人が多く住む古北新区の2LDKの中古マンションは、その築年数と反比例するようにどんどん価格を釣り上げている。
 筆者が定点観測する同区の2LDKの中古マンションも、2015年9月に480万元(約7200万円)だった分譲価格が、翌年の9月には850万元(約1億2750万円)と1年で77%も上昇してしまった。
 市内では、1000万元(約1億5000万円、3LDK)の価格をつける住宅は珍しくない。
 環状線の内側のマンションともなれば、90年代施工のものでも2LDKで600万元(約9000万円)は下らない。
 上海不動産史上では最高値の「平米単価34万元」(約510万円)というマンションも出現している。
 2016年春に、政府は対策の一環として非居住住宅の厳しい購入規制を導入したが、効果は一時的だった。
 上海の住宅市場の値上がりはこれまで以上に激しさを増しているというのが筆者の実感だ。

 こうした“異常事態”の背景について、不動産投資家の1人は次のようにコメントしている。
 「人民元の価値がどんどん下落しているため、再び不動産に目を向ける投資家が増えています。
 日本円で1億円近くの物件も、今の中国人にとっては“驚くほどの高額物件”とは言えなくなりました。
 自宅もすでに1億円近くに値上がりしているためです」

 この投資家は、今後も不動産の需要は衰えないだろうと指摘する。
 理由は次の通りだ。
★.「中国では基本的に、40代の共働きの中間管理職であれば、ローンと親からの援助で1億円近い住宅でも手にすることができます。
 また、地方の富裕層は一級都市(北京、上海、深セン、広州)に居住する願望が強く、少なくとも自分の子どもの教育はこうした土地で受けさせたいと願っています。
 だから、価格が高騰した一級都市でも旺盛な需要は続いていくでしょう

■「このままでは上海に人が住めなくなる」

 上海の住宅価格高騰は、日本人駐在員の生活だけでなく、企業の経済活動にも深刻な影響を及ぼしている。
 上海で会社を経営する、ある日本人はこう語る。
 「私は上海で事業を興し、17年になります。
 これまで市場の広がりとともに、会社は発展してきました。
 しかし、これほど不動産価格が上昇してしまうと倉庫も店舗も借りられず、事業を広げるどころではありません」

 おそらく上海に進出している日本企業は、どこであれ、利益を賃料に吸い取られている状況だろう。
 この日本人経営者は、次のように強い危機感を語った。
 「このままでは企業はまともな事業を展開できません。
 そのうち上海には人が住めなくなってしまうでしょう」

 上海市はこの異常な不動産バブルを食い止め、軌道修正を図ることができるのだろうか。
 2017年の動向に注目したい。



ダイヤモンドオンライン 2016年12月2日 姫田小夏 [ジャーナリスト] 
http://diamond.jp/articles/-/109902

未だ不動産バブルの中国で、誰も固定資産税を納めていない理由

■上海中心部は1億円マンションだらけ

 日本人の間では「終わったはずの中国不動産バブル」だったが、実はその後も過熱を続けていた。
 今年に入り北京や上海などの沿海部の大都市で住宅価格がさらに上昇し、“住宅投機家”らは空前の利益をむさぼっている。

 上海市の古北新区の住宅価格を定点観測する筆者だが、さすがにこの秋の上昇には驚いた。
 同区の2LDK中古マンションは、2015年9月に480万元(1元=約15円、約7200万円)の値段をつけていたのだが、今年9月には850万元(約1億2750万円)と、たった1年で77%も上昇してしまったのだ(何を隠そう、ここは筆者がかつて賃貸で借りて住んでいた住宅であり、不動産業者から何度も購入を勧められたこともあったため、悔し涙を飲んでいることは言うまでもない…)。

 上海市の内環状線の内側では、いまや“1億円の中古マンション”が溢れ返るほどある。
 街の不動産屋の窓ガラスに貼られた新規供給マンションは、総額600万元を超えるものばかりになった。
 ちなみに、「上海市の内環状線」といえば、「山手線圏内」に匹敵するとも言われている。
 この上海における住宅バブルの状況を「山手線圏内のマンションが築年数の長短を問わず、そのほとんどが“1億円化している”」と説明すれば、その異常事態のほどがお分かりいただけるだろう。

