2016年12月14日水曜日

トランプ外交の幕開け(4):南シナ海

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Record china配信日時:2016年12月13日(火) 13時30分
http://www.recordchina.co.jp/a157601.html

中国爆撃機の南シナ海飛行、
トランプ次期大統領への圧力か―米メディア

 2016年12月12日、米国はこのほど、中国が核兵器の搭載が可能な長距離爆撃機を南シナ海の空域で飛行させたことを明らかにした。
 中国紙・参考消息(電子版)が伝えた。

 米FOXニュースによると、これは軍事力を誇示することが目的で、ドナルド・トランプ次期大統領がこれまでの慣例を破って台湾総統と電話会談を行ったことへの圧力とみられる。

 中国が派遣した爆撃機は中国が独自に領有権を主張している地図上のライン「九段線」に沿って飛行したという。
 九段線内に含まれる島しょに対しては、台湾やベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイなども領有権を主張している。

 中国軍機が九段線に沿って初めて飛行したのは2015年3月。
 今回は轟−6爆撃機を護衛するように戦闘機が付き添っていたという。

 米国防総省を懸念させているのは中国が南シナ海で領有権が争われている島に最新の対空ミサイルを配備していることで、FOXニュースは2月、
 パラセル諸島のウッディー島(永興島)に地対空ミサイルが配備されたことを報じていた。

 中国が南シナ海で軍事力を増強し、米中関係が緊張を増している中、中国の軍事行動が人々の不安を拡大させている。



読売新聞 12/13(火) 20:35配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161213-00050150-yom-int

中国、核搭載可能な爆撃機を南シナ海に…米TV

 【ワシントン=大木聖馬】
 米FOXテレビは、複数の米政府当局者の話として、中国が核兵器を搭載可能な長距離爆撃機「轟(H)6」を8日に南シナ海で飛行させたと伝えた。
 ドナルド・トランプ氏をけん制する狙いだったとみられる。

 H6は中国が南シナ海で自らの主権が及ぶと主張するU字形の境界線「九段線」に沿って飛行。
 米国防総省は9日、これを受けて警戒態勢をとったという。
 中国外務省の耿爽(グォンシュアン)副報道局長は13日の定例記者会見で、この報道を受け「中国軍機は一貫して、南シナ海の関係空域で正常な飛行任務を行っている」と強調した。

 また、米偵察衛星の最近の画像によると、中国軍が南シナ海に面した広東省掲陽市の港湾で、ロシアの最新型防空ミサイルシステム「S400」の中国版とされる地対空ミサイルを南シナ海の係争海域に搬送する動きも見せているという。



[ワシントン 14日 ロイター] 2016年12月15日(木)19時10分
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/12/post-6549.php

 中国、南シナ海の人工島すべてにミサイルなどの防衛施…

 米シンクタンクのアジア海事透明性イニシアチブ(AMTI)は14日、中国が南シナ海に造成した人工島7島すべてにミサイル迎撃システムを含む防衛施設を設置した可能性があることが最新の衛星写真で判明したと明らかにした。

 AMTIは6─7月からスプラトリー(中国名・南沙)諸島のファイアリークロス(永暑)礁、ミスチーフ礁(美済礁)、スビ(渚碧)礁で建設されていた六角形の構造物の様子を観察。

 スプラトリー諸島の他の4カ所の場所で類似の構造物がすでに建設されており、AMITは11月に撮影された新たな衛星写真から、新たに建設された構造物はこれを補強するものである可能性があるとしている。

 また、ファイアリークロス(永暑)礁の様子をとらえた写真にはレーダー施設のように見える構造物も写っているとしている。

 トランプ次期米大統領は中国の南シナ海での行動を批判しており、オバマ政権よりも厳しい態度で臨む可能性がある。



Record china配信日時:2016年12月15日(木) 19時30分
http://www.recordchina.co.jp/a157986.html

中国が南沙諸島への迎撃システム配備認める、
「他人が軒先で威嚇している時、弓矢や銃弾を用意しないわけにはいかない」―中国国防部

 2016年12月15日、中国国防部は南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島の7つの人工島すべてに航空機やミサイルを撃ち落とす「近接防御システム」(CIWS)を配備したとの報道について、公式サイトで「正当で合法な行為だ」として、事実だと認めた。
 環球時報(電子版)が伝えた。

