2016年12月4日日曜日

モンゴル:ダライ・ラマ訪問をめぐり中国とモンゴルに亀裂

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 マレーシアを親中派に懐柔し、そしてフィリピンにたくさんのお土産をもたせてドテルテ取り込みに成功し、負け続けていた外交に一矢を報いた習近平だが、このところまた分が悪くなってきている。
 台湾の蔡英文とトランプの電話会談で窮地に追い込まれてしまった。
 と思ったら、今度はモンゴルである。
 習近平も忙しいことである。
 中国スタイルの外交はあまり功のあるものではないようである。
 つまり軍事力による恫喝と金銭バラマキではなかなか友好な関係を保てないというのが外交の基本ということであろう。
 イギリスで大盤振る舞いして味方につけたと思ったら、英海軍は南シナ海に出張ってくるという。
 どうも中国の外交は裏目に出ることが多いようである。


Record china配信日時:2016年12月4日(日) 8時20分
http://www.recordchina.co.jp/a156577.html

ダライ・ラマ訪問をめぐり中国とモンゴルに亀裂
中国は政府間交流中止の対抗措置

 2016年12月3日、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世のモンゴル訪問をめぐり、中国との間に亀裂が走っている。
 中国外交部は「モンゴルは中国の度重なる制止を顧みず、ダライをモンゴルに招いた」と批判。
 対抗措置として年内に予定していた両国政府間の交流を全面的に取り消した。

 モンゴル訪問に先立ち、ダライ・ラマは11月8日から18日までに日本に滞在した。
 日本訪問は5月に続いて2回目だった。

 ダライ・ラマ法王日本代表事務所によると、今回の滞在中、ダライ・ラマは自民党、民進党の国会議員らとの意見交換や京都、横浜での講演などの日程を精力的にこなしたほか、中国の内蒙古自治区出身者が結成したばかりの「モンゴル亡命議会」メンバー約20人とも面会した。
 これが中国の逆鱗(げきりん)に触れた可能性もある。

 ダライ・ラマがモンゴル入りすると、入国を許可しないよう求めていた中国外交部の耿爽報道官はモンゴル側の対応を非難するとともに、「強烈な不満と断固たる反対」を表明。
 「(ダライ・ラマと)いかなる国家の当局者がいかなる形式の接触を行うことにも断固反対だ」とけん制した上で、モンゴル側に対し
 「中国の核心的利益と重大な関心を尊重し、有効な措置を取り、訪問によるマイナスの影響を取り除くべきだ」
と訴えた。

 さらに、中国側は11月下旬に開催するはずだった両国の議会間の定期会議やモンゴルのフレルスフ副首相らの訪中受け入れや、12月上旬に予定していた外相の訪中受け入れを取り消した。
 中国とロシア、モンゴルの3カ国で12月に締結する予定だった道路輸送協定も見送りになった。

 モンゴル滞在中のダライ・ラマの行動について、モンゴル側は「宗教的な行事に参加するなどし、政治的な活動はなかった」と説明しているが、AFP通信によると、ダライ・ラマは首都ウランバートルで記者会見し、トランプ米次期大統領に言及。
 トランプ氏との会談に意欲を示し、
 「選挙中、候補者は自由に発言するが、当選すれば現実に合わせるようになる。私は心配していない」
と語ったという。

 モンゴルは旧ソ連の影響下に長くあったことから、国境を接する中国との関係は必ずしも良好ではなかったが、1992年に駐留していたソ連軍が全面撤退したことなどから、急速に改善。
 94年4月には李鵬首相(当時)が中国首相としては34年ぶりに訪問し、中蒙友好関係協力条約が調印された。

 しかし、モンゴルは中国から何回も侵攻された歴史があり、国民の対中感情は複雑。
 2005年には「ダヤル・モンゴル運動(汎モンゴル運動)」と名乗る団体が中国系のスーパーやホテルを襲撃する事件を起こしている。
 中国がダライ・ラマ訪問の報復措置を取ったことで、
 モンゴル内で対中感情が悪化するのは避けられず、
中国との関係は当面冷え込みそうだ。









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