 実際、筆者の友人も今年、2年前に購入した住宅を売却し、日本円換算で数千万円の利益を出したという。
 冒頭で述べたように、
 日本では「中国の住宅バブルは2014年で終了」したことになっている
ので、こうした話を聞くと「え、そうなの!?」とわが耳を疑うことになる。
振り返れば2014年9月、中国では主要70都市の新築住宅価格のうち、69都市で不動産価格が前月に比べ下落するという前代未聞の値崩れを経験した。
 日本のメディア(当コラムも含めて)が「住宅バブル崩壊か」と警鐘を鳴らしたことも記憶に新しい。
 その後、中国経済は失速し、最大の課題が「住宅の過剰在庫の処理」とまで言われるようになった。

 しかし、供給過剰に陥ったのは三級、四級といわれる地方都市の住宅だった。
 一級、二級都市では再び住宅購入が熱を帯びる。
 中国では、その購入熱は投機以上に“実需”だと解釈されており、上海在住の不動産投資家も「上海の住宅価格の上昇は常軌を逸している」としながら、「地方都市の富裕層が北京、上海に居を構えたいという願望はますます強まっている」と“止められない沿海部への流れ”を強調する。

■来年から固定資産税が厳しくなる?
そんな噂も上海では誰もが無視

 だが、一方で、今年10月を過ぎると、過熱した市場が静観に転じた。
 「2017年から上海市では固定資産税の課税が厳しくなるのでは」という憶測が出たためだ。
 そもそも中国では、9割近い世帯が住宅を所有しながらも、固定資産税が本格導入されないまま市場ばかりが肥大化した。
 住宅の購入と売却における税金はあっても、「保有」に関わる税金がないのである。
 同様に相続税と贈与税も、法令がありながらも課税に踏み切っていない。
 そのため、富める者は永遠に富むという歪んだ社会構造のもとで「富の再分配」がまったく行われないまま今日に至っている。

 もちろん、中国でも多くの専門家が固定資産税の導入をめぐって議論を闘わせてきており、「住宅バブル抑制に最も効果的なのが固定資産税の導入だ」という認識も存在した。
 そこで、住宅バブルが猛威を振るった2011年、その勢いを鎮静化させようと上海市と重慶市の2都市において固定資産税の実験導入が始まった、というのがその経緯である。
 言うまでもなく、その動向は大きな注目を集めた。

ところがその後5年経った今、上海市において固定資産税はほとんど課税されていない。
 筆者は上海のいくつかの世帯にヒヤリングしたが、ある世帯は「少なくともうちは納めていない」という。
 また別の世帯も
 「親戚も納めていない。友人が納めているという話も聞いたことがない」
という。

 調べてみると、これには根深い問題が潜在していることがわかった。
 そもそも上海市における「固定資産税の実験導入」には「納税しなくてもいい例外」というのがあまりに多すぎるのだ。
 基本的に上海市の「固定資産税の実験導入」では、2011年以降購入した住宅が課税の対象となり、それ以前の購入については免税になる。
 また、買い替えで取得した住宅や「子どものために」あるいは「結婚のために」という動機で取得した住宅も免税となる。
 さらには、国が認める「重要人材」が取得した場合も、その保有における固定資産税は免税になる。
 実際、ほとんどのケースで納税の必要がなくなるのがこの固定資産税なのだ。
 「まじめな納税者は逆に『国家権力を恐れる臆病者だ』と馬鹿にされているのが実情」(上海市在住の会社員)だという。

■土地は国家のもの
固定資産税は国情に合わず

 他方、「そもそも論」で言えば、固定資産税は「中国の“国情”に合うものではない」と言われている。
 上海の不動産研究の専門家が
 「土地は国家のものであり、住宅購入時に70年間の“使用料”を払っているという認識を持つ中国の購入者からすれば、
 さらに住宅保有において課税されるのはおかしいと思っているわけです」
と指摘するように、購入者の有する権利形態が「所有権」ではなく「使用権」であるところに最大の矛盾がある。