 同部新聞局はサイトで
 「中国が南沙諸島と周辺海域に、必要な軍事施設を建設することは正当で合法な行為だ」
と主張した。
 さらに、同諸島と周辺海域における中国の主権は「争うべくもなく当然」のことだと改めて表明した。

 建設する施設は民事目的が中心であり、必要に応じて軍事転用するが
 「すべて防御と自衛のためで、正当で合法な行為だ。
 他人が軒先で威嚇している時、弓矢や銃弾を用意しないわけにはいかないだろう」
と主張した。



ロイター 2016年 12月 15日 15:37 JST
http://jp.reuters.com/article/usa-trump-china-risks-idJPKBN14406W?sp=true

焦点:トランプ時代の米中対立、
想定される中国の報復シナリオ

[13日 ロイター] -
 米国のドナルド・トランプ次期大統領が中国を怒らせている。
 台湾の蔡英文総統と電話会談を行い、米国が長く維持してきた「一つの中国」原則と言う立場を必ずしも堅持する必要はない、と発言したためだ。

 台湾問題は、米中関係における最も難しい要素であると言える。
 中国は台湾を反乱地域と見なしており、これを支配下に置くための武力行使を放棄したことはない。
 トランプ氏が台湾問題をめぐって強硬姿勢を維持する場合、米国に対する中国の報復措置として、想定されるシナリオは以下の通り。

●米国との断交

 トランプ氏が台湾に対し、何らかの公式な外交的承認を提示するならば、中国は大きな混乱を招く過激な行動ではあるが、米国との外交関係を絶つ可能性が高い。
 中国は、台湾と国交を維持する国に対して外交関係を持つことを拒否している。
 米国との断交は、中国政府による最終手段となる可能性が高い。

●台湾近辺での軍事的挑発

 中国は、台湾近辺で軍事的挑発を行うことで、台湾支配に向けた決意を示す可能性がある。
 たとえば、人口密度の高い台湾西岸に近い水域にミサイルを発射することによって海路や空路を実質的に封鎖するなどの手段に訴える可能性があり、これは地域を不安定化する動きとなる。
 中国の国営メディアは、台湾問題を断固として解決するためには、いまや軍事的手段が必要となるかもしれないとさえ示唆している。

●南シナ海における対決姿勢

 中国は領有権争いが生じている南シナ海において、「航行の自由」作戦の下で米国が行った哨戒活動に怒りを示してきた。
 中国は南シナ海で占拠した島嶼(とうしょ)や岩礁で埋め立て工事を行い、飛行場その他の施設を建設している。
 これまで中国は、哨戒活動を行う米艦を追尾し、言葉による警告を発するという形で対応してきた。
 だが、米国による今後の哨戒活動に対しては、より強硬な手段をとる可能性がある。
 2001年には、米軍の偵察機が南シナ海で中国側戦闘機と接触した後、中国領内に強制着陸させられた例がある。
 ただし、中国は自国の通商路を確保しておくために南シナ海の平和を必要としており、軍事衝突を起こすことには消極的だろう。

●台湾向け武器輸出に関与する米国企業への制裁

 2010年、中国はオバマ米政権による台湾への新たな武器輸出に怒りを示し、関与した米国企業への制裁措置をほのめかした。最終的にはこの制裁は実施されなかった。

●保有する米国債の大量売却

 中国は米国にとって最大の債権国であり、9月時点で1兆1600億ドル(約137兆円)相当の米国債を保有している。
 中国が保有する米国債のかなりの部分を急に売却すると決定すれば、米債券市場に深刻な打撃を与え、米国は資金を求めて慌てることになる。
 ただ、中国による報復的な米国債の大量売却は、精密な照準爆撃とはなり得ない。
 グローバル市場を混乱させ、ひいては中国自身にもその衝撃が及ぶ可能性が高い。
 したがって一部のアナリストは、こうした動きは、戦争に次ぐ最悪のシナリオと認識している。

