2016年12月20日火曜日

中国経済危うし信号(2):貿易の建て決済の激減

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 先に述べたがあてにならない中国経済統計に代わって中国経済のおおまかな状態を知るのに使う指標は2つである。
 1].貿易統計
 2].アメリカ国債保有高
  貿易に関しては2つの指標がある。
1].貿易量
2].決済方法
 決済方法の基準は
1].「ドル建て」か
2].「元建て」か
である。
 元建てが通用するには元に十分な信用がないといけない。
 その指標は、もとに戻ってしまうが
1].米国債をどれほど所有しているかということ
2].元が不要に増刷されれていないこと
の2つになる。
 元が増刷されているとインフレになり、さらにハイパーインフレだと元の価値が一気に落ちる。
 いまの元はその状態にあり、ジャカスカ輪転機が回っている。
 それはGDPという指標を上げるために行われている。
 お札を刷って市中にばらまいている。
 天文的赤字を生み出すほとんど人の乗らない高速鉄道を建設し、ゴーストタウンなどを作ってGDPという数字を上げている。
 これは一種の失業対策とみれば分からぬでもないが、ランニングコストの計算がないので、
「作ったら捨て、作ったら捨てる」
の繰り返しになる。
 高速鉄道やゴーストタウンは事故を起こした高速鉄道車両のように土盛りして捨てればいいが、市中に出回った元札はそのまま残ってしまう。
 元札も一緒に土中に消えてくれればありがたいことだが、そうはいかない。
 モノは消えてもサツは残る。
 これがバブルをよび、ハイパーインフレをよぶことになる。
 元の増刷は結果として「元暴落」ということつながる。
 これを回避するために米国債を売って元を買い支えるということになる。
 つまり、元増刷と米国債はリンクしていることになる。
 元増刷は元価値を低下させ、元に対する信用は低下する。
 いつ弾けるかわからない元では、貿易決済に懸念が生じる。
 弾けて紙くずになった元で支払われても大損をくらうだけになる。
 よって中国との貿易は、元建てからドル建てへとシフトせざるをえない。
 そういう兆候が見られれば、中国経済に危険信号が出ているということになる。 


Record china配信日時:2016年12月20日(火) 5時20分
https://www.blogger.com/blogger.g?blogID=3424884661020897165#allposts/postNum=15

中国、対外貿易に占める人民元建て決済
シェア26%から16%に縮小―英紙

 2016年12月19日、参考消息網によると、英紙フィナンシャル・タイムズは13日、国際通貨基金(IMF)が、特別引き出し権(SDR)と呼ぶ準備通貨に、ドルや円などに次ぐ5通貨目として中国・人民元を採用することを正式決定してから1年が経過したが、
 人民元の世界での使用量は縮小している
と報じた。

 中国人民銀行(中央銀行)によると、中国と海外との経常決済に占める人民元建て決済金額のシェアは、
★.2010年の0%から15年の26%にまで急増したが、
★.現在は16%にまで縮小
している。

 国際決済銀行(BIS)が3年ごとに実施する調査によると、13年の世界の通貨取引における人民元のシェアは9番目で、10年当時から順位を7つ上げた。
 16年は通貨別ランキングで8位となっている。

 人民元の需要が減少した主な要因は、米ドルに対する継続的な下落と中国経済の見通しへの懸念だ。
 中国経済の成長率は四半世紀ぶりの低水準になっている。
 中国人民銀行が発表した11月末の外貨準備高は約3兆500億ドル(約348兆円)で、
 14年6月のピーク時から25%も減少
している。



ロイター 2016年 12月 20日 10:58 JST 
http://jp.reuters.com/article/china-yuan-foreign-account-idJPKBN1480B6?sp=true

アングル:
  人民元安を恐れる中国人、外貨預金口座の開設急ぐ

[上海 19日 ロイター] -
  中国では、人民元の下落を懸念した一般市民の間で外貨預金口座を開設する動きが加速している
 上海に住む会計士のZhang Yutingさん(29)は、米国に行った経験は一度きりで、外貨を使う必要もほとんどないが、ドル口座を開いた。
 同じような人は多く、公式統計によると、今年1─11月に中国の家計が保有している外貨預金は32%近く増えた。
 人民元がドルに対して8年ぶりの安値に下がったからだ。
 外貨預金の伸び率は、人民元その他通貨の預金総額に比べて約4倍のペース。
 米国の利上げや中国経済の先行きへの不安から、資本が海外に逃避している。

 トランプ次期米大統領が中国からの輸入品に懲罰的関税をかけると宣言したり、台湾や南シナ海問題を巡って緊張が高まっていることも、懸念に拍車を掛けている。
 企業や銀行、富裕層が外貨預金口座その他の海外資産に振り向けている金額に比べれば、家計の外貨預金規模は大きくはない。
 11月末時点の家計の外貨預金残高は1187億2000万ドルだが、外貨預金全体の残高は7025億6000万ドルだった。

 しかし家計による外貨保有の急増は資本逃避を象徴しており、人民元安と格闘する政府にとって頭痛の種だ。
 政府は10月以来、外貨送金の承認制強化などの資本流出抑制策を講じてきたが、今後さらに規制を強める可能性がある。
 個人による外貨換は年間5万ドル相当まで許されているが、複数の銀行筋によると、現在の状況が続けば対策が強化されそうだ。
 銀行幹部2人によると、一部の銀行は、1日の上限である1万ドルの交換を2日続けて行った顧客をブラックリストに載せている。
 掲載された人は一定期間、交換を禁じられる可能性もあると幹部1人は話す。

 また、資本流出を抑えるよう圧力をかけられている銀行は、自発的に外貨を人民元に戻した顧客に景品などを提供している。
 交通銀行では、1000ドル以上を人民元に換えた顧客はくじ引きに参加することができ、携帯用プリンターなど様々な商品が用意されている。
 中国工商銀行はウェブサイト上で、ドルから人民元への両替に優遇レートを提供している。

 しかしキャピタル・エコノミクスの中国エコノミスト、ジュリアン・エバンスプリチャード氏によると、
 市民の間には外貨預金よりも、実際に持ち出せる現金を好む傾向も見られる。
 「規制当局は預金なら大いに統制しており、国内の外貨預金への流入ペースを統制することもできる」
からだ。

 前出のZhangさんは、人民元がさらに下がれば国が規制を強化し、口座内のドルを売るよう命じられる恐れもあると考え、ドルを現金で引き出した。
 こうした動きについて政府が何らかの対策を練っている様子は見受けられない。

(Winni Zhou、John Ruwitch記者)




【身勝手な大国・中国】



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