 中国全土が財政難に陥っており、当局は八方手を尽くして課税を強化しているのが近年の傾向だが、それにもかかわらず、住宅資産保有に関わる課税が進まない。
 それは上述の「国情に合わず」という理由が存在するためだ。
 もちろん、これ以外にも住宅在庫の処理の進行や不動産を中心とした経済活性を優先させるがため、「課税はそれへのブレーキになる」という懸念がある。

 その一方で、中国の社会経済学者の何清漣氏によるこんな視点に注目したい。
 「固定資産税の負担は2戸以上を保有する富裕層が対象となるが、
 中国で2戸以上所有する富裕層の過半は公務員が占めている。
 彼らは、固定資産税が本格導入となれば、自分に負担が重くのしかかることを知っている。
 こうした連中は政策をコントロールし、導入阻止を目論んでいる」
 確かに、何氏の指摘どおり、国有土地の売却で私腹を肥やしたのが中国の地方公務員だった。

 上海では「来年は固定資産税が強化されるらしい」「いや、さらに3年は繰り延べになる」など情報が交錯する。
 この秋には上海市から「固定資産税を納めましょう」との「納付の催促」が発せられた。
 しかし、上海市民が一斉にこれに応じることはなかった。
 「当局は固定資産税に手出しはできまい」と足元を見透かしているからだ。

★.「土地は国有」という制度下で、「国情に相反する」を理由に、先送りにされてきた課税制度。
 中国政府が課税に強気にならないのは、もうひとつ理由がある。

 何清漣氏はボイスオブアメリカへの寄稿で、「代表なくして課税なし」というアメリカ独立戦争時のスローガンを上げながら
 「中国人が納税を嫌がるのはそこにまったく権利が生じないからだ」
と断じる。
★.納税者」の概念を国民に与えてしまえば、そこに権利が発生してしまう
からだ。

 格差社会の元凶となった中国不動産市場。
 歪みを持って発展したこの市場と富の再分配に、もはや打つ手はないようだ。


Record china配信日時:2016年12月3日(土) 5時20分

中国の不動産市場はバブルだが崩壊はしない、
中国一の大富豪が語る―中国メディア

  2016年12月1日、参考消息網によると、中国一の大富豪が「中国の不動産市場はバブルだが崩壊はしない」と語った。 

 11月30日付香港紙・経済日報ウェブ版によると、インドネシア・ジャカルタで開催されたフォーブス世界CEO会議で、中国一の富豪として知られる大連万達集団(ワンダグループ)の王健林(ワン・ジエンリン)会長が講演した。 

 王会長は2カ月前にも中国不動産市場を「史上最大のバブル」と評して話題となった。
 今回の講演では「中国不動産市場にはバブルの要素が大きい」とややトーンダウンしつつも、バブルという表現は残した。
 しかし中国の都市化率はいまだ55%と低く、残る45%の農村住民が今後都市へと移動を続けることから住宅需要は堅調だと分析。
 「不動産相場は絶対に崩壊しない」
と断言した。
 今後10〜15年は好調が続くと予測している。 

 また、中国経済の構造転換が急速に進んでいることも指摘した。
 2016年の経済成長のうち65%は消費によって生み出されたもの。
 過去の投資依存型成長とはステージが違うという。
 成長の80%が消費によって生み出されるようになれば、中国経済は完全にセーフティーになるとコメントしている。
 消費の中でもスポーツ、旅行が現在のホットスポット。
 特にスポーツ産業は年数百%という驚異的な成長を示しているという。


サーチナニュース 2016-12-13 11:13
http://news.searchina.net/id/1625027?page=1

中国崩壊論はデマだ!
「ずっと騒がれてきたが全然崩壊しない」=中国

 中国経済の先行きが危ぶまれ、これまで何度も「中国崩壊論」が浮上してきたが、いまだに中国経済は成長を続けている。
 中国メディアの今日頭条はこのほど、こうした中国崩壊論をデマだと断定したうえで、信じて騒がないようにと戒める記事を掲載した。