●北朝鮮への圧力緩和

 米国は、核武装を進める北朝鮮に対して、中国に「厳しい対応」を繰り返し求めている。
 中国は北朝鮮にとって経済や外交面における最大の支援者ではあるが、中国自身も北朝鮮の核実験・ミサイル発射実験については強い怒りを示している。
 中国が米国への不快感を表現するために北朝鮮に対する国連制裁を緩和する可能性はあるが、それは逆効果を招き、結局のところ、北朝鮮政府とそのミサイル・核開発計画を後押ししてしまう可能性がある。
 これは中国政府が望まない結果だ。

●米企業に対する圧力

 国営メディアや消費者団体を通じて、あるいは単に国民感情を煽ることによって、米企業に打撃を与えるという間接的な手段もある。
 南シナ海における領有権紛争に関して今年、国際司法の場で中国が敗れた後、アップル(AAPL.O)やケンタッキーフライドチキンの親会社ヤム・ブランズ(YUM.N)など複数の米国ブランドが、短期間ではあるが反米的な抗議行動やボイコットの標的となった。
 米企業に対し関税を引き上げる可能性や、航空機などの製品について、米国以外の競合他社へ乗り換える動きが露骨に進められることも考えられる。
 また中国は、国内で活動する米企業に対して官僚主義的な障害を設けるかもしれない。
 在中の米大手消費財メーカー幹部は、米企業に対する何らかの報復があるとすれば、声高で攻撃的な対応よりも、地元当局による認可プロセス停滞や書類処理の遅れなどが発生する可能性が高いとロイターに語った。

●農産物調達先の乗り換え

 銅からトウモロコシ、原油に至るまで、中国は世界随一のコモディティ消費国である。
 したがって中国は、農産物調達先の乗り換えを模索することで米国に打撃を与えることができる。
 トウモロコシから大豆に至るまで、米国産農産物の中国輸出量は、2015年に過去最高の4790万トンに達した。

●市場アクセス推進の停止

 トランプ氏が「1つの中国」原則を捨てれば、ほぼ確実に2国間投資協定をめぐる協議に差し障りが出る。
 そもそもトランプ氏はこの種の協定に乗り気ではないかもしれないが、2国間投資協定による市場アクセスの拡大は、中国に対して米ビジネス界が望む最優先項目である。
 以前からずっと、米中の2国間投資協定が中国に対する投資自由化の先駆けになると考えられていた。
 その協議が停滞すれば、中国は欧州との投資協定に関する協議を推進する可能性もある。

●サイバー問題に関する合意への障害

 トランプ氏が「1つの中国」政策を維持しなければ、2015年に中国の習近平主席とオバマ大統領が合意したサイバーセキュリティに関する誓約を中国が反故にする可能性がある。
 政府顧問やセキュリティ専門家は、この誓約によって中国主導のサイバースパイ行為が減少したと評価している。

(Ben Blanchard記者、Michael Martina記者、John Ruwitch記者、 Jo Mason記者、Adam Jourdan記者、翻訳:エァクレーレン)



TBS系(JNN) 12/16(金) 11:06配信
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20161216-00000095-jnn-int

中国が南シナ海の人工島に防空設備を整備か



 中国が南シナ海の人工島にミサイル迎撃システムなど本格的な防空設備らしきものを整備しているのが、衛星写真で明らかになりました。中国側は設備について確認は避けつつも、「固有の領土に防衛施設を配備するのは正常なことだ」としています。

 アメリカのシンクタンク『戦略国際問題研究所(CSIS)』が発表した報告書によりますと、中国が南シナ海の南沙(英語名:スプラトリー)諸島に造成した人工島を先月撮影した衛星画像を分析した結果、7つの人工島すべてに防空設備とみられるものが確認できるということです。
  航空機を撃ち落とす対空砲や、ミサイルを迎撃するシステムなど本格的な防空設備である可能性が高いとしています。

 「中国が固有の領土に施設を建設し、必要な防衛設備を配備することは、まったく正常なことだ」(中国外務省 耿爽報道官)

 中国外務省の耿爽報道官は、防空設備の存在について具体的な言及は避けながらも、「国土を守るのに必要な防衛設備の配備は軍事化には当たらない」との立場を改めて示し、「それが軍事化であるなら、南シナ海に艦隊を派遣することは何なのか」と暗にアメリカを批判しました。

 中国国防省も「他人が家の前で武力を見せびらかしているのに、我々はパチンコほどの武器も用意できないのか」と不快感を露わにしています。



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