 記事によると、いわゆる中国崩壊論の仕掛け人は「欧米メディア」だという。
  「人民元の崩壊」、

  「実体経済の崩壊」、
 「中国経済のハードランディング」
などいろいろ言われてきたものの、いずれも「預言」が当たったことはないと指摘した。

 そのうえで、中国崩壊論にはこれまで5つの波があったと分析。
★.1つ目の波が、1989年に物価が急上昇し社会主義国家が次々と崩壊していったころの「中国の政治経済がともに崩壊するという主張」、
★.2つ目の波は、1997年のアジア通貨危機に端を発した「中国経済の衰退論」、
★.3つ目の波は、中国が世界貿易機関(WTO)に加入した2001年の「中国経済は間もなく崩壊するという主張」、
★.4つ目の波は、2008年の金融危機時の「中国は今まさに危険な状況にあるという主張」、
★.5つ目の波は、中国の株価が暴落した2015年の「中国経済は崖っぷちにあるという主張」
だという。

 記事は、こうして何度も中国崩壊論が騒がれてきたものの、いずれも主観的憶測か意図的に歪曲された「根拠のない」デマだったと主張。
 経済成長に周期があるのは普通のことであり、簡単に信じるのは経済を理解していない人だけだと批判した。

 確かに、中国経済がまもなく崩壊すると語られて久しいにもかかわらず、中国が何度もその危機を乗り越えてきたことは評価できる。
 しかし、今の中国の不動産市場はバブル以外の何物でもなく、やはりバブルが弾けるのは時間の問題で、あとはどのような弾け方になるかというのが焦点になりそうだ。
 中国不動産バブルの崩壊論もまた外れるのか、時間が経てばいずれ答えが出るだろう。

  2015年に株式市場は崩壊した。
 バブル崩壊はこのときから始まっている。
 株式の次は不動産に移っている。
 来年あたりが危ないようだ。
 バブルの崩壊には数年かかる。
 中国のバブルは崩壊しはじめており、不動産が崩壊した時にピークがくるということだろう。



2016年12月1日木曜日

ウソかまことか?中国製チップ:米最新鋭駆逐艦を行不能に

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 チップには民生と軍需があり、軍需製はも民生よりはるかに精度の審査が厳しい。
 製品検査に受かってはじめて納品できる。
 納品されたものはハイレベルなスペックをもっているはずである。
 中国製が悪いという前に、もし悪いならそれらはチェックではねられているはずである。
 受領側の問題であろう。


Record china配信日時:2016年11月30日(水) 21時20分
http://www.recordchina.co.jp/a156366.html

米最新鋭駆逐艦が故障で航行不能に
原因は中国製チップ?中国の軍事専門家は「米海軍をばかにした報道」と一蹴―中国メディア

 2016年11月29日、環球網によると、米海軍の最新鋭ステルスミサイル駆逐艦「ズムウォルト」がパナマ運河を航行中に技術的な故障が発生して航行不能に陥り、付近の米海軍施設までえい航せざるを得ない状況となった。
 露メディア・プラウダオンラインは28日、
 「トラブルは同艦がチップデストロイヤーと呼ばれる中国製チップを使っていることが原因だ」
と伝えた。

 プラウダオンラインは「中国が米英の最新駆逐艦を空き缶にした」と報じ、故障が発生したのはズムウォルトだけでなく、建造費に12億ドル(約1350億円)を費やした英海軍45型駆逐艦「ダンカン」も北大西洋条約機構(NATO)の軍事演習に参加している際に同じようなトラブルに見舞われており、その原因はやはり中国製のチップにあったと伝えた。

 現時点では、米海軍第3艦隊からはごく限定的な情報しか公表されておらず、中国の軍事専門家は「プラウダオンラインの報道は米海軍をばかにしている」と指摘。
 米軍は核心装備の部品を海外から輸入するケースはまれで、仮に輸入する場合も厳しい検査を行うとし、ましてこの平和な時代に中国が故意に問題のあるチップを輸出するなどあり得ない
と話している。









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